モータースポーツ > ロードレース世界選手権 > Honda World Grand Prix 700勝の軌跡 > RC212V
スピードがあまりに高まったMotoGPクラスでは、2007年から、4ストロークマシンのエンジン排気量の上限が、990ccから800ccに引き下げられました。そこでHondaは、RC211Vの後継機としてRC212Vを投入。マシンの最低重量規定の観点から不利になるとして、RC211Vで採用したV型5気筒エンジンでなく、勝手知ったるV型4気筒エンジンに戻しました。刷新されたレギュレーション下でも、どん欲に勝利を目指したのです。ところが、2007年と2008年でそれぞれ2勝に終わると、2009年は3勝、2010年は4勝と、苦戦を強いられます。そうして迎えた2011年、逆境の中でも続けられていた開発が、とうとう実を結びました。2011年のRC212Vは、エンジン回りだけでなく、マシンの至るところを変更。特に、重心位置の最適化による、コーナリング性能のさらなる向上を目指しました。そして、このマシンを、6人のMotoGPライダーに託したのです。すると、そのうちの一人であり、この年にライバルチームからRepsol Honda Teamにやってきたケーシー・ストーナー選手が奮闘。18戦中10勝を挙げてチャンピオンに輝きました。RC212Vは13勝を挙げてチームとコンストラクターズタイトルも手にし、3冠を達成しました。
エンジン種類 | 水冷4ストローク DOHC4バルブ V4 |
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排気量 | 800cc |
最高出力 | over 155kW |
車両重量 | over 150kg |
変速機 | 6段変速 |
2011年 ケーシー・ストーナー