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−250cc、125ccクラスはどうですか? 「250ccクラスは、ドヴィツィオーゾがとてもがんばってくれています。以前の彼とは見違えるくらい、精神的に強くなった印象がありますね。今年からステップアップしてきたフリアン・シモンも好調なので、是非とも今後もがんばってほしい。あと、125ccクラスではブラッドリー・スミスがトップグループに絡んでくるようになりました」 −確かに、彼はトルコから確実に速くなりました。
−さて、次のムジェロ、その次のカタルニアは、ともに直線の長い高速コースです。他の陣営と比較した場合、今のHondaに足りないものとは何でしょうか? 「エンジン特性だと思うんですよ。ただ回転数を上げればいいということだけではなく、車体挙動のきっかけとなるのもエンジン特性ですから、そこを第一優先に、と考えています。具体的に言うなら、超リニアリティ。極低速から中速、上まで、いちいちのレスポンスに2次元的な反応や休みが少しあるのは絶対にダメで、超リニアに反応しなければならない。そこを狙っていかないと車体の挙動も収まらないし、ライダーのコントロールも改善されない」 −ちなみに、回転数はもっと上げていかなければならないと考えていますか? 「そんなに極端にはいらないと思います。基本的にはエンジン特性のほうが大事でしょうね。おしなべて1万8000回転そこそこ回っていれば、特性がよければタイヤの温存や燃費も含めて充分に対応できるだろうと考えています。エンジンが回るかどうかということについては、車速の乗せ方、つまり加速も大いに関係してきます。下のほうから開けていったときでもそれがリニアに車速にのってくる、トラクションできるというふうにならないとダメでしょうね。今の特性のまま回転だけを上げるのではなく、リニアリティを追究していく、というのはそういうことで、ダニがリクエストしている核心もそこにある、と我々は理解しています。彼はパートごとに言う場合もあるし、特にこのコースで使うここが、という表現の仕方をすることもあるんですが、それを総合すると、どこの回転からでも自分の意識した感覚と合うように、(スロットルを)50開けたら(エンジンフィーリングも)必ず50ついて来てほしい、と指摘しているんです」 −一方のニッキーは、回転数やパワーを要求している、という話でしたが。 「彼はもともとパワーのあるときからスライドさせて走るタイプで、結構ガバッと開けるほうなので、リニアリティよりも、まずは高回転のパワーを要求しているんだと思います。ただ、ニッキーも、車速をうまく乗せていくために必要なのは上の回転だけじゃないことは充分にわかっているんですが、今は自分の思うままに反応してくれない違和感のほうが先に立っているので、エッジグリップやフロントの接地感、トラクションといったセッティングのバランスを解決することにまずは集中しているのでしょう。そこがクリアになれば、パワーのデリバリーに目を向けていくと思います」 −では、次のムジェロとカタルニアはどんな戦いになりそうですか 「ダニとニッキーは、トップグループで走りながら、是非とも優勝を狙って欲しいところです。そのために、技術陣は必死で開発を進めています。今シーズンはまだ優勝がなく苦しい戦いが続いていますが、追いかける立場であると考えれば、これほどやりがいのある状況はない。この厳しい状態の中で、選手、スタッフともに、全員がさらにモチベーションを高めながら一丸となって取り組んでいます。また、着々と結果を積み重ねているブリヂストン勢にさらにがんばってもらいながら、それ以上にミシュランとHondaのパッケージをもっと研ぎ澄ましていかなければならない。ライダーだけではなくメーカーもコンペティションですから、Honda陣営の中でもさらにお互い同士で切磋琢磨をしながら、これからの連戦を全力で戦っていきます。引き続き応援をよろしくお願いします」
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