4週間のサマーブレイクを目前に、前半戦を締めくくる意味でも重要な位置付けのドイツGP。レプソル・ホンダのニッキー・ヘイデンは、24歳の誕生日を迎えた土曜日の予選でキャリア2度目のポールポジション(PP)を獲得。マックス・ビアッジは僅差で6番手スタートとなった。決勝レースは、開始後5周目の赤旗中断のあと25周で新たに行われ、最終ラップまでトップグループで優勝を争ったヘイデンは3位表彰台を獲得。ビアッジも最後まで追い上げ続けて4位でレースを終えた。
PPスタートだけに、ニッキーは当然1位を狙っていました。7コーナーでフロントがプッシュする(アンダー)症状がレースの途中からだんだん激しくなってきたために、最後は攻めきれなくなってしまいました。
−PPから優勝を狙っていただけに、本人は3位に入った安心感よりも優勝できなかった悔しさのほうが大きかったようですね。
それはそうでしょう。勝てなくて悔しいのは当然だし、ラグナセカで優勝を経験して、しかも今回はずっと最後までトップグループでバトルしていただけに、余計にその思いは強かったと思います。我々も期待していましたからね。レース序盤から自分のペースをキープして1〜2秒のギャップ差を作ることができれば、あとはラグナのときのようにコントロールできるんじゃないかと思っていたんですが、相手が相手だけに、やはりそう簡単には勝たせてもらえませんでした。
成長中のライダーが世界の王者をいきなり凌駕してしまえるほど、甘い世界じゃないことは分かっています。今回もニッキーの成長ぶりを実感しましたので、これからもっと自信をつけて、ステップバイステップでいけばいい。今日のようなレースがあたりまえにできるようになって欲しいと思います。
−その意味では、学ぶものの多いレースだったのではないですか。
今後の自信のためにも、良かったと思います。レースでは最後まで優勝争いに絡んでいった。間違いなく、勉強にもいい経験にもなったはずで、喜ばしい結果です。
−一方、マックスにとっては表彰台を逃す残念な結果でした。
昨年も優勝していて、自分でも“好きなサーキット”と公言していただけに、相当の意気込みで来ていましたからね。金曜のフリープラクティスから土曜の予選にかけてのセットアップでは、厳しいやり取りが飛び交いました。それだけアグレッシブな気持ちで、やる気になっていたんです。
−それだけに、今回の結果は本人も憤懣やるかたないといった様子でした。
怒ってましたね。好きなコースでチャンスも自信もあっただけに、怒る気持ちも分かりますけどね。でも、レース内容は決して悪くなかった。赤旗中断後の2レース目はスタートに成功し、バロスを抜くのに最後まで手間取ってしまいましたが、その間のラップタイムは決して悪いものではなかった。
−サマーブレイク明けの第11戦、チェコGPブルノサーキットの特徴を教えてください。
コース幅も広くラインの自由度が広いかわりに高低差も大きくて、車体のセッティングがしっかり決まらないと難しいサーキットです。マックスは“ブルノマイスター”のニックネームもあるくらい250cc時代から相性のいいサーキットで、優勝経験も豊富です。今回がんばって追い上げて4位で終わっているだけに、是非、後半第一戦目を優勝で飾って欲しいところですね。
また、ニッキーの今後の活躍にはさらに期待がかかります。ロケットに譬えるなら、第1段分離、第2段点火、といった段階でしょうか。更に高いレベルに飛躍して欲しいですね。日本GPのもてぎへ向かって、是非ともラグナセカの再現ができるようニッキーの奮起と活躍に期待してください。
|