HRCチーム代表 リビオ・スッポ 現場レポート
vol.95

雨のレースを制し、今季3度目のダブル表彰台を獲得!!

 毎年、不安定な天候に翻ろうされる第4戦のフランスGP。今年は、金曜のフリープラクティスから土曜午後の予選まではドライコンディションを保ちましたが、日曜は朝から雨。28周の決勝レースもウエットコンディションで行われました。この難しい状況にもかかわらず、Repsol Honda Teamのダニ・ペドロサは優位にレースを支配して前戦に続き2連勝。ポイントランキングでも首位に立ちました。ウエットレースを初体験したマルク・マルケス(Repsol Honda Team)も3位に入り、厳しい展開を学習しながら着実に乗りきり、開幕以来4戦連続となる表彰台を獲得しました。難しいコンディションのレースウイークをライダーとチーム全員の総合力で乗りきって、努力を結果にしっかりと反映させたレースウイークの推移を、HRCチーム代表のリビオ・スッポが語ります。

−第4戦のレースは、ペドロサ選手の優勝とマルケス選手が3位に入り、Repsol Honda Teamの両選手が表彰台を獲得するのは今シーズン3回目です。

「ダニとマルクは、今回もとてもうれしい結果をもたらしてくれました。どのような状況下でも、チームと選手が一丸となって乗りきってきたことの成果です。ダニ、マルクともに、ドライでもウエットでも速さを発揮してくれたのは、喜ばしい限りです」

−今回の勝利でペドロサ選手はだれよりも早く連勝を飾り、ライダーズランキングでも首位に立ちました。激しい戦いが繰り広げられているシーズンだけに、この優位は非常に重要なポイントですね。

「ダニは、昨年の後半戦から、一貫して力強く卓越した走りを披露してくれています。しかも、昨年の後半戦インディアナポリスGPから今回のフランスGPまで、12戦中8勝というすばらしい勝率の高さが、彼の実力をなによりも雄弁に物語っているのではないでしょうか。ですが、シーズンはまだ始まったばかりで、今後の展開は予断を許しません。ともあれ、ダニは本来の高い能力を今後も遺憾なく発揮してほしいと思います」

−マルケス選手は、MotoGPは初めて経験するウエットレースになりました。またしても、すばらしい学習能力を披露していました。

「マルクは本当に、学習能力の高さと早さをともに備えた驚くべき選手だと思います。とてもMotoGPルーキーとは思えない、百戦錬磨の選手のような走りでしたね。ポールポジションを獲得しましたが、レースではスタートに失敗し、オープニングラップでは9番手に沈んでしまいました。にもかかわらず、着々と順位を回復し、最後は表彰台を獲得してくれました。この『ネバーギブアップ』の精神こそが、レースには重要なのです。そして、それは人生そのものにもいえることです」

−最高峰クラスのルーキーで開幕4連続表彰台を獲得したのは、1998年以降ではマルケス選手が初めてです。彼のパフォーマンスは、チームの期待をすでに上回っているのではないですか?

「マルクは、これ以上望めないほどの結果を出してくれていますね。とはいうものの、今年は学習の一年で、目標はあくまで今後に向けた経験の積み重ねです」

−次戦の第5戦イタリアGPへ向けた意気込みをお聞かせください。

「イタリアGPの舞台、ムジェロ・サーキットはすばらしいコースで、多くの選手がここを得意にしています。バレンティー・ロッシ選手(ヤマハ)は長年にわたり、ムジェロで不敗を誇っていました。今年も、大勢のファンが彼を応援しにやってくるでしょう。また、ここはドゥカティのホームコースでもあり、彼らは第3戦スペインGP後にテストを実施しています。そして、昨年のムジェロの覇者はホルヘ・ロレンソ選手(ヤマハ)。次戦は、非常に激しい戦いが繰り広げられるでしょう。フランスでは雨に見舞われたので、次はイタリアらしいいい天候になってほしいですね。次戦でも、我々は最高の結果を得られるよう、選手とチームが一丸となって戦い抜きます。皆さまも、どうか引き続き熱い応援をよろしくお願い申し上げます」