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−そのような状況のなか、ミシュランを履くレプソルに対して、グレシーニチームが今季からブリヂストンタイヤ(BS)を採用しました。 「ミシュランとBSはともに切磋琢磨しながら、かなりの接近戦を展開してくれるでしょうね。チームとライダーに関して言うと、彼らの挑戦に私は賛同していますし、そのチャレンジ精神も賞賛しているんです。そうやって彼らのモチベーションが上がることが、重要なんですよ。ライダーのモチベーションも、BSに履き替えてマルコ(メランドリ)もトニ(エリアス)も好印象を抱いていますから、スタートに向けて気持ちも盛り上がっています。BSという要素だけではなくて、もうひとつ別の見方をすると、我々がエンジンを供給しているケニー・ロバーツのチームも好例になるんですが、なぜ彼らのマシンが調子の良いところがあるのか、ということを技術陣にもっとよく考えて欲しいんです。彼らのコメントには、ワークスの二人のライダーとは違う内容が含まれているはずで、そこにこそ、より優れたモノを作るための多くのヒントやアイデアが隠れている。彼らがもっと表彰台に立つようにがんばってくれれば、チームも盛り上がるし、我々も沢山のヒントをもらうことができるんです」
「かっこよく言えばそうなんですが、もっと身も蓋もない言い方をすると、逃げ場を作らせたくないんですよ。ライダーにしても技術陣にしても、あるいは私たち運営側にしても。言い訳をせず自分の責任をしっかりと自覚して、レースを走り、エンジンや車体を開発し、マネージメントをしていきたい。たとえば、Honda LCRチームはサテライト体制ですが、監督のルーチョ・チェッキネロには人望の厚いところがあって、彼のスポンサーたちは『ライダーが誰であろうと、ルーチョが選んでポテンシャルのあるライダーを走らせると決めたのなら、我々はそれを信じてスポンサードをします』という人が非常に多いんです。ライダーのカルロス・チェカも、マシンに乗り込んでセッティングを確実に進めています。与えられた環境のなかでどれだけうまく走れるか、タイムを出せるかということに集中して、結果も徐々に良くなってきていますから、そういう選手に対しては、やはり我々も大事にしたいと感じます」 −日本人選手では、今シーズンからHondaに加わった中野真矢選手に期待が集まっています。 「彼も、プレシーズンの期間に着々とセッティングを詰めてきましたね。私の立場からすると、日本人だからといって特別扱いできないのが歯痒いところですが(笑)、是非とも頑張って結果を出してほしいところです。予選用タイヤを履いたときのセッティングに課題はありますが、BSを履いていた時代はキレたような速さがとても印象的だったので、ミシュランの予選用タイヤにもすぐに順応してくれるものと期待しています」
「今シーズンから、レプソル250チームに昨年125ccで走っていたフリアン・シモンが加わりました。ヘレスのIRTAテストで転倒して肩を負傷しましたが、開幕戦には問題なく復帰してくれるでしょう。アンドレア・ドヴィツィオーゾも速いけれども、さらに速い選手がいた、という印象ですから、今シーズンも250は面白くなりそうですね。マシンに大幅な変更はありませんが、エンジン・フレームともに熟成方向で進化していますので、去年のマシンに慣れたライダーにとっても違和感がなく、パッケージ全体としてより乗りやすく攻められる方向に振っています。日本人選手も、青山周平君が今年はスカラシップ二年目で、昨年以上にがんばるはずですし、昨年の最終戦で右脚を骨折した高橋裕紀君も驚異的な回復力で開幕戦に間に合わせてきました。まさに若さゆえの力ですね」 −というわけで、いよいよ開幕戦です。今シーズンの抱負を聞かせてください。 「今シーズンは昨年以上の激しい戦いになるでしょう。サーキットやテレビの前で観戦していただければ、とてもエキサイティングなレースが楽しめると思います。そのぶん、我々は大変になるわけで(笑)、とても楽な戦いは望めませんが、やはり勝ちたいですね。昨年以上のパフォーマンスが期待できる選手や、ライバル陣営から移籍してきて早速高いポテンシャルを披露してくれている選手、そしてチャンピオンを経験したライダーなど、それぞれ実力のある選手ばかりが揃っているわけですから、名実ともに全クラスでトップを獲りたい。チームの雰囲気も現場で即断即決の意思決定ができるようになっていますから、ひきつづき、個人タイトル、チームの両面でチャンピオンを獲得したいと思います。そして、それをしっかりと支えるためにも開発陣にはいっそう頑張ってほしい。2007年シーズンもHondaは全員が一丸となって全力で戦います。御期待いただくと共に、今シーズンも応援をお願いいたします」
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