MENU

HONDA

検索
現場レポート Repsol Honda Team チーム・マネージャー アルベルト・プーチ 現場レポート 現場レポート
Vol.210 Round 11

マルケスがオーストリアGPでライバルの追撃を許した理由

チェコGPからの2連戦となった第11戦オーストリアGPは、フリー走行、予選と比べて気温と路面温度が低く、加えて決勝日の朝方まで降った雨の影響でタイヤ選択が難しいレースとなりました。フリー走行と予選で、しっかりタイヤテストを繰り返してきたマルク・マルケス(Repsol Honda Team)もタイヤ選択に迷いましたが、最終的に前後ミディアムでグリッドに並びました。フリー走行では、さまざまな組み合わせで走行を繰り返し、フロントにミディアム、リアにソフトのコンビネーションでは1分23秒台で連続ラップを刻み、ライバルを圧倒しました。その中で唯一、このコースを得意とするアンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ)がマルケスの連続タイムに接近していました。

そのためマルケスは、「決勝はドヴィツィオーゾとの一騎打ちになると思う」と予想。その通りの戦いとなるのですが、フロントにミディアム、リアにソフトを選択したドヴィツィオーゾの追撃を許し、引き離すことができませんでした。その理由の一つは、右コーナーの多いレッドブル・リンクでリアタイヤの右側が消耗したため、右コーナーの立ち上がりでタイムロス。フリー走行でシミュレーションしたペースに届かなかったためでした。

しかし、こうした厳しい状況の中でも、最後まで全力を尽くしたマルケスは、果敢に前に出る積極的な走りを披露。最終ラップもマルケスが先行しましたが、右コーナーが続く最終セクションでドヴィツィオーゾに差を縮められると、最終コーナーで抜かれるという悔しい結末となりました。

チェコGPからの連勝は果たせませんでしたが、マルケスは、ランキング総合2位のドヴィツィオーゾとの差は「58ポイント」と、リードをキープ。また一歩、タイトル獲得に前進しました。今大会、チームとしての戦略はどうだったのか? タイヤ選択は? Repsol Honda Teamのアルベルト・プーチ監督が第11戦オーストリアGPを振り返ります。

―2戦連続で決勝は難しいコンディションになりました。レッドブル・リンクの戦略はどういうものでしたか?

「いつものように安定していいリズムを刻むことが今大会の目標でした。タイヤ選択が誤っていたとは思いませんが、もし違うタイヤを選んでいたら、異なる結果になっていたと思います。でも、マルクは最後までプッシュして優勝争いをしました」

―今大会のポジティブポイント、ネガティブポイントを教えてください。

「今大会は、ネガティブなことは一つもありませんでした。だれもケガをせず、全体的にみんなうまくいきました。レースはいつでも優勝するために戦いますが、バトルに負けたときにはそれを受け入れ、相手の勝利をたたえなければなりません。そして、次戦でもっとがんばらなければならないのです。これがHondaとマルクの考え方です。2週間後にまたレースがあります。優勝を目指してまたがんばります」

―サインボードエリアからどんな気持ちでレースを見ていましたか?

「ピットから見えることは一つです。とてもシンプルなことです。今大会、マルケスはほかのライダーたちより0.3から0.4秒速いペースがありました。でも今日のレースでは、プラクティスセッションの速さがありませんでした。雨が降ったために、路面とグリップが変わったからかもしれません。理由はよく分かりません。でも確かにプラクティスセッションとは違いました。今日のレースが予想通りにはいかないことはすぐに分かりました。もちろんレースですからね。戦略や予想はすぐ変わることがあります」

―次戦イギリスGPには、欠場していたホルヘ・ロレンソがカムバックしますが?

「シルバーストーンでホルヘ・ロレンソに会えるのを楽しみにしています。彼が100%の状態でないことは分かっていますが、彼がケガから回復していることを期待しています。ケガの回復に時間がかかっているため、2カ月マシンに乗っていません。すぐに本来のペースで走るのは難しいと思いますが、モチベーションを上げてマシンに乗ってくれることを願っています。チームの一員として、我々にフィードバックを提供して、前に進んでくれることを願っています。昨年のシルバーストーンは悪天候と路面コンディションが原因で、難しいレースになりました。今年はサーキットが完全に再舗装されたと聞いています。最初のフィードバックはとてもポジティブなものになると思います。どのようなグランプリになるか楽しみです」


2016年にグランプリが復活したレッドブル・リンクは、これまでマルケスがシーズンを通して唯一勝てないサーキットでしたが、今年も勝つことができませんでした。これで3年連続で僅差の2位。この悔しさを次戦イギリスGPにぶつけることになります。

昨年のイギリスGPは、断続的に降る雨と、新しく舗装した路面の水捌けが悪く、最終的に決勝レースがキャンセルされるという事態になりました。今年は舗装がやり直されているとのことで、2年ぶりの接戦が繰り広げられることになります。そして、Repsol Honda Teamは、ロレンソがケガをしたオランダGP以来、4戦ぶりにレギュラーライダーがそろうことになります。イギリスGPでは、マルケスの今季7勝目、そしてロレンソの復帰戦に注目です。

» オーストリアGP レポート