苦しい中でもあきらめることなく上を目指したアラゴンでの週末
第14戦アラゴンGP 会場:モーターランド・アラゴン
予選:29番手 決勝:26位
今年で3度目のスペインでの大会となる第14戦アラゴンGPは、IDEMITSU Honda Team Asiaのラタパーク・ウィライローにとって試練の週末になりました。しかし、そんな中でも最後まであきらめない粘り強い戦いを続け、ウィライローとチームは前向きな姿勢でレースウイークを戦い抜きました。そんな彼らのシーズン第14戦を振り返ってみましょう。
金曜日の初日は午前に45分、午後に45分の計90分のフリープラクティスセッションが行われます。ここでしっかりとセットアップの方向性を見いだせるかどうかに、土曜日以降のセッション内容が大きく左右されます。
午前のFP1でウィライローは26番手。午後はさらにセットアップを煮詰めてポジションアップを狙う予定でしたが、運悪く14コーナーで転倒してしまい、リズムを少し乱してしましました。セッション時間を終えたウィライローは「自分のミスが腹立たしく、チームに申し訳ない」と吐露しました。
「午前のセッションでは、いい積み上げができました。午後は、ブレーキングでミスをし、転倒してしまいました。自分自身がふがいなく、いつもがんばってマシンを修復してくれるチームに申し訳ない思いでいっぱいです。明日に向けてやるべきことはたくさんありますが、いいベースと情報があるので、がんばって改善していきたいと思います」
土曜日午前のFP3で、ウィライローとチームは前日からの改善に取り組み、予選でも全力で高いグリッド位置の確保を目指しましたが、10列目29番手からのスタートになりました。
「昨日の課題だったブレーキングポイントは少しずつよくなっていますが、まだ十分ではなく、あらゆるセクターでタイムをロスしています。それでもレースペースは安定し、昨日よりもうまく走れているので、少しずつ自信を深めています。明日のレースは、低いグリッドポジションなので、最高のスタートを決めて前のグループを追いかけ、トップ20を目指したいと思います。今回は厳しいレースウイークですが、最後まであきらめずにがんばります」
21周で争う日曜日の決勝レースで、ウィライローは後方のグリッドからのスタートを強いられましたが、前日に話していた通り、最後まであきらめない粘りの走りを続けました。後方集団で苦しみながらも、少しずつペースを上げて前の選手を追いかけ、チャンスを狙って勝負を仕掛けます。一つ、2つと順位を上げ、最後はグリッド位置よりも3ポジション上の26位でチェッカーフラッグを受けました。「少しずつでも順位を回復できたのは、ポジティブな要素だったと思います」と、ウィライローはレースを振り返りました。
「今回のような厳しいレースウイークでは、もうこれ以上ミスをしたくなかったので、昨日の予選後にメカニックたちとしっかりミーティングをして、決勝レースのプランを練りました。そのかいあって、朝のウォームアップでうまくかみ合い始め、少しずついい走りができるようになってきました。決して100%の状態ではありませんでしたが、今回のウイークはコースもマシンもいいフィーリングを得られていない中で、決勝に向けて改善を進め、悪くないペースでレースを走りきれました。僕たちはセッションごとによくなっていきましたが、上位勢やポイント圏内のライダーたちとの差は大きく、まだまだ十分ではありません。次からアジア3連戦なので、さらにがんばって挑戦を続け、トップ15を目指したいです」