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いよいよ終盤戦にさしかかっているMotoGPの第13戦は灼熱のマレーシア・セパンサーキットで開催された。レプソル・ホンダチームのニッキー・ヘイデンは最後まで表彰台を競いながらも、惜しい4位フィニッシュ。マックス・ビアッジは4列目12番グリッドという厳しいスタートを強いられたものの、着実な追い上げを見せて6位でレースを終えた。 敗軍の将兵を語らず、です。ニッキーは序盤からトップグループで優勝を争い、途中で3番手に順位を落としたものの、表彰台を獲得できそうだったのに、最後の最後にチェカ選手(ドゥカティ)にパスされてしまった。ドゥカティ勢に表彰台を持って行かれてしまったのは悔しい限りです」 −ラスト7周で、一気にトップ2台から1秒以上の差を開かれてしまいました。 「チャタリングが出た、と本人は説明していますが、実はリヤタイヤが限界を迎えていたんです。でも、ニッキーはよく頑張ったと思います。今回も、前回同様ブリヂストン勢は敵陣営ながら素晴らしいパフォーマンスを見せましたが、ミシュラン勢のこの結果は残念です」 −BS勢の中に食い込む6番グリッドというタイムを見る限り、ニッキーは予選の出来も悪くないようには見えたのですが…。 「確かにQF(予選用タイヤ)を履いた一発タイムはさほど悪くなかったんですが、実はあの段階では、まだ宿題を残していました。フロントのグリップ不足から来るコーナーをワイドに走ってしまう傾向や、向き変え等が課題でした。朝のウォームアップでいい方向性を見いだせたので、決勝には期待したんですが。一方のマックスも、タイヤがうまくグリップしませんでした。低い順位からのスタートで最後まで上に行くことが出来ず、埋もれたままで終わってしまいました」 −マックスは、予選最後のタイムアタックで一気にタイムアップを狙うことが、どうもうまくできていないように見えるのですが。 「決勝を想定したアベレージタイムでは、彼はいいものを出すんです。でも、セッション最後のアタックになると、詰めが甘いというのか瞬発力に欠けるというのか、どうも失敗してしまう。今回は、予選中にピットインの指示をこちらが出しているのに、自分の判断で周回して、それで残り時間の配分をうまく使えずに、予選用の“一番おいしい”タイヤを使うことができなかった。それで12番手に沈んでしまい、どこまで決勝で追い上げることができるか、というレースになりましたが、ああいう形で最後までトップグループに追い付くことができませんでした」 −他のHondaライダーも苦戦を強いられていました。 「セテ(・ジベルノー)の転倒は、今年の彼を象徴するアクシデントでしたね。ブレーキングに失敗して、ブレーキレバーが接触してしまったようです。チームメイトのマルコ(・メランドリ)は、しぶとい走りが復活するようになってきたし、右足を40針以上縫った状態であの走りですから、二重丸をあげてもいいと思います」 −それにしても、なかなか勝てません。チャンピオンシップも、確定してしまいました。 「高速コースでも負け、テクニカルコースでも負け、という厳しい結果で、これからすぐに日本に情報を送って早急に対策を練るつもりです。今の状況は、私が現場スタッフとして戦いながら勝てずに苦しんでいた、1990年前後の厳しい時代に戻ったような状態です。この危機を、皆で一丸となって即刻脱出しなければならない。ひと言で言うと、「忍耐、再生」。それが今のキーワードです。 残り4戦は、2006年シーズンに繋がる戦いをしなければいけません。何としてでもヤマハにコンストラクターズポイントを渡さないようにしなければ、と今は思っています」 |
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