独特なデザインが目を惹く最終コーナーイン側の観戦席。セパンの代名詞的モニュメントだ。
■1991年の初開催以来、今年で18年目を迎えたマレーシアGP。最初の7回は、首都クアラルンプール郊外のシャーラムサーキットでレースが行われ、98年にはシンガポールとの国境近くにあるジョホールへ移転した。その後、99年から現在にいたるまでの10年間は、当地セパンで開催されている。熱帯に属するこの地域では1年を通じて安定した気候に恵まれていることもあり、シーズンオフのテストが行われる場所としても有名だ。また、F1やSUPER GTをはじめとする四輪レースも精力的に開催されている。ちなみに、サーキットからクアラルンプール国際空港までは車でわずか10分の距離。MotoGP全18戦の中でも、最も空港に近いサーキットである。
■湿度が高く、蒸し暑い気候こそ、東南アジア熱帯地域の特徴だ。近年の日本でも真夏の暑さは年々厳しくなりつつあるが、あれが年中続いているような状態を想像してもらえばいい。通常ならこの気温と湿気を不快に感じてもおかしくないはずだが、日がかげって少し涼しげな風が吹いたりすると「セパンらしくない」と感じてしまうのだから、人間とはおかしなものだ。ちなみに今回のレース決勝日には気温40℃、路面温度は50℃にも達していた。