HRCチーム代表 リビオ・スッポ 現場レポート
vol.101

マルケス3連勝、チームはシーズン3度目の1-2フィニッシュ

 約3週間のサマーブレイクを挟み、MotoGPのシーズン後半戦が始まりました。第10戦インディアナポリスGPは、今年3度目のアメリカ合衆国開催です。ランキングトップに立つRepsol Honda Teamのマルク・マルケスは、金曜午前のフリープラクティス1回目から全セッションでトップタイムを記録、予選でもファステストラップ記録を更新する走りでポールポジションを獲得しました。日曜午後に27周で争われた決勝レースでは、序盤こそトップグループ後方につけて様子をうかがう走りでしたが、中盤周回でトップに立つと、あとは後続を引き離して今季4勝目。25点を加算して、ランキング首位をさらに確かなものとしました。
 一方、ダニ・ペドロサは7月のケガから完全回復とはいえない状態でしたが、精神的な強さを発揮し2位でチェッカー。チャンピオンシップポイントでは、トップのマルケスから21点差のランキング2位につけています。Repsol Honda Teamがシーズン3度目の1-2フィニッシュを達成した今回のレースを、チーム代表のリビオ・スッポが振り返ります。

−サマーブレイク明け最初のレースはマルケス選手が優勝し、ペドロサ選手が2位に入り、Repsol Honda Teamは力強さを存分に発揮しました。今季3度目のチーム1-2フィニッシュという結果は、3週連続開催の戦いとシーズン後半戦に向けて最高のすべり出しといえるのではないでしょうか?

「まさしくその通りですね。優勝したマルクは、ここインディアナポリスでも、またもやすばらしい才能を発揮してくれました。2位のダニも、まだ万全とはいえない体調でしたが、最大限にがんばってくれたと思います。今回のリザルトは、望める限りの最高の結果といっていいでしょう」

−マルケス選手は、今回も週末を通じて優位にセッションを進めていました。全セッションでトップタイムを記録して、決勝ではレースをコントロールし、第8戦ドイツGPからの3連勝です。最大のライバルであるペドロサ選手やホルヘ・ロレンソ選手(ヤマハ)の体調がまだ完ぺきではないとはいえ、プレッシャーを感じている気配もなく、しっかりとチャンスをものにしてポイント差を広げましたね。

「開幕以来ここまで、マルクは本当にすばらしい走りを披露してくれています。最高峰クラス(MotoGP/500cc)のルーキー記録を次々と更新していく姿には、本当にほれぼれします。ダニとロレンソ選手が体調を100%に戻してくれば、今以上に厳しい戦いになることは明らかですが、とはいえ、マルクのあの速さと安定感には我々も舌を巻いています」

−ところで、このサマーブレイクの間にヤマハ陣営は次戦の開催地ブルノでテストを実施しました。この事実は、状況的に彼らに有利な要素となりそうでしょうか?

「金曜午前のフリープラクティス1回目では、ロレンソ選手と(バレンティーノ)ロッシ選手(ヤマハ)に多少は有利な要素があるかもしれません。しかし我々も、いつものようにチームメンバーがしっかりと自分のやるべきことを行い、マシンのセットアップを迅速に煮詰めていけば、なにも怖れることはないと思います。ブルノは、ここまでの3戦とは特性が異なるコースなので、大いに挑戦しがいのあるサーキットです。昨年のレースでは、最終ラップまでダニとロレンソ選手が一騎打ちの激しいバトルを繰り広げ、最終シケインでダニがロレンソ選手をオーバーテイクし、逆転勝利を収めるという劇的な展開でした。今年も、それに負けないドラマチックなレースができるように、我々は選手とチームが一丸となって全力で戦います。皆さまも、ぜひとも応援をよろしくお願いいたします」