グランプリの歴史と開催会場の変遷
MotoGPは世界各地のサーキットを転戦しながら年間18戦(125ccとMoto2は17戦)を戦い、チャンピオンを決定する。一年のうちに同じ会場で2回レースが行われることはなく、長年にわたるグランプリの歴史を通じて連綿と開催されてきた会場もあれば、新たにカレンダーに加わるサーキットや、開催を終了するサーキットもある。
現在、MotoGPが行われているコースのうち、もっとも歴史が古いのは、オランダのTTサーキット・アッセンだ。ここではロードレース世界選手権が始まる以前からレースが開催されていた。その歴史は1925年までさかのぼる。当時は公道を使用した全長28.4kmのコースだったが、その後、何度かのコース変更を経て、1949年のロードレース世界選手権初年度に第3戦として開催された。現在のコースは全長4.555km。ちなみに、62年に及ぶグランプリの歴史の中でも、初年度からずっと開催されている会場は唯一ここアッセンだけだ。
このアッセン以外にも、スペインのヘレスサーキットやイタリアのムジェロサーキットなど、歴史と伝統の風格を漂わせるコースがある一方で、全18戦が行われる会場の中には最近になってカレンダーに加えられたものも少なくない。開幕戦として定着したカタールのロサイルサーキットは2004年から、90年代初頭以来中断していたアメリカのラグナセカサーキットが復活したのは2005年だ。他にもシルバーストーン(イギリス:〜1986年、2010年〜)やミザノ(イタリア:〜1993年、2007年〜)は復活組のサーキット。インディアナポリス(アメリカ:2008年〜)やモーターランドアラゴン(スペイン:2010年〜)は新規開催組のコースだ。
また、ここ10年の変遷を見ると、ジャカレパグア(ブラジル:〜2004年)やウェルコム(南アフリカ:〜2004年)、イスタンブールパーク(トルコ:2005〜2007年)、上海国際サーキット(中国:2005〜2008年)などの会場が、カレンダーからすでに姿を消している。