現場レポート Repsol Honda Team チーム・マネージャー アルベルト・プーチ 現場レポート 現場レポート
Vol.218 Round 19

逆転でチームタイトルを獲得し、祝福のムードにあふれたバレンシアGP

シリーズ最終戦となる第19戦バレンシアGPは、チャンピオンとしてホームグランプリに凱旋のマルク・マルケス(Repsol Honda Team)が、今季12勝目を達成しました。予選2番手からオープニングラップは5番手とやや出遅れましたが、2周目に2番手に浮上すると8周目に首位に浮上、27周のレースで真っ先にチェッカーを受けました。

最終戦バレンシアGPで勝つのは14年以来、5年ぶり。4年連続6回目のライダーズタイトルを獲得した走りを地元ファンの前で存分に披露し、この優勝でRepsol Honda Teamは、チームタイトルで首位にいたドゥカティを逆転し、3年連続10回目のタイトルを獲得しました。

今大会の開幕前に引退を表明していたホルヘ・ロレンソは、最高気温15℃、路面温度16℃という厳しい条件の中で13位でフィニッシュ。Repsol Honda Teamのチームタイトル獲得に貢献。デビューから18年、297戦目を走り終えたロレンソに大きな拍手が送られました。

今年は、第15戦タイGPで9勝目を挙げてマルケスがライダーズタイトルを獲得、第16戦日本GPではマルケスが10勝目を達成し、Hondaの4年連続25回目のコンストラクターズタイトルを獲得。そして最終戦バレンシアGPでは、ドゥカティとの間で大接戦が続いていたチームタイトルも獲得するすばらしいシーズンとなりました。さらにHondaとしては3年連続9回目の三冠達成となりました。

今年も世界のレースファンを魅了したRepsol Honda Teamの走り。アルベルト・プーチ監督が2019年シーズン最後の戦いとなったバレンシアGPを振り返ります。

―最終戦バレンシアGPの戦略はどういうものでしたか?

「今大会は、いつものようにいいスタートを切ってがんばることでした。そして、今シーズン、いくつかのレースで実現したように、トップに立ってコントロールすることでした。このサーキットは、後ろにいると厳しい戦いを強いられます。マルケスはあまりいいスタートとはなりませんでしたが、最初の2周でとてもいい走りをしてたくさんポジションを上げることに成功しました。それからトップに出てレースをコントロールし、後ろのライバルたちに対してアドバンテージを築いていきました。

今大会のマルクの戦略は、チームチャンピオンシップよりも、勝つことが一番の目標でした。その結果、優勝することができて、結果的に(チーム)タイトルを獲得することができたのは、うれしいことでした。彼は今年最後のレースで勝利を挙げる決意をしていました。シーズンを通して完ぺきなレースを続けた彼にとって、すばらしいシーズンの最後を優勝で締めくくることはとても重要なことだったのです」

―今大会のポジティブなポイントとネガティブポイントを教えてください。

「今日はすべてが晴れ晴れとした気分でした。マルクがレースで優勝し、Repsol Honda Teamが3つめのタイトルを獲得しました。そして、ホルヘ・ロレンソが最後のレースに挑み完走しました。ピットは祝福のムードにあふれ、チームみんなの喜びを感じました。みんながハッピーでした。引退を決断したホルヘと、Hondaのサポートに感謝する彼の姿にみんながリスペクトしました。ホルヘにとっては悲しいことですが、すばらしいキャリアをいいかたちで終わらせることができたと思います。レースウイークを通していい雰囲気がありました。それはみんなにとっても、とてもいい時間でした。ホルヘを見ていてうれしい気持ちでした」

―ピットウォールから見ていた感想を聞かせてください。

「ピットから見るレースはとてもエキサイティングでした。もちろん私たちには2つの異なる思いがありました。でもチームチャンピオンシップを獲得できたことで完ぺきな締めくくりになりました。Repsol Honda Teamにとっては、とても思い出深い一日になりました」

―最終戦バレンシアGPを終えた感想をお聞かせください。

「新しいシーズンがすぐに始まります。来年も、できる限り最高の結果、そして、できる限りのたくさんの優勝を達成できるように仕事を続けます。マルクの成し遂げたことは、とてもうれしく、すばらしいことでした。再び戦う準備を整えるために仕事をスタートできることはなによりの喜びです」


最終戦を終えたばかりのバレンシアで、11月19日から20日までの2日間、2020年シーズンに向けた公式テストがスタートします。来季も三冠制覇を目指し、チーム一丸となって新たなスタートを切ります。

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