IDEMITSU Honda Team Asiaの挑戦

ラタパーク・ウィライロー

中上貴晶 尾野弘樹 カイルール・イダム・パウィ

厳しい戦いの中でも、手応えをつかむ

第12戦イギリスGP  会場:シルバーストーン・サーキット
予選:28番手  決勝:18位

IDEMITSU Honda Team Asiaのラタパーク・ウィライローにとって、第12戦イギリスGPの開催地であるシルバーストーン・サーキットは、4年ぶりの走行になりました。コースの特徴を思い出すためにも、十分な走り込みを行いたいところ。しかし、イギリス特有の不安定な天候が、ウィライローにとって、コースの難易度をさらに高めることになりました。

ラタパーク・ウィライロー

走行初日の金曜日は午前午後とも、セッション開始からしばらくすると雨が降り始めました。そのため、ウィライローを含む大半の選手が、微妙に湿ったコンディションの様子を見るためにピットボックスにとどまり、十分な周回数を重ねることができませんでした。

「今日はFP1とFP2で、それぞれ7〜8周程度しか走行できませんでしたが、セットアップはいい方向性を見つけ、明日に向けて有用な情報を集められたと思います。ここを走るのは2012年以来ですが、コンディションにうまく対応できれば、決勝に向けてどんどんアジャストしていけると思います」

土曜日午前のFP3はドライを維持し、ウィライローは前日のタイムから0.7秒以上詰めて、この段階で総合24番手の2分10秒213を記録しました。午後の予選では、さらにコースへの順応とセットアップの改善を狙っていましたが、ランチタイムに雨が降り始め、午後3時5分からの予選はウエットセッションとなりました。この予選でウィライローは、タイムアップを狙っている最中に転倒。チームがマシンを素早く修復して再びコースインしましたが、以後は思ったほどのフィーリングを得られず、最後尾の28番手スタートという厳しいポジションになってしまいました。

「予選の序盤は少しずつタイムを上げていたのですが、転倒後はフィーリングがかみ合わず、思うように速く走れませんでした。しかし、午前のドライコンディションでは、昨日からさらにセットアップが進んでいます。今日は異なるコンディションで2度走ったことで、いい経験を積めました。明日は後方からのスタートになるので、スタートを決めて前のグループにしっかりついていきたいです。レースペースは、トップ20に食い込めるタイムを出せていると思います」

ラタパーク・ウィライロー

日曜日の決勝レースは、いつもとややスケジュールが異なり、現地時間の午後2時30分にスタートしました。曇天で肌寒く、路面温度も18℃という状況でしたが、ウィライローはスタートを成功させて前方のグループに食い込むと、その中でバトルを続けました。周回を重ね、戦いながらどんどんフィーリングを向上させていき、終盤はトップ10の選手たちと変わらないラップタイムを刻むほどになりました。しかし、残念ながらそこからポジションを上げることはできず、ポイント圏内にわずかに届かない18位でチェッカーフラッグを受けました。

厳しい中にもポジティブな手応えを得たウィライローは、レース後に18周の戦いを振り返り「チームの努力があったからこそいいフィーリングを得られた」と話しました。

「チーム全員で一丸となってがんばってきましたが、プラクティスではなかなか結果がついてきませんでした。しかし、レースではフィーリングがよく、周回ごとに自信を持ってどんどん攻めていけました。ペースは悪くなかったのですが、レース中に2コーナーのブレーキングでミスをしてしまい、前と離れてしまったのが少し残念です。今回はもっといいグリッドからスタートしていれば、きっとポイントを獲得できていたと思います。この調子で、次のサンマリノGPでも、FP1からしっかり高水準の走りができるよう、集中力とモチベーションを高く保ってがんばります」