最初の開催は1990年。今回で通算17回目の実施となる。
■イギリスGPでは毎年必ず、“Day of Champions”という行事が、レースに先立つ木曜に実施される。アフリカ飢餓救済等の活動を行っている“Riders for Health”が主催する慈善活動で、入場料などの売り上げは、寄付金として計上される。サーキットのパドックエリアとインフィールドエリアを開放し、様々なイベントが午後8時頃まで目白押しのスケジュールで実施される。
■木曜日は、ライダーを交えたチーム内のミーティングや、あるいはプレイベントのプレスカンファレンス等が行われる日で、通常ならパドック内に観客の姿はほとんど見かけない。だが、イギリスGPの木曜だけは、パドックが決勝日さながらの混雑となる。観客にしてみれば、いつもの見慣れたパドックとは違う、レース準備を整えるチームやライダーの姿を近くで見る数少ないチャンスなのだ。大盛況になるのも、当然かもしれない。
■ステージではGPライダーのインタビューや、彼等が出品するオークション、また、トークショーやライブ演奏など、様々なイベントが分刻みで行われる。このオークション目当てでやってくる観客も多いようで、その落札額は毎年話題になる。たとえば今年は、ダニの使用済みチームスウェットが900ユーロ(約15万3000円)で競り落とされた。
■観客の入場料、オークションの落札額、各テントやブースの売り上げ等は、“Riders for Health”を通じてアフリカ飢餓救済基金として寄付される。今年は4000万円近くを集めて、大成功のうちに幕を閉じた。ライダーの活動やファンの善意のひとつひとつはごく小さなものだが、それが積み重なるとここまで大きな力になる、という見本のようなイベントだ。来年のイギリスGPでも、レースに先立つ木曜に“Day of Champions”が開催される予定だ。