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MotoGP学科

エントリーの話

17限目

「エントリー」が意味すること

ロードレースの世界では、参戦選手が負傷や病気のために本来出場するはずのレースの欠場を余儀なくされることがある。そのような場合、チームはその代役や交代要員としてほかの選手を同じチームからレースに出場させる。たとえば、昨年は、Repsol Honda Teamのダニ・ペドロサがレース中のアクシデントで負傷して数戦の欠場を余儀なくされたことがあった。その際に、Team San Carlo Honda Gresiniに所属していた青山博一がペドロサの代役としてRepsol Honda Teamから参戦し、青山の代役には、HRCテストライダーの秋吉耕祐が起用されるという事例があった。また、昨年の日本GPでは、Moto2クラスのクラウディオ・コルティの代役として、Italtrans Racing Teamが中上貴晶を抜てきし、それが中上の今シーズンのグランプリ復帰につながるきっかけになったことも記憶に新しい。

このように、チームは欠場選手の代役(substitute)として別の選手を参戦させる場合もあれば、数戦の代役ではなく交代選手(Replace)を起用することもある。これらのような事例をルールはどのように定義し、どのような制約や規制を設けているのだろうか。

2011年の日本GPにTeam San Carlo Honda Gresiniから代役参戦した秋吉耕祐選手

まずは、参戦の大前提となるエントリーについて見ていくことにしよう。ルールブックでは、エントリーの項の冒頭[1.11.1]で、その趣旨を以下のように定めている。

[1.11.1]
IRTAの構成員である各チームは、2月28日までにIRTA事務局に対して当該年2月28日までに、特別に除外許可が認められた場合を除き、そのチームで選手権全戦に有効な参戦(エントリー)を届け出なければならない。その際に、チームは参加指定選手とクラスを明示しなければならない。

Each team, being a member of IRTA, must submit to the Secretariat of IRTA, by 28 February of the year in question, an entry for their team which will, except when special dispensation is granted, be valid for all races in the Championship. At the same time, the team must indicate the riders designated and the class in which they will participate.

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