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モータースポーツMotoGP田中誠レポート
VOL.3 ポルトガルGP「上海は相性が良さそうな予感」


―ニッキーと言えば、開幕戦の転倒で打った手の影響は?
 
 ほとんどありません。OKです。一応、サイズの大きいグラブも用意はしたけど、少し腫れてるだけで支障は全然ありませんでした。フリー走行を通じても、ずっと上位に顔を出していましたしね。
 
 昨年、ニッキーはポルトガルGPを欠場しているので、彼に関するデータは参戦初年の2003年のものしかない。その意味では、フリー走行を通じて悪くないパフォーマンスだったと思っています。最近の彼は、積極的に攻めているし、これはいい傾向ですね。スタッフが刷新して、ライダーとチームのコミュニケーションも上手く進んでいるから、こういうリズムって大切ですよ。
 
―土曜の予選では転倒してしまいました。
 
 走り始めはいい感じで、マックスと二人でトップに来たんですが、このサーキットは右コーナー9に対して左コーナーが4と偏りがあって転倒しやすいから、それに足下をすくわれちゃった。ニッキーが転んだのは確か12コーナーかな。
 
 ニッキー以外の選手も、今回は全員、左コーナーで転倒していますよね。ベイリス、ジベルノー、玉田、メランドリ、みんな左です。例年と時期の違う開催で気温や路面温度が低かったために、タイヤの左側の温度をキープしにくいという事情があったようです。その影響で、予選時間を上手く使い切れずに終わってしまい、ライダーもややフラストレーションをためていました。
 
 レースでは出遅れずに追い上げていければ、形になるとは思ったんですが、結局詰め切ることができず、結果的には晴れ、雨ともに中途半端で終わってしまいました。不完全燃焼で本人もちょっと落ち込んでいます。
 
 でも、プレシーズンテストはいいフィーリングで来ていたので、その時の感触を早く思い出して欲しいですね。ライダーって、そういうフィーリングに左右される面も大きいですから。でも、ポイントを取れただけまだよかった、と前向きに考えましょう。
 
―次の第3戦上海は初開催地です。

 
 誰も走ったことがない場所だから、その意味ではイコールコンディションと言えますが、それだけに予想もつかないですね。去年のカタールと一緒。何も分からない(笑)。
 
―どのチームも事前テストをやっていない。
 
 去年のオフにテストをしようという話がちらほらと持ち上がりかけましたが、条件を揃えるという意味では、どこもテストをしなかったのはかえって良かったんじゃないでしょうか。上海のコースレイアウトを見てみると、もてぎに似ているような印象もあるので、もしそうなら、路面さえ荒れていなければマックスと相性のいいサーキットなんじゃないかという予感がしますね。
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