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モータースポーツMotoGP田中誠レポート
VOL.6 フランスGP「負傷で痛む体に鞭打って健闘したビアッジ」


今年のMotoGPは不安定な天候に翻弄されるレースが続く。伝統のル・マン、ブガッティサーキットで開催された第4戦も終始悪天候と不安定な路面状況に悩まされ、決勝日の朝も濃霧の立ちこめる気温10℃というコンディション。この悪条件の中、午前のウォームアップで転倒を喫したマックス・ビアッジは、痛む体に鞭打って8番手スタートから5位フィニッシュと健闘。5番グリッドからスタートに成功してレース序盤にトップ争いを演じたニッキー・ヘイデンも6位でフィニッシュした。

−決勝日午前のウォームアップが始まった早々にマックスが転倒。何があったのでしょうか。

 気温が低く、路面温度も15℃前後と非常に低かった。5コーナーで突っ込みすぎてしまい、ハイサイド気味の転倒になったようです。
 
―負傷の程度は?
 
 腰を強打して、左膝も少し痛めました。“たら・れば”を言っても仕方がないですが、その状態で最後まで走りきって5位で終えているのだから、転倒さえなければ決勝はトップグループですごい接近戦になっていたと思います。とにかく、あの体でよくぞ5位で終えることができた、と誉めてやりたいと思います。
 
―その意味でも余計に、決勝グリッドはトップから0.473秒差とはいえ8番手になってしまったのは残念です。
 
 土曜午後の予選では終了直前に一度しかタイムアタックをするチャンスがなかったため、最後の最後で詰め切ることができなかった。もう少しいけたのではないかという感触もありましたが、決勝ではどんな順位からでも常に追い上げるレースができているので、その意味では不安はありませんでした。とは言っても、今回のマックスは運が味方してくれませんでしたね。予選のアタックしかり、ウォームアップでの転倒しかり・・・。
 
―次のムジェロは、マックスのホームグランプリです。

 
 当然、気合い十分で臨むでしょう。予選から全開でいってくれるものと我々も期待しています。最近のマックスに見られる傾向ですが、決勝ではいいところを走るのに、予選では低いところに沈んでしまっている。つまり、レースでは、序盤の順位挽回にかなりの労力を割いてしまっている。彼本来の実力が発揮できていれば、そんなところで力を使う必要は本来あり得ないことです。ムジェロでは、きっとグリッドも好位置からスタートしてくれることでしょう。
 
―一方、ニッキーは、レース序盤は好調でした。
 
 午前のウォームアップでもドライに近い状態になってくる中、どんどんタイムを詰めていくことができましたからね。5番グリッドからスタートした決勝では、スタートに成功して、序盤からトップ争いを演じました・・・

(この続きはVol.7に掲載します。)

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