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「朝のウォームアップではすべて順調だった。スタートは良かったが、最初のうちはカピロッシに前を遮られる形になった。でもカピロッシを抜いた後は本当に気持ちよく走れていたんだ。メランドリとのバトルのあと、彼を振り切った。トップグループとは少し間が空いていたから、チャンスを掴みにいったんだ。彼らが先をいくのを黙って見ていることなどできるわけがない。マシンの感触は最高だったし、チャージするしかないよね。それは、当然の決断だったんだ」とヘイデンは語った。 「チームには申し訳ないと思っている。みんな本当に一生懸命にやってくれているからね。とにかく、この週末には次のレースが控えている、それに向かってがんばるよ」 --- それでも、シーズン序盤のこの4戦を通して、ニッキー・ヘイデンは世界最高峰のMotoGPで、遠からずトップに上り詰めるであろうことを予感させるパフォーマンスとポテンシャルを示した。南アフリカとスペインではトップライダーと争い、スペインでは雨のレースでも立派に戦えることを証明して見せた。またフランスでは、プラクティスでコースに慣れるやいなや最速を記録したし、そしてイタリアではすばらしいアタックでついに自己最高位の2番手、フロントローからのスタートを決めた。ヘイデンに残された課題は、これらすべてのパフォーマンスを同じグランプリで発揮することだ。 ヘイデンはレース人生を通じて、常に進化を遂げてきた。彼がレースを始めたスーパースポーツやフォーミュラ・エキストリームで力を付けていき、最初の勝利を手にした時から、全米選手権であるAMAスーパーバイクまで、“The Kid”には状況を把握し、失敗から多くを学び、最後にはそれをまとめ上げて勝利する特別な力があったのだ。 ヘイデンの今シーズン序盤の戦いぶりは、AMAスーパーバイク時代の2年目を彷佛とさせる。その2001年シーズン序盤、彼は自分がトップライダーの一人であるということを証明しようと躍起になっていた。ルーキーとして活躍した後の2年目だったが、シーズンの折り返し点ではタイトル争いを諦めざるを得ないような状況にあった。だがここで、彼の身上である不屈の闘志と学ぶ能力を最大限発揮する。苦しい状況の中で、彼は自身とマシンを見つめ直し、どこを修正すべきかを見極め、その年の最後の4レースに連勝する。その勢いを駆って、翌2002年、7レース中6レースに勝ち、見事AMAスーパーバイクの全米チャンピオンの座に輝いたのだった。
ヘイデンは今、持てる力を存分に発揮し、ベストなレースをしたいと切実に願っている。そのために、MotoGPでの厳しい試練を自分の糧とし続けている。アメリカを出、世界を舞台に戦ってわずか2年目という22歳の若き獅子は、ライダーとしての最終目標は世界チャンピオンだと言い切る。そしてその大きな目標に向かって彼は進歩し、世界を魅了し続ける。 |
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