MENU

HONDA

検索
現場レポート Repsol Honda Team チーム・マネージャー アルベルト・プーチ 現場レポート 現場レポート
Vol.212 Round 13

マルケスが最終ラップで逆転勝利となったサンマリノGPの戦略

第13戦サンマリノGPは、3日間ともに好天に恵まれました。そのため、気温と路面温度が上昇する午後の時間帯はタイヤのグリップを引き出すのが非常に難しいコンディションとなりましたが、予選5番手から好スタートを切ったマルク・マルケス(Repsol Honda Team)が、今季7勝目を達成しました。

2週間前に行われた公式テストの時点からヤマハ勢が好調で、グランプリ本番を迎えてもヤマハ勢が上位を独占しました。しかし、2週間前のテストで得たデータをもとに着実にセットアップを進めたマルケスは、ヤマハ勢に割って入る好走をみせます。予選では、クリアラップが獲れず5番手でしたが、フリー走行では優勝を狙える連続ラップを刻み、マルケス自身も優勝争いに自信をみせました。

そして迎えた決勝は、テストから好調でポールポジションを獲得したマーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)と、予選3番手のファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)が先行し、それをマルケスが追うという展開となりました。その後、2番手に下がったビニャーレスをかわし、マルケスは2番手になると、クアルタラロをピタリとマークしました。

レース中、ランキング総合2位のアンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ)はペースが上がらず6番手を走行。総合3番手につけるアレックス・リンス(スズキ)が転倒リタイアしたことを受けて、マルケスは最終ラップにクアルタラロと勝負することを決断。見事、逆転優勝を達成しました。過去2戦、最終ラップに優勝を逃していただけに、うれしい勝利となりました。

これまでマルケスは、ミサノで過去2勝を挙げていますが、いずれもウエットコンディション。ドライコンディションではタイヤのパフォーマンスをうまく引き出せず苦戦のレースが続いていましたが、ドライコンディションで初めて完ぺきな勝利を達成しました。マルケスにとっては、4年連続6回目のタイトル獲得に大きく前進するレースとなりました。Hondaにとっては大きな一勝。その戦いをアルベルト・プーチ監督が振り返ります。

―今大会の戦略はどういうものでしたか。

「このサーキットはヤマハのライダーが速いことが分かっていました。レースウイークを通して彼らは強く、マルクがフロントローからのスタートではなかったので、序盤はヤマハ勢に引き離されるレースになると思っていました。その通りになりました。ビニャーレスとクアルタラロはとても速く、マルクはいいスタートを切って、彼らについていきました。クアルタラロが逃げ始めると、マルクはビニャーレスをパスしてすぐに彼についていきました。マルクはクアルタラロの後ろで、彼の弱点を観察しました。すぐにオーバーテイクしなかったのは、とても賢い作戦でした。そして最後に彼をパスする一番のタイミングを待っていました。クアルタラロは高速コーナーでとても強く、マルクはそれを分かっていました。マルクの戦略は成功し、すばらしい勝利を得ることができました」

―今大会のポジティブポイントと、ネガティブポイントがあれば、それも教えてください。

「ポジティブなことはもちろんマルクが優勝したことです。ネガティブなことはカル・クラッチローと中上貴晶が転倒したことです。残念でした。次はアラゴンです。ここでも優勝することを目標にできるだけがんばります。チャンピオンになるためには、これが唯一の方法です。タイトルを獲得するのに最もオーソドックスな方法は、チャンスをつかみ、そして優勝することです。アラゴンはマルクと私たちのマシンとの相性がいいサーキットです。天気がどうなるかは分かりませんが、表彰台ではなく、優勝を目指し、モーターランド(・アラゴン)に向かいます。勝てないときは勝てませんが、優勝に向けて全力を尽くします」

―レース中、ピットウォールから見ていた感想は?

「クアルタラロとマルクの接近戦は、とてもエキサイティングでした。クアルタラロが優勝したがっていることは明らかでした。今日の彼は強く、勝っても不思議のないレースでした。しかし転倒するリスクもありました。なぜならレース終盤、限界でプッシュしているときは、接触しやすいからです。幸い、マルクは最終ラップで、すばらしい走りをして優勝しました」

―ケガから復帰して2戦目を迎えたホルヘ・ロレンソのレースはどうでしたか?

「ミサノのテストをホルヘが初日で切り上げたのは正しい決断だったと思います。2週間休むことができましたし、今大会ポイントを獲得することができました。もちろんまだ思っているようなレベルには戻っていませんが、前進していることは間違いありません。彼の痛みが軽減しているのは、とてもポジティブなことです。次戦モーターランドでは、彼が強く、速い走りをするという、希望を持つことができました。アラゴンはホルヘが好きなサーキットです。引き続き彼が前進することを願っています」


総合2位のドヴィツィオーゾ(ドゥカティ)が今大会6位に終わったことで、マルケスとドヴィツィオーゾの差は78ポイントから93ポイントへと開きました。また、今大会10位で総合3位に浮上したダニーロ・ペトルッチ(ドゥカティ)との差は124ポイント、今大会リタイアに終わり、総合4位にダウンしたリンス(スズキ)との差は126ポイントとなりました。

今大会を終えてマルケスは、4年連続6回目のタイトル獲得に向けて、また一歩前進しましたが、シーズンはまだ6戦残っており、一戦一戦集中しなければなりません。サンマリノGPと連戦となるアラゴンGPは、マルケスにとっては、MotoGPクラスで過去3連勝(通算4勝)しているサーキットであり、大会4連勝と今季8勝目を目指します。そして過去に2勝しているロレンソも今季ベストを狙います。ライダーズタイトル、コンストラクターズタイトル争いで先行するHondaは、チームタイトル獲得に向けても、残り6戦で逆転を目指します。Repsol Honda TeamにとってホームグランプリとなるアラゴンGP。サンマリノGPからの連勝を目指します。

» サンマリノGP レポート