長いシーズンの中でも最も盛り上がるレースのひとつ、第5戦イタリアGP。今年は3日間の総計で14万人超の観客を集め、イタリア人ライダーたちが地元ファンの前で大活躍を見せた。予選3番手スタートとなったレプソル・ホンダのマックス・ビアッジは0.359秒の僅差で2位。4番手スタートのニッキー・ヘイデンは、セカンドグループでの激しいバトルの末6位でレースを終えた。
−マックスは決勝で終始トップを争ったものの、惜しい結果に終わりました。
レースファンの皆さんにとっては面白いレースだったと思いますが、私としては不十分な結果でした。勝つつもりでやっていますからね。ああいう惜しい結果だと、余計に悔しさが浮き彫りになります。予選からパフォーマンスが良くて、レースでは予選以上のリザルトだから、その意味では評価もできますが、ライダー、チームとも、これに満足しているわけでは決してありません。この不満を解消するのが次の目標ですね。
−今回のレースは次につながる要素が多かったのでは?
途中でずるずると下がってしまうのではなく、最後までトップ争いをしましたから、そういう意味では先があるレース内容でした。皆さんが期待していたマックスのポテンシャルがようやく発揮されはじめた、と言えるかもしれません。
でも、ライダーは結果が全て。だから、勝てない限り悔しいに決まっているんです。次は、IRTAテストでもいい結果を出しているバルセロナのカタルーニャGPですから、モチベーションは高まる一方。しかも翌週開催で今回の余韻を残したまま臨めるのは、ポジティブな要素ですね。目指すものは、予選のグリッドは今回以上、レース結果も今回以上。とすると、もう優勝しかありません。
−ニッキーに目を向けると、最後までセカンドグループでバトルを続けたものの、最後は0.306秒差で、カルロス・チェカ選手(ドゥカティ)の後塵を拝してしまいました。
チェカとのバトルでタイヤを消耗してしまったのが今回の敗因ですね。序盤はトップの背中が見えるところを走っているんだから、あとは荒さのない几帳面なレース運び、ソツのないまとめ方が今後の課題です。
−ひとまず、シーズン序盤の一番辛い局面は脱しましたか
そうですね。マックスは最後の最後まで攻め切って、ようやくいい結果が出始めた。ニッキーも冷静に走って、2戦連続で6位。次とその次では表彰台に登り、いい雰囲気で地元のアメリカに行かせてあげたいですね。
あともうちょっとなんですよ。でも、その「あともうちょっと」を早く終わりにしなければいけません。勝たなければ意味がない。2位や3位はいらない。それがHondaなんですから。
−サテライトチームではマルコ・メランドリが相変わらず好調です。
今回のレースでも中盤でトップを走れたのは、開幕以来、表彰台を争ってきた自信の表れです。そういったライダーがいる中で、ワークスのレプソル・ホンダは常に1位を目指す。今の状態に満足してはいないし、これが目標でもありません。レースは所詮、「勝ってなんぼ」。・・・・と、偉そうなことがようやく言える状態になってきましたよ(笑)
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