![]() Honda 〉モータースポーツ 〉MotoGP 〉田中誠レポート |
![]() |
![]() |
![]() |
||||||
![]() |
11年ぶりの開催となったアメリカGP。MotoGP初開催のラグナセカ・サーキットの攻略に多くのライダーたちが苦しむ中、AMA(全米選手権)時代から走り慣れたニッキー・ヘイデンは、フリープラクティスから圧倒的な速さを披露して予選PPを獲得。決勝レースでもポールトゥウィンの完勝で、見事なGP初勝利を飾った。7番手スタートのマックス・ビアッジは、ベテランらしい老練な走りで巧みに順位を挽回し4位でフィニッシュした。 −地元レースでポールトゥウィン。完璧な勝利でしたね。 バッチリでした。金曜日から予想以上のパフォーマンスを発揮していましたが、決勝レースが始まっても何の問題もなく実力を出し切れた。序盤の10周ではロッシ選手(ヤマハ)もプッシュを続けてニッキーのミスを誘おうとしたようですが、ニッキーの実力はそれ以上のところにありました。今までいつもやられたレース展開を、今回は逆にやり返すことができたということに、大きな意味があると思っています。 −決勝レースに向けて、ニッキーについて何か作戦はあったのですか? 作戦ということで指示は一切していません。調子が良いのですから、何もそのリズムを崩すような指示は必要ないんです。リラックスして走れるように「レースを楽しんで来い。」と、簡単な言葉だけかけました。チーフメカ、担当スタッフは何か他のことを言ったかも知れませんが、皆彼を信じて任せていたと思いますよ。 −レース終盤、ロッシをパスして追い上げを開始したエドワーズ(ヤマハ)との差が縮まり始めた時は、一瞬ヒヤリとしませんでしたか。 中盤以降は安定して2秒以上のギャップをキープしていたのですが、それが19周目に1秒8になった時、ピットのサインボードを見て少しタイムアップし、そのまま数周頑張ったらエドワーズの方が耐えられなくなった。最初から最後まで自分でレースをコントロールしたと言う事実の持つ意味は大きいですね。堂々のレース運びでした。 −今回の勝利で、ニッキーは多くのものを学べたのではないでしょうか。 予選の流れや勝つためのレースの組み立て、リラックスしたライディングでスムーズに乗れば、タイヤは最後まで持つこと等々、実に多くのことを学んだはずです。地元のレースでたくさんのファンが押し寄せてプレッシャーも大きかったでしょうが、それをプラスに転じて思う存分ポテンシャルを発揮しました。このパフォーマンスを、是非とも今後も続けてほしいですね。 −パフォーマンスといえば、金曜のフリープラクティスから完璧な内容でした。 コースを知っているから無駄なブレーキでリアのスライドが発生することがなく、ハンドルもこじらない。スロットルを開けていく時にも無理しない。だからおのずとタイヤも持つ、とすべてがいい方向に噛み合って、走りにも余裕がありましたよね。理想の展開で、全てが順調でした。決勝レースでも無理に逃げようとするのではなく、彼が持っているものを出して、序盤にリードを築くことができました。あとは最後までアドバンテージをキープできると確信していました。 −表彰台でも喜びを爆発させていたのが印象的です。 ウィニングランでは、お父さんを後ろに乗せて走るひと幕もありましたしね。実は、ウィニングランを終えて、どんな表情でピットに戻って来るのかなと思ってたんですよ。泣いてるかなと思ったら、笑顔で帰ってきました。それを見たときは嬉しかったですね、たいした奴だなと。ニッキーは新しい時代の扉を自力で開けたんだな、と思いました。 私から彼に言いたいのは、「今日のことを忘れるな」ということです。言い方は悪いですが、これで自信をつけて調子に乗ってほしいんですよ。「調子に乗れよ、コノヤロー!」って感じですね(笑)。ここから先のドニントン、ザクセンに乞うご期待、ですよ。・・・・(この続きはVol.16に掲載します) |
![]() |
![]() |
|||
< BACK | VOL.16 > | ||
![]() |
|
![]() |
Honda 〉モータースポーツ 〉MotoGP 〉田中誠レポート | ||