正面エントランス前に設置されたレリーフ。モチーフは1935年の第1回インディーカーの優勝車輌。
■第15戦の舞台はツインリンクもてぎ。いうまでもなく、日本メーカーと日本人選手のホームグランプリだ。日本GPは1987年以来ずっと鈴鹿サーキットで開催されてきたが、99年にもてぎへと舞台を移した。2000年から03年までは、春に鈴鹿で日本GP、秋のもてぎではパシフィックGPという名称で、日本で年に2回グランプリが開催された。04年以降は日本でのグランプリは年間1戦となり、もてぎで行われるレースに日本GPという名称が冠せられることとなった。今年はもてぎ10年目となる節目のレース。MotoGPが幅広いファン層にアピールしてきたことを反映するように、金曜日の初日から大勢の観客が会場に詰めかけた。
■MotoGPクラスに参戦するマシンマニュファクチャラーは5メーカー。うち4社が日本企業だけに、選手たちにも気合いが入る。彼らにとって日本でのレースは、自らの母国グランプリにも匹敵するほど重要な一戦なのだ。もちろん、マニュファクチャラー側も、選手に活躍してもらおうと意気込んでレースに臨む。もてぎで開催されたこの10年のグランプリで数々の名勝負が繰り広げられてきたのは、彼らのそんな思いとも決して無縁ではないだろう。
■年に一度のグランプリは、世界の最高峰で戦う選手に接することのできる数少ない機会だ。パドックでは、サインや写真を求めて大勢のファンが長蛇の列を作る。そういえば今年は、観客のマナー向上を訴える告知もしきりに行われていた。選手やチーム関係者は「レースを戦うためにサーキットへ来ている」ことを念頭に置き、適切なTPOを判断してサインや写真を依頼すれば、互いに気持ちのよい交流ができるだろう。