モータースポーツ > ロードレース世界選手権 > Honda World Grand Prix 700勝の軌跡 > NS500

NS500 500ccクラス参戦

  • 1983
マシンの歩み
  • 1982年500tクラス参戦開始
  • 1982年第7戦でHondaにとって15年ぶりの優勝を果たす
  • 1982年シーズン3勝を挙げる
  • 1983年12戦6勝でHondaにとって16年ぶりのタイトル獲得を達成
NS500

Hondaに15年ぶりの最高峰クラス優勝をもたらしたチャンピオンマシン

モトクロス世界選手権に投入した2ストロークエンジン搭載のRC500Mが、1979年に500tクラスで世界チャンピオンを獲得。以降、世界各地でHondaのモトクロスマシンは好成績を収めました。この時期Hondaは、ロードレース世界選手権(以下、WGP)で、4ストロークマシンのNR500が苦戦。Honda社内では「まず勝つことが重要であり、実績のある2ストロークを使うべきではないか」という意見が出され、開発したマシンがNS500でした。新開発したエンジンは、モトクロス用のエンジンを3つ組み合わせたようなV型3気筒の独創的なレイアウトで軽量かつコンパクト。最高出力は、120PS/11000rpmに達し、これを搭載する車体にはNR500で培った技術や経験がつぎ込まれました。1982年にデビューを果たしたNS500は、開幕戦から上位を走り続けます。そして迎えた第7戦ベルギーGPで、フレディ・スペンサー選手がNS500を駆り、Hondaに15年ぶりとなるGP500クラスでの優勝をもたらしました。その後も第11戦、第12戦と勝利を重ね、シーズン3勝。続く1983年にNS500は、さらなる軽量化を図り、エンジン出力も最終的には130PS/13000rpmまで向上しました。この年、NS500とスペンサー選手は、ケニー・ロバーツ選手(ヤマハ)と壮絶な一騎打ちを演じます。全12戦中、ともに6勝。結果、わずか2ポイントの差で、NS500が栄光を手中に収め、メーカータイトルも獲得しました。チャンピオンマシンとなったNS500は、スペックをほぼそのままにRS500として市販化され、世界中のライダーに歓迎されました。

NS500 Spec

エンジン種類水冷2サイクル112度V型3気筒ピストンリードバルブ
排気量498.6t
最高出力over 127.5PS / 11,000rpm
重量113kg
変速機6段変速
1983年 フレディ・スペンサー

1983年 フレディ・スペンサー