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CB750にはじまるHonda伝統の直列4気筒エンジンを剥き出しで搭載する唯一のレーサー、RS1000。世界の称賛を獲得した“直4”の研ぎ澄まされた機能美と、オートバイらしい精悍なフォルムを持つRS1000に、心酔したファンも多いことだろう。このマシンは、オートバイ好きの琴線を刺激するHonda歴代レーサーのなかでも不朽の名作といえよう。 1979年の耐久選手権で6戦4勝を挙げてタイトルを獲得。続く1980年のヨーロッパ選手権でも王座に輝き、耐久選手権5連覇という栄誉をHondaにもたらした。鈴鹿8時間耐久レースへ1981年に出場。この美しきマシンにデイビッド・アルダナ、マイク・ボールドウイン組が乗り優勝した。 “不沈艦RCB1000”の技術を色濃く注ぎ込んだ市販車、CB900Fをベースに開発されたこのワークス耐久レーサーは、乗るとどのようなマシンなのか。この名作に跨がった希有なるライダー、宮城 光にかつて憧れだったというマシンのインプレションを語っていただこう。
「面白い。時間の制約がなかったら、ガソリンがなくなるまで乗り続けていたい。操ることがものすごく楽しいマシン。これでレースしていたライダーは、さぞかし楽しかったでしょうね」 宮城はまずこう切り出した。RS1000は、乗るのが楽しくてしょうがないマシンだというのだ。 「RCB1000の時代から5年を経ていますので、エンジンもさらによく回るようになっています。RS1000は、スプリント性も追求しているのでピークパワーもありますし、CVキャブレターを採用し中間域も非常にコントローラブルです。ハンドリングも耐久レースとスプリントレースの両方を闘うマシンとして、徹底的に躾けられています。車重を感じさせない軽さと抜群の安定感をうまくバランスさせていますね。この直4を積んだRS1000のハンドリングは本当にニュートラル。RCB1000のときからタイヤのサイズはほとんど変わっていませんので、直4のハンドリングとして熟成の域に達しているのでしょう」 RS1000は、世界の耐久選手権で栄誉を獲得したマシンであるが、マン島やフランスでのレース、鈴鹿スーパー1000などスプリントレースにも出場している。8耐を見据えながら、スプリントレースで闘えるマシンづくりという、現在では常識となっている開発にはじめて挑んだマシンなのだ。
「クロモリフレームで大柄なマシンですが、まったく大きさを感じさせない。すごくちっちゃく感じる。インフォメーションがしっかりしているからです。すべてが自分の手の内にあるような感覚。いいマシンはそう感じるものです」 |
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