Repsol Honda Team チーム・マネージャー アルベルト・プーチ 現場レポート
Vol.202 Round 03

Repsol Honda Teamの2選手が揃ってリタイアとなったアメリカズGPを振り返り次戦に備える

第3戦アメリカズGPが、4月12日から4月14日までの3日間、「サーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)」で行われました。予選では、大会6連覇中のマルク・マルケスが7年連続PPを獲得、決勝でも好スタートから首位を独走、アルゼンチンGPからの2連勝と大会7連覇に向けて着実に前進しましたが、9周目の12コーナーでブレーキングをミス、フロントから転倒、再スタートを試みましたがエンジンが掛からず、リタイアとなりました。

チームメートで今季Repsol Honda Team入りしたホルヘ・ロレンソも徐々に調子を上げて今大会は予選11番手。決勝はスタート直後の混乱でポジションを落としましたが、すぐにリカバリーを果たし、10番手まで浮上しました。しかし、マシンに不具合が生じ、11周目にスロー走行となり、そのままリタイアとなりました。

Repsol Honda Teamが2人揃ってリタイアするのは、今季初めて。昨年のオーストラリアGP以来のことで、残念な結果となりました。

予選3番手からトップグループに加わったカル・クラッチロー(LCR Honda CASTROL)も11コーナーでブレーキングミスで転倒。Honda勢ではただひとり、中上貴晶(LCR Honda Idemitsu)が10位でフィニッシュ。自身3戦連続トップ10フィニッシュを果たし、コンストラクターズポイントでも6点を獲得しました。

今年、25周年を迎えたRepsol Honda Team。2人の世界チャンピオンを要して挑む初めてのシーズン。今大会は残念な結果に終わりましたが、マルケスの走りはCOTAに集まったファンを魅了しました。Honda勢にとっては厳しい結果となったアメリカズGPを、アルベルト・プーチ監督が振り返ります。

―今大会は厳しい結果に終わりました。感想を聞かせてください。

「ノーポイントに終わり、残念な結果でした。しかし、マルクはほかのライダーよりも2歩先を進んでいました。そのため、高い目標と高いモチベーションをキープし、引き続き仕事に取り組んでいくことになります。ロレンソのリタイアについては、マシンに何が起きたのかはまだ分かりません。しっかり時間をかけ、原因を追求します」

―第3戦アメリカズGPのチームの戦略はどういうものでしたか?

「マルクの戦略は、アルゼンチンGP同様に、スタートからペースを上げて後続を引き離すことでした。予定通りにレースは進行しましたが、残念ながらフロントから転倒してしまいました。こうしたことは、ときどき起きるものです。これがレースなのです。

ホルヘの目標はトップ10に入ることでした。序盤の2周はあまり速さがありませんでしたが、そのあとは安定した速さとペースがありました。リズムをうまくキープして、ポジションを上げていきました。しかし、問題が出てしまい走行を止めることになりました。まだ完全に理由はわかっていません。クラッチローも転倒してしまいました。今日はとてもいい走りをしていたし、いいレースをしてくれるだろうと期待していたので、本当に残念です」

―今大会のポジティブポイントとネガティブポイントを教えてください。

「ポジティブなことは、マルクとカルにケガがなかったことです。とにかく、マルクはこれまで以上に強い走りをしました。この2戦、その力を見せることができました。ネガティブなことは、もちろん、オースティンでポイントを獲得できなかったことです」

―ピットウォールから見ていた感想はどういうものでしたか?

「悪い日のあとは、必ず、いい日が続くものです。どちらにも対応できるようにしていこうと思います」

今大会のインサイドストーリーを教えてください。

「パートナーのRepsolのおかげで、水曜日にNASAを訪問することができました。彼らにとっては、すばらしい体験になったと思います」


初開催の2013年に最高峰クラスの史上最年少ポールポジション記録と優勝記録を塗り替えて以来、6年連続でアメリカズGPを制してきたマルケスですが、今年は大会7連覇を果たすことはできませんでした。そして、13年から続けてきたアメリカ大会10連覇という記録も、ひとまず、終止符を打つことになりました。

この結果、マルケスは、総合首位から総合4位へとダウンしましたが、トップとの差は、わずか9点。「この失敗から学んだことを次のレースに活かしたい」と、マルケスは気持ちを切り換えました。次戦スペインGPは、Repsol Honda TeamにとってホームGPとなります。地元ファンの前でマルケスは今季2勝目を目指します。

Repsol Honda Teamで初めてのホームGPを迎えるホルヘ・ロレンソも、得意とするヘレスを迎え、今季ベストグリッド、ベストリザルトはもちろんのこと、今季初表彰台、初優勝の期待が膨らみます。次戦スペインGPは、Repsol Honda Teamの両選手がノーポイントに終わったアメリカズGPの雪辱に挑みます。

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