2005シーズンのMotoGPクラスで最も目立っているのが、田中監督の言葉にもあるマルコ・メランドリ(22歳、イタリア)の目覚ましい成長ぶりだ。開幕以来4戦で3位−4位−3位−4位、とHonda移籍初年度とは思えない好成績を挙げ、現在ランキング2位につけている。サテライトチームのマネージメントを一手に担うHRCの鯉沼慶次郎も、「マルコは、プレシーズンのカタールテスト(3月1〜3日)でいいタイムを出して一気に自信をつけた」と証言する。
「あのテストから彼は変わりましたね。また、今年のチーム体制は、ファウスト・グレシーニ監督やチーフメカニックのファブリツィオ・チェッキーニ以下、全員がイタリア人で構成されていてストレスのないコミュニケーションができることも、好調さの大きな要因になっていると思います」(鯉沼)
1997年に15歳でイタリア選手権チャンピオンを獲得したメランドリは、翌年HondaからWGP 125ccクラスに参戦、ランキング3位、翌99年は1ポイント差で王座を逃し2位。2000年にはアプリリアに移籍して250ccにステップアップ、03年にはヤマハへ移籍してMotoGPクラスを戦い、今シーズンから再びHondaへ戻ってきた。
「Hondaで育ったライダーが古巣へ戻ってきてすばらしい走りを見せてくれるのは、やはり嬉しいものです。それに、サテライト体制の彼の活躍は、RC211Vのスタンダードマシンのレベルが高いことの証明にもなっている。マルコは今後も、スタンダードマシンでもっとがんばってほしい。この調子でどんどん結果を出して、RC211Vを完全に自分のものにできれば、将来的にパーツの選択肢が広がったときに、より自分のスタイルに合ったマシン作りの方向性を明確に打ち出すことができるでしょうし、そうなれば結果として、今以上にもっといい成果を出せるでしょうからね」(鯉沼)
|