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MotoGP第15戦の開催地、オーストラリア南端のフィリップアイランドサーキットは、風光明媚な立地の美しさで有名な反面、海から吹き付ける強風に悩まされることでも有名だが、今年は例年になく穏やかな天候に恵まれた。レプソルホンダのニッキー・ヘイデンは、土曜の予選で圧倒的な速さを披露してPPを獲得、日曜の決勝レースでも最後まで優勝を争い、2位でチェッカーを受けた。一方、マックス・ビアッジは決勝日午前のウォームアップ走行で決勝レースでの素晴らしい走りを予感させたものの、オープニングラップでクラッシュし、残念ながらリタイアとなった。 「今の素直な気持ちは、ハーフアンドハーフ、といったところでしょうか。250ccクラスでHonda600勝を達成した後に、MotoGPで601勝目を挙げて全クラス制覇、といかなかったのは残念ですが、またもやニッキーの成長が見られたレースでした」 −一度離されかけても、諦めずに再び追い付いて最後まで食い下がる走りが、この数戦で顕著になってきたように見えます。 「そうですね。ここはロッシが得意とするサーキットで、ときにはラップタイムを2秒近く落として1分32秒台で周回する、といった具合にレースをコントロールをされた感もありますが、そのペースに翻弄されることなく最後の最後までがんばれた。ただ、1コーナーや最終コーナーで後ろから迫ってきたライダーに挿される場面があったのは、次に勉強していく点でしょう。ただ、それはHondaにとって勉強すべき点でもあるので、我々が共に今後改善していくべき課題です。でも、去年のこと(6位)を思えば成長しているのは明らかだし、ホンダワークスを担っていく自覚も出てきている。自分に求められているものは充分に分かっていながら、勝てずに一番悔しい思いをしているのは彼自身です。だから、私は今回のニッキーの結果を誉めてあげたいと思います」 −一方、マックスは、オープニングラップのホンダヘアピンで転倒して終わってしまいましたが。 「予選順位は6番手でしたが、レースを想定したアベレージタイムは上位の一角を占める速さで、決勝も期待していただけに残念です。車体セッティングも決まってマックスが求めるようなバランスを得ることができたので、制御系(エンジンコントロールシステム)も効果を発揮していたんです。しかも、決勝午前のウォームアップではトップタイムをマークしていい感じの仕上がりでしたから、ピット内もいい緊張感に包まれて、レプソルライダー2台がトップ争いに絡むかと期待したんですが……。一周目のホンダコーナーで転んでしまっては、何が良いとか悪いとか言えない。マックスも、チームに対して申し訳ない、と言っていましたが、我々も今回の結果は残念だったと思います」 −今回、2位に終わったことでコンストラクターズタイトルを奪われてしまいました。 「非常に残念ですが、今シーズンはタイトルを守ることができませんでした。しかし、悔しい悔しいとばかり言っていても仕方がないので、次のレースからは新たに挑戦を開始するつもりで、新たに気持ちを引き締めて戦っていきたいと思います。今回のレースは、ニッキーは負けこそしましたが充実した内容でしたし、マックスもいい仕上がりを見せていたので、次戦ではシーズンの有終の美を飾ってほしいものです」 −話は少し戻りますが、125ccクラス勝利の後に250ccクラスで連勝してWGP通算600勝を飾ったのは、じつに劇的でした。 「2001年に鈴鹿で500勝を飾ったときも、まさかまさかの連続でしたが、今回もドラマチックでしたね。ダニ(エル・ペドロサ)がチャンピオンを決めたレースで、しかもあの勝ち方(最終コーナー立ち上がりからチェッカーまでの僅かな直線で逆転し、0.027秒差でレースを制した)。時代を担っていく人は、常にそうやって華やかな舞台が用意されるものなんでしょうね。125ccクラス時代から彼を見ていますが、偉大なチャンピオンです。来年も、自分の走るべき場所できっちりと結果を出してくれることでしょう。 あと、マルコ(・メランドリ)は今回、惜しいところで表彰台を逃してしまいましたが、それもレースです。今回のリザルトにより同ポイント(170P)でニッキーがランキング2位、マルコが3位になりましたから、次戦からは彼らの戦いにも注目が集まります。新しいジェネレーションが動き始めた、ということなんでしょうね。彼ら新世代の台頭に対して、ベテランたちがとどう応戦してくるか。この新しい時代が胎動しはじめたパワーで、06年こそタイトルを奪回します。そして、次戦の初開催地・イスタンブールを、その第一歩にしたいと思っています」 |
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