Moto3クラスを戦うHondaライダー11名の選手の中で、イタリア出身18歳のエネア・バスティアニーニは今シーズンの活躍を最も期待されているライダーの一人です。2015年シーズンは6戦で表彰台に立ち、総合3位という成績でした。
「昨年はとてもいいシーズンでした。ランキング3位は上々だと思います。シーズン後半戦はもう少しうまくまとめることができたかもしれませんが、何戦か不運なレースがあって、チャンピオン争いに留まることができませんでした。昨年はすばらしいシーズンでしたが、今年はマシンのセットアップにまだ少し苦戦しています。でも、すぐにいつものように力強い走りをできるようになると思います」
苦労をしているのは、レース序盤における燃料満タン状態で思ったように走れないところだとバスティアニーニは説明します。
「燃料が減ってくると、速くて走れて前に追いついています。今は、なぜ序盤に速く走れないのかを究明している最中です。僕たちの戦闘力は高いと思うし、この部分さえ解決すれば、すぐに表彰台に復帰できると思います」
バスティアニーニは、Moto3クラスにデビューした14年はライバル陣営のマシンで参戦していましたが、15年からHondaライダーの一員に加わり、高い戦闘力を発揮するようになりました。HondaのMoto3マシンであるNSF250RWの武器は、高い旋回性だと説明します。
「以前の僕の乗り方は、ストップ&ゴータイプだったのですが、その意味でもHondaのマシン特性に合わせてもっとなめらかに乗れるライディングスタイルに適応していく必要がありました。でも、このスタイルは僕の乗り方にとても合っていると思います」
世界選手権に参戦して以来、この2年間で吸収したことを、今年はさらに高い成果として発揮したいところです。
「14年は、とてもたくさんのことを学びました。グランプリの世界のことやタイヤの使い方、メカニックとの仕事の進め方など、ルーキーとして吸収するべきことがたくさんありました。そこで学習したことを生かして、2年目のシーズンには大きな進歩を遂げることができたと思います。今年は3年目のシーズンなので、この2年間の経験をさらに活用して、もっといい成績を挙げたいと思います」




そんなバスティアニーニですが、サーキットを離れた日常生活では普通の18歳、若者らしい素顔も垣間見せます。マシンやトレーニング以外の趣味は、釣りやダイビング、スキーなど活動的な面もある一方、今の若者らしさを持ち合わせ、ゲームも好きだと話します。
「サーキットから離れると、友達とプレイステーションをして遊んだり、映画を観たり、ときには釣りにも行きますよ。普通の生活をしています」
今シーズンは、まだ半分以上のレースが残っています。目標は毎戦いい結果を残すこと、そして高い安定感を発揮することだとバスティアニーニは抱負を述べました。
「チャンピオン獲得は難しいかもしれないけれども、ノーポイントのレースをなくして毎戦安定した結果を残すことが重要だと思います。一戦一戦のレースに集中して高い安定感を発揮し、終盤戦には優勝争いをしたいと思っています」

