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◆Rd.02 スペインGP
そして決勝日、ヘイデンのレースにとって恐怖にも値する雨が降ってきた。ウエットでのレースは、彼のグランプリ・キャリアでわずか2度目である。 スタート直後の小さなミスでやや慎重になり、2周目には12番手にまで順位を下げたヘイデン。しかしダートトラックでの豊富な経験を持つ彼にとって、スライドするマシンをコントロールするのはお手のもので、レースが進むにつれスピードと自信を取り戻し、順位もぐんぐんと上げていった。トップライダーたちをセオリー通りに抜いていき、最終ラップでついにロッシの姿を捉えた。せめてもう一周レースがあれば、ロッシを抜き4位でフィニッシュすることができたであろうが、開幕から2戦連続5位入賞に甘んじなければならなかった。 12番手からの猛烈な追い上げについて、ヘイデンは次のように解説してくれた。 「朝のウォームアップの後でマシンに2つ3つ、大きな変更を施したのが功を奏した。僕のメカニック達、そしてミシュランとショーワのスタッフ、彼らの素晴らしいアイデアに感謝しているよ。マシンの調子が良くなったことは乗ってすぐに分かったよ。スタートはうまくいったが、最初のストレートエンドでフロントホイールをロックさせてしまい、コーナーで膨らんでしまったんだ。そして内側から次々抜かれてしまった」 「ピットを通過するときに自分のボードに“P12”(12番手であるという意味)という文字を見て愕然とした。そして、このまま走っていたんじゃポイントが取れないと思ったんだ。僕は一箇所いい抜きどころを見つけて、そこでたくさん抜き返すことができた。最後の最後にはバレンティーノ(・ロッシ)の真後ろに付けて、彼にも僕のフロントホイールが見えていただろうけど、結局は抜くことができなかった。とにかくタフな週末だったけど、いい形で終れてよかったね。僕にとっては2度目の雨のレースだったけど、前回は11位だったから、確実に進歩しているよ」 ◆Rd.03 フランスGP
そしてレースでも苦戦することとなる。中盤に痛恨のコースアウトを喫し、最善を尽くしたものの、フランスGPの最終的な結果は11位という苦々しいものであった。 「この週末はこれまでにないほど素晴らしいスタートだったんだけど、そこから先に進むのが非常に難しかった」ヘイデンはそうコメントした。 「マシンにも僕自身のライディングでもあらゆることを試みたが、うまくいかなかった。週末を通して僕のスピードは同じレベルだったけど、他のライダー達がスピードを上げていった。レースのスタートはまあまあだったが、スタート後の競り合いの中で順位を下げてしまった。コースアウトしてしまい、レースの残りは前の集団に引き離されないようにと努力することにした。この経験を先に生かして、次以降戦っていくしかないね」 ◆Rd.4 イタリアGP ヘイデンはその言葉通り、このフランスGPでの苦い経験から多くを学びとったようだ。3週間後にムジェロ・サーキットで行われたイタリアGPでは、金曜日7位、土曜日は2位でフロントローからのスタートというパフォーマンスを見せたのだった。若きヒーローは、この高速サーキットで、HondaのV5エンジンの怪物的パワーを余すところなく駆使し、実に1分49秒922というタイムを記録。イタリアの大観衆を魅了し唸らせたのだ。堂々の予選2位。ヘイデンの予選最高位だ。 「何が何でも結果を出さなければいけないと肝に命じていた。だからとにかく頭を低く下げてスクリーンに伏せ、猛烈にチャージしたんだ」ヘイデンは、あの独特の少年のような笑顔を浮かべて素直に喜びを表した。 フロントローからのスタートは、ヘイデンの明らかな成長を物語っている。アメリカのレーシングトラックは、グランプリサーキットに比べコース表面が粗いため、ライダー達はしばしば力をセーブしつつトップ争いをする。ところがMotoGPの世界では事情は大きく異なり、予選用のスペシャルタイヤやWGPの安全基準が、限界を高いレベルに押し上げている。ヘイデンもようやくそのことを肌で覚え、最大限に活用できつつあるようだ。 しかしレースは、前戦に続いて残念な結果に終わった。決勝レースではトップグループが今まで以上にヒートアップしたバトルを展開。「また置いていかれるわけにはいかない。」彼らに付いていくために、ヘイデンはここで一つ大きな賭けに出なければならなかった。 |
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