Honda 〉モータースポーツ 〉MotoGP 〉HRC総監督・石井勉レポート |
![]() ![]() |
−レース序盤には清成選手が予定外のピットインをせざるをえなかったトラブルにも見舞われてしまいました。 「あそこで起こった事象が想定内だったか想定外だったかという話で行くと、まず、フロントからのジャダ(異常振動)で清成選手がピットに入ってきたこと自体は想定外の出来事です。なぜそれが起こったのかということをレースを進めながら究明していきました。まずタイヤだけ変えてみたけれども、改善はされなかった。次にブレーキディスクを交換すると、よくなった。それは、タイヤの交換とあいまって、全体のバランスとしてかなりよくなってきたということが考えられます。 −「勝つためには必要だったのにやりきれてなかったこと」というのは、具体的にはどういうことですか? 「単純に事象だけ捉えるのではなく、ソフトとハードの両面から検討していって、来年にもう一度、優勝という目標を掲げたときに、本当に必要なものは何と何なのか、その達成度をどこまで持っていけば目標に届くのか、ということをもう一回洗い直さなければいけない。その反省会を今、やっている最中です」 −決勝日のレース後には、5位になったということは少なくとも4つ足りないことがある、と言ってましたが……。 「足りない分だけ順位が下がってるんです。あと4つ達成していれば目標設定にちゃんと届いていたはずなのに、それが何なのかを究明してやり直さないと、また来年も同じ結果に終わってしまう、ということです。事象を全部捉えてみれば、想定外だなんていえるものは何もなかったと思っています。予測していればよかった、テストしていればよかったんですから。総監督としては、いいスタッフといいライダーに恵まれ、ライバル陣営と比べても最高のラインナップがそろっていたのに結果が出せなかったのは、我々マネジメント側の責任だと考えています」 −結果はともかくとして、清成選手の速さは今回のレースで非常に強い印象を残しました。 「清成選手に点数をつけるなら何点ですか、と8耐の現場で訊ねられたことがあったんですが、ほとんど百点満点に近い、少なくとも90点以上でしょうね、と答えました。
−最後に、F.C.C.TSR ZIP-FM Racing Team(#778)の優勝については、どういう印象ですか。 「19年目の挑戦で獲得した優勝だそうですね。ポテンシャルはもともとあるチームですから、監督のマネジメントの賜物だと思います。レースの中でどこかに取りこぼしがあると、順位は絶対に下がります。これはワークスチームであろうがプライベートチームであろうが変わりません。そこをひとつのとりこぼしもなくやりきったのだと思います。4耐も8耐も優勝ですから、チーム状態もマネジメントもすごくよくて、それがうまく噛みあっていたんですね。単純に総合力というひとことでは表現したくなくて、ひとつひとつ積み上げてきて完ぺきにした、というイメージがあります。勝利に対するこだわりはどのチームも同じだから、明確な目標を掲げてやるべきことをやりきれば、結果はついてくるんだな、という印象を持ちました。
|
![]() |
Honda 〉モータースポーツ 〉MotoGP 〉HRC総監督・石井勉レポート |