HondaモータースポーツMotoGP 〉チェコGPに向けて
2005年後半戦 Rd.11チェコGPに向けて
 2005年MotoGPは、約4週間の長い夏休みを終え、8月28日のチェコGP(ブルノ)から後半戦に突入する。
 
 前半の10戦を終えて、Honda勢トップはランキング2位のマルコ・メランドリ(Team Movistar Honda MotoGP−116ポイント)。同3位にはセテ・ジベルノー(Team Movistar Honda MotoGP−115ポイント)、同5位にマックス・ビアッジ(Repsol Honda Team−113ポイント)がつけている。
 
 ランキングトップのバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ−236ポイント)とはポイント上大差がついているものの、ランキング2位から5位まではわずか1ポイントずつの差で続いている。この混戦状態の中から、誰が抜け出すか・・・。チェコ第二の都市ブルノで行われるチェコGPは、残り7戦となった後半戦を占う上で重要なポイントとなるだろう。
 
 
§ ブルノの歴史とコースの特徴
 ビールで有名な街、ブルノで最初にモーターサイクルレースが開催されたのは1950年のこと。当時は全長17.8kmの公道コースが使用されていたが、’65年に初のチェコスロバキアGPが開催された時には、コースは13.9kmに短縮されていた。その後、コースはさらに短縮されたが、安全上の理由で、’82年からチェコスロバキアGPは一時中止になっていた。
 
 1986年に森の中に全長5.4kmのパーマネントコースが完成。’87年にチェコスロバキアGPが再開されると、東欧諸国から大勢のファンが観戦につめかけた。’87年の大会で優勝したのはHonda NSR500に乗るワイン・ガードナーで、ガードナーはこの年7勝を挙げ、オーストラリア人としては初の500cc世界チャンピオンになっている。その後、共産主義の崩壊にともない、チェコスロバキアGPは’93年からチェコ共和国GP(チェコGP)と名称を変更して今日に至っている。
 
 ブルノ・サーキットはコース幅が15mと広く、毎年激しいオーバーテイクが繰り広げられる。また、このコースはアップダウンの多いことでも有名だ。中には約1kmにおよぶ登り勾配(7.52%)もあり、エンジンパワーが重要なポイントとなってくる。また、合計14個あるコーナーの中でも、S字コーナーのような中速コーナーが多いので、マシンの機敏な操安性、スムーズなパワーデリバリー、そしてギヤレシオも勝敗の決め手となる。
 
§ ブルノ・マイスター、マックス・ビアッジ
 
 ブルノといえば、“ブルノ・マイスター”の異名を持つマックス・ビアッジが有名だ。
 
 ビアッジは250cc時代に’94年から’97年まで4年連続でブルノを制しており、500cc時代にも’98年と2000年に優勝。さらにMotoGP元年の2002年にもブルノで優勝している。現在活躍しているライダーの中でも、もっともブルノでの優勝回数が多いのがビアッジで、本人も「ブルノは得意だし、大好きなコース」と語っている。ちなみにビアッジはこれまで通算42勝(250cc−29勝、500/MotoGP−13勝)を挙げているが、そのうちの7勝がここブルノで達成されているわけだ。
 
 今年からHondaワークスチームのRepsol Honda Team入りしたが、未だ勝ち星に恵まれていないビアッジ。不本意な成績に泣いているビアッジにとって、チェコGPは後半戦の巻き返しを図る上で、大事な一戦となるだろう。
 
 
§ 昨年のウイナー、セテ・ジベルノー
 昨年のチェコGPでポール・トゥ・フィニッシュを飾ったのがセテ・ジベルノーだ。この時は、2位に入ったロッシに3.514秒差をつけての圧勝で、ジベルノー本人も「’04年に一番乗れていたのはチェコGPだった」と語っている。
 
 昨年のチェコGPでの優勝を含み、500cc/MotoGPで通算9勝を挙げているジベルノーだが、今年に入ってからまだ優勝していない。しかし、夏休み直前に行われたドイツGP(7月31日、ザクセンリンク)では、本来の粘りのある走りで終盤までトップを走行した。ビアッジ同様に、ジベルノーもチェコGPを後半戦へのターニングポイントとして捉えている。
 
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 その他にも、玉田誠(KONICA MINOLTA Honda Team)もブルノを得意とし、昨年のチェコGPでは予選こそ17位だったが、決勝レースでは4位に入るという健闘を見せている。Honda勢の活躍が期待されているチェコGP。後半戦で真っ先に巻き返しを図るのは一体どのライダーになるのだろうか。
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