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モータースポーツMotoGP田中誠レポート
VOL.2 ポルトガルGP「今は調子が上向いている時」


 レース前夜の雨が完全に乾ききらない難しいコンディションで始まったレースは、9周目にホワイトフラッグが掲示される場面もあったが、選手たちは全員、最後までマシンを交換することなく走り切った。レプソル・ホンダ・チームのマックス・ビアッジは、8番グリッドから3位表彰台を獲得。一方ニッキー・ヘイデンは9番手から7番手まで順位を上げてレースを終えた。
 
―レース中に、今年から採用されたレギュレーション、ホワイトフラッグ(途中降雨の場合ライダーがピットへ戻りレイン用のマシンに交換することを許可するルール)が早速適用されましたが、対応はスムースにいきましたか。
 
 旗が出たのは9周目でしたね。うちはレインタイヤを装着したマシンを即座に用意しましたが、あの程度の雨なら誰もピットインしようとしないでしょう。とは言え、今回が初適用で、どのチームもシミュレーションできていたわけではないだろうから、ピットに戻るかどうか、判断に困ったライダーもいたんじゃないでしょうか。
 
―リザルトは、マックスが3位で今季初表彰台。
 
 残念なのは、もう少しセットアップを詰めることができていれば、ということですね。3回目(土曜朝)のフリー走行でぐっと良くなりましたが、その後にコンディションが変わってしまった。しかも決勝は雨。でも、そんな中での決勝3位だから、まずは上等じゃないかと思います。
 
―確かに土曜午前に一気にタイムが良くなりましたが、マシン面で何か大きな変更があったのでしょうか。
 
 別に、セットアップをがらりと変えたわけでもないんですよ。今回はチャタリングなどの症状も訴えていなかったし、ちょっとしたきっかけが好転してマックスに乗りやすい方向に進んでいった、ということです。ロングランでもいいペースで、その最後の周回に全体で3番手のタイムを記録しました。
 
―ただ、午後の予選では8番手に沈んでしまいました。
 
 タイムアタックのタイミング等に少し失敗してしまった。スタートさえ成功すればレースは大丈夫と確信していたのですが、運悪く決勝日の朝にマシントラブルが発生してしまい、スペアマシンでのレースになりました。
 
 でも、そんな状態での3位だから、本人も納得していますよ。表彰台での表情も明るかったでしょう?今は我々の調子が上向いている時なので、この波に乗って次のレースで2位、そしてその次には優勝、と狙っていきたい。
 
 ライダーにとって一番の薬は、やはり表彰台なんですよ。これはニッキーにも言えることなので、彼も早く調子を上げて欲しいですね。
 
―ニッキーと言えば、開幕戦の転倒で打った手の影響は?
 
 ほとんどありません。OKです。・・・・
 
(この続きは、次号VOL.3に掲載します。)
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