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Vol.209 Round 10

チェコGPで最高峰クラス50勝を達成したマルケスのレースへの姿勢

後半戦のスタートとなった第10戦チェコGPは、レースウイークを通じて不安定な天候となりました。金曜日はドライコンディション。土曜日の予選はウエット。そして決勝日はスタート直前に一時的に強い雨になり、40分遅れのレーススタートとなりました。メインストレートに多くのウエットパッチが残る状態でのレース再開でしたが、コースのほとんどがドライコンディションのため、全車がスリックタイヤでレースに挑みました。

その前日、ウエットコンディションからライン上が乾いていくという微妙なコンディションとなった土曜日の予選でマルク・マルケス(Repsol Honda Team)は、だれよりも早くスリックタイヤを装着してコースイン。その素早い判断力とすばらしいマシンコントロールでライバルを圧倒、今季6回目のポールポジション(PP)を獲得しました。最多PP記録を更新中のマルケスは、このPPで最多記録を86回としました。最高峰クラスのPPも58回目となり、Hondaで5度のタイトルを獲得したミック・ドゥーハン氏が持つ最高峰クラスの最多PP記録に並びました。

迎えた決勝レースは、スタート前にブルノの空を覆った雨雲のため、一時的に強い雨が降りました。すぐに雨は上がり、路面も乾き始めましたが、最終コーナーから1コーナーにかけてのセクションがフルウエットのまま。そのほかはほぼドライというミックスしたコンディションのため、レースディレクションはレース順延の処置を取りました。そして40分後、最終コーナーから1コーナーの区間もライン上がほぼ乾いたことからレース開始となりました。

この微妙なコンディションの中でマルケスは、フロントにハード、リアにソフトを選択。ホールショットを奪うと着実にペースを上げて、後半になると、2番手以下に3秒以上のリードを築きました。最終ラップは後続との間隔を確認しながら、今季6勝目の勝利の喜びを味わう悠々の走りでしめくくりました。

3日間を通じて、ウエット、ハーフウエット、ドライというすべてのコンディションですばらしい走りをみせたマルケス。Repsol Honda Teamのアルベルト・プーチ監督が第10戦チェコGPを振り返ります。

―決勝は微妙なコンディションとなりました。今大会の戦略はどういうものでしたか?

「まず最初に、ディレイの決断は正しかったと思います。なぜなら、コース上の安全性が確認できなかったからです。オーガナイザーはレースディレクションとともにライダーの意見を聞き、状況を把握して、正しい決断をしました。今大会の戦略は、序盤に注意深く走行することでした。まだ乾いていないコーナーが残っていて、特にホームストレートと1コーナーがかなり微妙な状況だったからです。マルケスにとっても、自分のペースを見つけ、それをキープするまでは、慎重な走行が必要だったと思います。彼はコンディションを把握し、安定したペースで走りました。タイヤが消耗することは分かっていたので、ペースを安定させることは重要なことでした。タイヤが消耗してからも、ほかのライダーたちと違って彼のペースは落ちませんでした。マルクはトリッキーなコンディションでも集中して走ることができました。土曜日に雨が降り、日曜日も不安定な天候でした。セッティングが少し難しいコンディションとなり、ウォームアップでも、いいフィーリングをつかめませんでした。そこでセットアップを変えることにしました。チーフメカニックのサンティ・エルナンデスはなにをすべきかをしっかり理解していました。確かにリスクがなかったとは言えませんが、結果的にそれが正しい決断だったことが証明されました」

―今大会のポジティブポイントとネガティブポイントを教えてください。

「ブルノはすべてポジティブでした。マルクは優勝し、総合2位に対して63ポイントのアドバンテージを築きました。ステファン(ブラドル)もとてもよかったです。彼がテストライダーであるということを忘れてはいけません。ホルヘ(ロレンソ)がケガをしたために彼にはたくさんのレースに出てもらわなければなりません。ステファンは鈴鹿8耐に参戦しました。翌週にチェコ、そしてオーストリアと続きます。このような忙しいスケジュールにもかかわらず、がんばってくれる彼の努力にとても感謝していますし、うれしく思っています。カル(クラッチロー)もいいレースをして5位、中上も9位とトップ10に入りました。ブルノのレースウイークでネガティブなことはありませんでした」

―月曜日に行われたテストはどうでしたか?また連戦となるオーストリアGPはどんなレースを期待しますか?

「月曜日のテストでは、さまざまなパーツをテストすることができました。今後のためにデータを検証できたと思います。オーストリアでは、今のようなトップスピードがなかったこともありますが、これまで厳しいレースを経験してきました。簡単なレースになるとは思っていません。しかし、以前ほど厳しいレースになるとも思っていません」

―マルケス選手は、最高峰クラスで50勝を挙げました。

「マルクの最高峰クラス通算50勝という記録は歴代4位。3クラス通算76勝はマイク・ヘイルウッドと並ぶ記録達成となりました。これ以上にうれしいことはありません。マルクはこれまでも、このような数字や記録にこだわっていません。彼は優勝し、チャンピオンを獲得できるように毎日仕事に励んでいます、それがこうした記録樹立につながっているのだと思います。今日も彼はチャンピオンシップや記録のことは考えていませんでした。速く走って、いい結果を残すためにはどうしたらいいのかを常に考えていました。このような彼の姿勢がマルクとRepsol Honda Teamに多くのすばらしい数字をもたらしてきたのです」


チェコGPから休む暇もなく、今週は第11戦オーストリアGPが開催されます。チャンピオンシップにとって、後半戦最初の大きな山場となります。レッドブル・リンクでオーストリアGPが復活して今年で4回目を迎えます。過去3年はドゥカティが連勝。Hondaにとって、そして過去2年連続で2位のマルケスにとって、シーズンを通して唯一勝てないサーキットとなっています。月曜日のテストで連戦の準備を進めたHonda勢は、復活4年目を迎えるオーストリアGP制覇に挑みます。

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