vol.107 | ペドロサ、2戦連続表彰台でチャンピオン争いに踏みとどまる |
モータースポーツ > ロードレース世界選手権 > HRCチーム代表 リビオ・スッポ 現場レポート > vol.107
vol.107 | ペドロサ、2戦連続表彰台でチャンピオン争いに踏みとどまる |
第16戦オーストラリアGPは、波瀾万丈のウイークエンドでした。路面が新しくなったコースでのタイヤに関する安全性が討議された結果、レースディレクションは周回数を本来の27周から19周に減らし、さらに10周以内に新品タイヤを装着したマシンに交換することを義務づけるフラッグ・トゥ・フラッグのレースで行うことを決定しました。今回に限って適用となったこの特別ルールのもとで行われた日曜の決勝レースでは、Repsol Honda Teamのダニ・ペドロサが、序盤周回からトップグループを構成。マシン交換の規定周回時には真っ先にピットへ戻って混乱を避ける巧みな戦略で、そのあとも安定した高水準の走りで、危なげなく2位表彰台を獲得しました。一方、チームメートのマルク・マルケスはペドロサたちと先頭集団を争ったものの、マシン交換が規定より1周遅くなってしまったため、残念ながら失格処分という裁定が下されました。結果的には明暗が分かれたものの、選手とチームが全力を尽くして戦ったこの週末について、チーム代表のリビオ・スッポが明らかにします。
「第16戦は、尋常ではないレースウイークでした。状況は刻々と変化し、走行距離の最終決定が下されたのは、ようやく日曜の午後になってからのことでした。ドライコンディションの中でフラッグ・トゥ・フラッグのレースを実施したのは、今回が初めてのことです。2周のマシン交換時期が設定されていたのですが、残念ながら、我々はこの数字に対する理解が十分ではありませんでした。11周目の完了をコース上ではなく、ピットレーン上で行えばよい、と我々は解釈していたので、レースディレクションがマルクに対して黒旗を提示したことにとても驚きました。しかし、私たちの解釈が間違っていたのですから、弁解はできません。今回の失敗を教訓とし、チームの力をさらに向上させたいと思います。マルクは優勝できる速さを発揮してくれていただけに、本当に申し訳ない思いです。一方のダニは、すばらしいレース運びでした。チャンピオン争いに踏みとどまってくれていることを、とても喜んでいます」
「今回は本当に特殊な状況だったので、難しい判断だったと思います。レースで10周以上の周回を行うためには、フラッグ・トゥ・フラッグが唯一の選択肢でした。従って、これは妥当な判断だったと我々は考えています。結果的にどの選手にもタイヤの問題は発生せず、最後までレースが無事に進行しました。今回の決定は、正しい選択だったといえるでしょう」
「サーキットの路面が全面的に再舗装された場合、レース前の事前テスト実施を義務づけるのは有効な方法でしょうね。ただ、今でこそ結果論としてそのような指摘もできますが、今回のレースウイークでのブリヂストンの決断と判断は、あれが最善のものだったと思います」
「Aspar Teamという実力チームと、そしてニッキーと、契約を締結できたのは喜ばしい限りです。ニッキーがHondaファミリーに戻ってきてくれることを、とてもうれしく思っています。ニッキーと、そして彼が新たに所属するチームと一緒に仕事をする日が今から待ち遠しくてなりません」
「ツインリンクもてぎは典型的なストップ&ゴータイプのコースで、Hondaのマシンとの相性は抜群です。ダニはこのサーキットが得意中の得意ですし、マルクもきっと、持ち前の速さを存分に発揮してくれるでしょう。我々はいつものように全力でこのレースに臨み、最高の結果を勝ち取るつもりです。ダニとマルクは、ともに最終ラップまで手に汗握るバトルを繰り広げ、ともにチャンピオン獲得を目指して正々堂々と戦い抜いてくれるでしょう。我々が一丸となって挑戦を続けることで、日本全国のファンの方々に最高のレースをお届けしたいと思います。皆さまからの声援が、我々の一番の支えです。今週末の日本GPでは、熱烈な応援をどうぞよろしくお願いいたします」