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モータースポーツMotoGP田中誠レポート
VOL.11 カタルニアGP「悔しさをバネにステップアップを」


前戦から2週連続開催となった第6戦カタルーニャGP。レプソル・ホンダ陣営は、マックス・ビアッジが4番グリッド、ニッキー・ヘイデンが5番グリッドと、ともにトップから僅差の2列目好位置で決勝を迎えた。レースでは、ヘイデンは最後まで3位を争ったものの、0.463秒差で表彰台を逃し5位。ビアッジも序盤はトップを争ったものの、中盤以降は我慢の単独走行を走りきって6位で終えた。

−今回のマックスは、レース序盤から思い通りに攻めきれないように見えました。
 
予選で決まったはずのセットアップが、決勝では思ったほど働かなかったようで、「自分で思っていたほど曲がらなかった、ハンドリングがいまひとつだった」と言っています。コンディションに微妙な違いがあったのかもしれない。普段の彼なら、あの位置から這い上がって、トップについていけたはずなんですが。序盤でセテ(・ジベルノー)やロッシに離されてしまった時点で勝負があったかもしれませんね。
 
−セッティングが煮詰まらなかった、ということですか?
 
十分に確認したセッティングのはずなんですけどね。そういう時もあるんですよ。前戦は2位で終えているし、今回はマックスも期するものがあったと思うんですが。いずれにせよ、序盤のトップグループについていければ・・・でしたね。
 
−一方のニッキーは、最後までいいレースをしただけに惜しい結果です。

 
今回の彼は、4位に近い5位、3位にも近い5位でした。確かにいいペースで走っていたけど、3位争いの間にタイヤを消耗したのか、最後までキープできませんでしたね。後ろから様子を伺いながら追いかけたマルコ(・メランドリ)やバロスのほうが有利でした。彼らとバトルになるのは、ある程度想定はしていたんですが。
 
−ただ、最後までしぶとく争うようになったところは、成長のしるしではないですか。
 
そうですね。でも、ニッキーはまだレースをリードすることができないので、ある程度の周回までは、前にペースメーカーがいたほうがいい。それから、スタートに失敗したら、後方のその集団のリズムで走ってしまうという癖がありました。あとで追い上げていくんですけどね。だから、今回はスタート直後の混乱を早々に抜け出して、3位グループを終盤までずっと引っ張ったのは、確かに成長と言えますね。ただ、負けたことには違いないわけだから、そこは反省しないといけません。
 
−シーズン全体の流れで見る限りは、ニッキーの調子は上向きでは?
 
6位、6位、5位と来ていますからね。この数レースはトップグループに揉まれて、いい経験を積んでいますね。同じHondaで年齢も近いマルコも頑張ってるので、ニッキーはさらにその上をいく気持ちでいかないといけないですね。今回は特に大きなミスをしたわけではないので、ここでへこんだりしないことです。6位より5位、5位より4位と、中身のあるレースをしていけばいい。第7戦のアッセンも、今回の結果から何かを掴んで、今回よりもいい結果を手にしてほしいと思います。

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