−リザルトで見ると、Honda勢の2番手はアンドレア・ドヴィツィオーゾの4位フィニッシュ。これがMotoGP初レースなのだから、大したものです。
「正直なところ、ランディ(デ・ピュニエ)が来るのかなと予想していたんです。彼は経験があるから、初レースのライダーよりいい結果を残してくれると思っていたのですが、ドヴィツィオーゾがあそこまでくるのは想像してなかったので、びっくりしました。ポテンシャルの高いライダーですね。カタール事前テストのときも、ヘレスIRTAテストでもそうだったんですが、チームが上手にレースシミュレーションをしていますよ。うまくライダーの気持ちを盛り上げて、決まったマシンの仕様でタイヤチョイスをして乗り込ませ、その結果をライダーに自信として与える。スコットというチームはそれができるんだな、と改めて実感しました。そう考えると、そこに至る過程がしっかりしているからこそ、あの結果を得ることができた、ということなんでしょうね」
−では、第2戦ヘレスに向けた抱負をお願いします。
「開幕前のIRTAテストで得たデータを活用しながら、このインターバルを活用してそれ以外にも様々な準備を進めています。次の戦略は、なるべく早くセットアップをすませ、レースタイヤでできるかぎり多く周回し、アベレージタイムでライバル陣営に対して『うちはこれだけのタイムで走れるんだ』ということを前面に出してアピールできるようにしたい、と考えています。ダニ、ニッキーともに08年型マシンに、それぞれ新しいパーツを投入しながら、フリー走行1回目で仕様を固め、フリー走行2回目でタイヤをチョイス、3回目のフリー走行でロングランを実施して予選を迎え、決勝に備える、という基本的な流れを作りたい。このスケジューリングが勝つためのシナリオだと私は考えています。シナリオを書いたら、書いたとおりに推進できなければ勝てないですからね」
−これまでのヘレスのリザルトを見ると、ダニは06年と07年は2位。また、ニッキーは先日のヘレスで行われたIRTAテストで記録を塗り替える最速タイムをマークしています。
「目標は、ともに表彰台。両ライダーとも一番高いところを狙っているので、2人ともそれを狙いながら、2人そろって表彰台に立ってくれるのがベストリザルトで、我々が狙っているのはそれだけです。特にダニの場合はカタールで3位を獲得し、非常にいい雰囲気で臨むものの、地元レースだけに、逆にいろいろとプレッシャーもかかってくるでしょう。しかし、自分を信頼し、チームを信頼し、マシンを信頼してレースに挑めばプレッシャーははねのけられるはずです。我々も2人のライダーを全面的にバックアップして、いい環境でレースができるように全力で備えます。開幕戦のナイトレースで得た成果の真価を問われる場が、今季初のデイレースとなるヘレスだと思っています。第2戦でのHonda勢の活躍に、どうぞご期待ください」