
今季、ヨーロッパラウンドの初戦となる第4戦スペインGPが、5月3日から5日までの3日間、「Circuito de Jerez-Angel Nieto」(ヘレス・サーキット・アンヘル・ニエト)で行われ、予選3番手からホールショットを奪い、首位に浮上したマルク・マルケスが、そのあとも快調にラップを刻み、25周のレースで真っ先にチェッカーを受けました。
これでマルケスはスペインGP2連勝で、大会通算3度目の優勝。MotoGPクラスにデビューしてから7年連続で表彰台に立ち、地元ファンの声援に応えました。Repsol Honda Teamとしても2006年から14年連続でホームグランプリで表彰台に立つ、すばらしい結果となりました。
第2戦アルゼンチンGPでは、マルケスはライバルを圧倒する走りで独走優勝。アメリカズGPも独走状態となりましたが、ブレーキングミスで転倒リタイア。大会7連覇を逃す悔しい結果に終わりました。そのため今大会は、2位以下に3秒から4秒のリードを築くと、後続との差をしっかりコントロールする完ぺきな走りをみせました。
チームメートでRepsol Honda Teamで4戦目を迎えるホルヘ・ロレンソは、これまでもっともいい走り出しとなりましたが、フリー走行、予選と2度の転倒を喫したことも影響して12位に終わりました。スペインGPでこれまで3度の優勝を経験しているロレンソとしては満足のいく結果とはなりませんでしたが、RC213Vのパフォーマンスを確実に引き出していることを感じさせる大会でした。
今大会はカル・クラッチロー(LCR Honda CASTROL)が8位、中上貴晶(LCR Honda Idemitsu)が9位、ワイルドカードで出場のステファン・ブラドル(Team HRC)が10位と続き、4人のHondaライダーがトップ10フィニッシュを果たしました。
今年、25周年を迎えたRepsol Honda Team。ホームグランプリで優勝を達成し、マルケスにとって4年連続タイトル獲得に向けて一歩前進しました。天候に恵まれましたが、タイヤにもライダーにも厳しいレースとなったスペインGPを、アルベルト・プーチ監督が振り返ります。
「このサーキットは、一周で逃げきれるようなサーキットではありません。少しずつ引き離さなければなりませんが、マルクはそれをやり遂げました。0.1秒ずつ、着実に、落ち着いてギャップを広げていきました。マルクは快適に走行できるようになるまでじっくり待つ作戦でした。その結果、タイヤが消耗し始めた後半になっても、ほかのライダーとは違い、しっかりペースをキープすることができました。また、テストライダーのステファン・ブラドルをはじめ、Honda勢の結果にも満足しています。彼らはとてもいい仕事をしてトップ10に入りました。残念ながらホルヘはいいフィーリングをつかめず、トップ10には入れませんでした。彼が速くなるためになにが必要なのかを、しっかり見つけたいと思います。ホルヘの戦略はいいスタートを切って、前のライダーたちを追い上げていくことでした。しかし、今回はそれができず、満足のいく結果を残すことはできませんでした」
「ポジティブなことは、もちろん、優勝したことです。この結果、マルクとHondaは、再び、ライダーとコンストラクターズポイントでトップに浮上しました。マルクはRC213Vで快適に走行しています。ネガティブなことは、ホルヘが思ったような結果を出せなかったことです。次戦フランスGPが行われるル・マンは、寒くなったり、雨が降ったりとコンディションが変わりやすく、難しいレースになります。月曜日には(ヘレスで)テストがあります。いま必要なこと、今後のためになるテストを行います。すべてのデータを分析して、それをいつ利用できるか見極めなくてはなりません」
「ヘレスは、落ち着いて、そして着実に仕事に取り組む場所だということをみんなが理解していました。マルクも落ち着いていました」
「トップとの差を縮めている新しい世代が活躍していますが、ヘレスはそれを実感することになりました。レースはとても激しく、接戦となっているので、どのレースも注意深く、慎重にならなければなりません。とにかく、毎戦、できる限りたくさんのポイントを獲得する必要があります」
前戦アメリカズGPは、Repsol Honda Teamの両選手がリタイアする残念な結果に終わりましたが、今大会は素早くリカバリーを果たしました。次戦フランスGPも昨年に続き、マルケスが大会2連覇を狙うことになります。マルケスはもちろんのこと、ロレンソもル・マンは得意とするサーキットの一つ。今季初のRepsol Honda TeamのW表彰台、1-2フィニッシュが期待されます。