苦しい戦いの中で学びを進める
第13戦サンマリノGP
会場:ミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリ
予選:27番手 決勝:22位
Moto3クラスのルーキーには、シーズンを戦うほとんどの会場が初体験のサーキットです。IDEMITSU Honda Team Asiaのカイルール・イダム・パウィにとって、第13戦の舞台ミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリもまた、そんなコースの一つです。
金曜午前の走行では、コースレイアウトの特徴やライン取りを学習するところから、すべてが始まります。そして、セッションの進行とともに少しずつコースに馴染みながら、徐々に攻略を進め、決勝レースへの準備を整えます。学習することがあまりに多く、高い戦闘力を発揮できるレベルまで持っていくのは容易なことではありません。
パウィは金曜午前と午後の2回のセッションを終え、初日を総合31番手としましたが、土曜午前のFP3では23番手、そして午後の予選では27番手タイム。9列目27番グリッドから日曜の決勝レースを迎えることになりました。
「金曜の走行ではフロントに不安定感があって、旋回でアウト側へはらむ傾向があったのですが、今日はだいぶよくなりました。ただ、路面温度が高かったのでリアがスライドして、スロットルを開けていくのが難しかったです。明日は27番手からのスタートなので、厳しいレースになると思いますが、できる限り前の選手たちを追い上げ、いいリザルトを獲得するつもりです」
日曜の決勝レースは午前11時にスタートし、23周で争われました。
9列目27番グリッドスタートのパウィは、自分の前後にいる選手たちと激しい順位争いを繰り広げながら、しっかりと走りきって、最後は22位でチェッカーフラッグを受けました。レースを終えたパウィは、厳しいレースウイークを乗りきって完走を果たした充足感と、気持ちよく走れなかったフラストレーションがない交ぜになったような表情をしていました。
「前にいるグループについていこうとしたのですが、コーナー立ち上がりでリアのスライドが激しく、マシンを早めに引き起こさなければなりませんでした。僕は今シーズン何度も転倒していて、もう転倒はしたくなかったので、今回はしっかりと最後まで走りきることにしましたた。その状況でもラップタイムは悪くなかったし、レース中に自己ベストタイムも更新できました。だから、いい経験を積むことができたと思います。次のアラゴンは走行経験のあるコースですが、昨年は苦戦をしました。だから、今年は昨年よりもいい走りができるようにがんばります」