ロードレース世界選手権


MotoGP(ロードレース世界選手権)は、FIM(国際モーターサイクリズム連盟)が主催する二輪レースの最高峰カテゴリー。その歴史は1949年からと古く、現在はMoto3、Moto2、MotoGPの3クラスが存在。なかでもMotoGPクラスには、世界中からトップライダーが集まり、しのぎを削っています。バトルは世界各地の名サーキットを舞台に行われ、訪れる何万人ものファンを熱狂させます。

2016年から19年まで4年連続チャンピオンと圧巻のパフォーマンスを見せたのが、Repsol Honda Teamのマルク・マルケス。2020年は開幕戦でのケガによりレースの欠場を余儀なくされ、連覇を逃しました。21年はチームメートにベテランライダー、ポル・エスパルガロを迎え入れ、チームの体制を強化。タイトル奪還を目指します。
マルク・マルケスの実弟であるアレックス・マルケスは、サテライトチームのLCR Honda CASTROLから参戦。ルーキーイヤーの20年は2度の表彰台登壇を果たし、21年は初優勝に期待がかかります。LCR Honda IDEMITSUの中上貴晶は参戦初年度の2018年にランキング20位、19年には13位、20年は10位と着実に前進。4シーズン目となる2021年は、さらなる活躍を見られそうです。

Hondaは1959年に初参戦し、2016年シーズンには、最高峰クラスにおいてライダーとコンストラクターズタイトルの2冠を獲得。17年から19年にかけてはそれらにチームタイトルを加えた、3冠3連覇を果たしています。2020年はタイトル獲得を逃したものの、第12戦のMoto3クラスでハウメ・マシアが優勝し、前人未到の通算800勝を達成。
21年シーズンは、チャレンジャーとして3冠の奪還に挑みます。

MotoGP

MotoGP

世界各国のトップライダーが集まる選手権の最高峰クラス。旧500ccクラスが2002年より現在の名称となりました。

現在では、最大排気量1000cc、シリンダー数4気筒以下、最大ボア径81mmの4ストローク・レシプロエンジンを搭載したマシンが採用され、トップライダーによる高速バトルが繰り広げられています。

21年シーズンも、Honda、ヤマハ、スズキ、ドゥカティ、アプリリア、KTMの6メーカーのワークスチームとメーカーからワークスマシンの貸与を受けているサテライトチームが参戦します。

Moto2

Moto2

2010年、それまでの250ccに替わって新たに始まった中排気量クラス。イコールコンディションが保たれた1メーカーのエンジンが採用され、各チームに供給されています。

エンジンメーカーは3年ごとに変更の機会が持たれ、10年から18年までHondaが供給しました。19年からはトライアンフ社製3気筒765ccエンジンが搭載されています。各チームは、提供されたエンジンとシャシービルダーから提供されたシャシーを組み合わせ、マシンを作り上げています。

Moto2はワンメイクのエンジンによって、各車のタイムが拮抗し、毎戦激しいバトルが展開されることが魅力の一つといえます。

Moto3

Moto3

Moto3は2012年から125ccクラスに代わって新設されました。マシンに搭載されるエンジンは、単気筒250cc4ストロークのみ。パワーの小さなマシンを操り、スリップストリームを多用する接近戦は見ものです。新規参戦の資格を有するのは、16歳から25歳までのライダー、継続参戦が可能なのは28歳までとなっています。19年からはMoto3ジュニア世界選手権やレッドブル・ルーキーズ・カップのチャンピオンに限り、15歳のライダーも参戦できるようになりました。多くの若手ライダーがMoto2、MotoGPクラスへのステップアップを夢見て戦います。

19年から投入したワークスマシン「NSF250RW」が高いパフォーマンスを発揮しています。2020年も19年に続きコンストラクターズタイトルを獲得しました。
21年シーズンはHondaのほか、20年にも参戦したKTMとハスクバーナに加えガスガスが参戦。昨年惜しくも逃したライダーズタイトルの奪還、そして21回目のコンストラクターズタイトルを狙います。