Round05フランスフランスGP

MotoGP

2019.05.19(日)

ル・マン・サーキット

第5戦 フランスGP

マルケス今季3勝目。Hondaが最高峰クラス通算300勝を達成

第5戦フランスGPの決勝日は、終日、厚い雲が空を覆い、最高気温15℃という天候となりました。そのため、タイヤの選択に悩むレースとなりました。前日、ウエットコンディションで、今季3度目のポールポジション(PP)を獲得したマルク・マルケス(Repsol Honda Team)は、朝のウォームアップで試したソフトコンパウンドのフロントタイヤで決勝レースを戦うことを決めました。

朝のウォームアップから、午後2時の決勝のスタート時間まで、ほとんど気温と路面温度が上がらなかったことから、これまでほとんど決勝で使ったことがないソフトのフロントタイヤで27ラップを戦えると判断。しかし、タイヤに負担をかけないために、2位以下に2秒のリードを築いてからは、後続との差をしっかりキープする作戦とし、最後まで安定したペースで大会2連覇と今季3勝目を挙げました。この優勝は、Hondaの最高峰クラス300勝目となり、マルケスは、記念のTシャツを着て表彰台に立ちました。

Hondaの最高峰クラス初優勝は、1966年の開幕戦西ドイツGPでRC181に乗るジム・レッドマンが達成しました。そのレッドマンの活躍もあり、この年、Hondaはデビューシーズンにして5勝を挙げ、見事、コンストラクターズタイトルを獲得しました。その後、グランプリ参戦を中断した時期もありますが、30年後の1996年のカタルニアGPでカルロス・チェカがNSR500で通算100勝を達成、さらに10年後の2006年のオランダGPでニッキー・ヘイデンがRC211Vで200勝を達成、そして、今大会、RC213Vでマルケスが300勝を達成しました。

Hondaは1961年にロードレース世界選手権(WGP)に参戦、以来、これで全クラス通算で775勝としました。マルケスは、2015年のインディアナポリスGPで700勝を達成し、その名を歴史に刻みましたが、今度は最高峰クラス300勝にその名を刻みました。この優勝でマルケスは、最高峰クラス47勝、通算勝利数を73(歴代5位)としました。

15番グリッドから決勝に挑んだカル・クラッチロー(LCR Honda CASTROL)は、オープニングラップに11番手に浮上、その後、着実にポジションを上げて8番手に浮上しましたが、ラスト2周でファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)に抜かれ9位でチェッカーを受けました。今大会は不安定な天候に翻弄される大会となり、初めて予選でQ2進出を逃し、15番手という厳しいグリッドからのレースになりました。しかし、9位でフィニッシュしたことで、次につながるレースとなりました。

Repsol Honda Teamで5戦目を迎えたホルヘ・ロレンソが、ベストグリッドの8番手からベストリザルトの11位でフィニッシュしました。初日のフリー走行では4番手と好調なスタートを切りましたが、土曜日のフリー走行と予選がウエットコンディションになったことで、セットアップを完全なものにすることができませんでした。ル・マンでは、過去5回優勝経験のあるロレンソ。今大会の11位というのは満足のいく結果ではありませんが、着実にRC213Vのパフォーマンスを引き出しており、次戦イタリアGPの走りが期待されます。

開幕から5戦連続でのトップ10を狙った中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)は、ベストグリッドとなる7番手から決勝に挑みましたが、セットアップが完全ではなく、12番手までポジションを落とす苦しい戦いとなりました。その後、19周目の11コーナーでフロントが切れ込んで転倒し、今季初のリタイアとなりました。残念な結果に終わった中上ですが、予選ではレースをこなすごとにベストグリッドを更新しており、次戦イタリアGPでは、昨年のバレンシアGPの6位を超えるベストリザルトに挑みます。

 

コメント

マルク・マルケス(MotoGP 優勝)マルク・マルケス
「ル・マンは気温や天候が不安定なので、いつも難しいレースになります。今日は特に難しい一日でした。フロントタイヤにソフトを使ったのは初めてだと思いますが、それが一番安全な選択でした。後続とのギャップが2秒に広がるまではプッシュしました。それからは、1分32秒後半のタイムで安定して走行することに集中しました。今日の結果はうれしいです。そして、この優勝がHondaの最高峰クラス300勝目となりました。とにかく、最高の気分です」

カル・クラッチロー(MotoGP 9位)カル・クラッチロー
「今日は残念な結果に終わりました。しかし、有意義なデータを集めることができたのはポジティブだったと思います。今大会は、セッティングとフィーリング、そしてタイヤがあまり快適ではありませんでした。こうした問題を解消し、前進しなければなりません。予選15番手と後方からスタートとなり、難しいレースになりました。しかし、決勝レースではいいスタートを切り、2周目で9番手に浮上し、9位でフィニッシュしました。もう少しトップとのギャップを縮めたいと思ったのですが、今日は無理でした。ムジェロでまたトライします。最高峰クラスで300勝を達成したHondaにおめでとうと言いたいです。Hondaの一員として誇りに思います」

ホルヘ・ロレンソ(MotoGP 11位)ホルヘ・ロレンソ
「11位は思っていたような結果ではありませんが、進歩できたことは間違いなく、うれしい結果でした。今後のレースに向けて力が湧いてきます。今週末は、フリー走行で初めてトップ5に入り、予選ではトップ8に入ることができました。開幕戦のカタールに比べたら、今回はトップとのギャップが一番縮まりました。レースごとにいろいろ学んでいます。あとは時間の問題です。一生懸命がんばってくれているRepsol Honda Teamに感謝したいです。今日はマルクの優勝で、(Hondaの)最高峰クラス300勝目となりました。おめでとうと言いたいです」

中上貴晶(リタイア)中上貴晶
「チェッカーまであと9周という19周目の11コーナーで、突然フロントが切れ込み、転んでしまいました。なんの徴候もなく、あっという間のことでした。今日は自分だけがフロントにミディアムを選びました。ほかの選手は全員ソフトを選択しましたが、27周のレースなので、ソフトでは終盤厳しくなると思ったからです。実際、タイヤの温度はしっかり上がり、フィーリングもとてもいいものでした。目標は1分32秒台で周回することでしたが、33秒台を越えることができず、苦しいレースになりました。今日はブレーキングはよかったのですが、そこからのターンインでものすごく取り回しが重くて、気持ちよく乗れませんでした。予選はウエットコンディションでベストグリッドの7番手を獲得しましたが、ドライコンディションでは厳しい戦いになると思っていました。10番手前後の走りになるのではないかと思っていましたが、その通りの内容になってしまいました。今日は限界ギリギリでした。次はムジェロで行われるイタリアGPですが、ムジェロのレイアウトは好きなので、今回完走できなかった分もしっかり走って、結果で返したいと思います」

MotoGP リザルト

順位 No. ライダー マシン タイム/差
193マルク・マルケスHonda41'53.647
24A.ドヴィツィオーゾドゥカティ+1.984
39D.ペトルッチドゥカティ+2.142
443J.ミラードゥカティ+2.940
546V.ロッシヤマハ+3.053
644P.エスパルガロKTM+5.935
721F.モルビデリヤマハ+7.187
820F.クアルタラロヤマハ+8.439
935カル・クラッチローHonda+9.853
1042A.リンススズキ+13.709
1199ホルヘ・ロレンソHonda+15.003
1241A.エスパルガロアプリリア+29.512
135J.ザルコKTM+33.061
1455H.シャーリン KTM+35.481
1588M.オリベイラKTM+36.044
1636J.ミルスズキ+1Lap
RT30中上貴晶Honda+9Laps
RT29A.イアンノーネアプリリア+19Laps
RT12M.ビニャーレスヤマハ+21Laps
RT63F.バニャイアドゥカティ+21Laps
RT53T.ラバトドゥカティ+25Laps
RT17K.アブラハムドゥカティ-

MotoGP ポイントランキング

ライダー

順位 No. ライダー マシン 総合ポイント
193マルク・マルケスHonda95
24A.ドヴィツィオーゾドゥカティ87
342A.リンススズキ75
446V.ロッシヤマハ72
59D.ペトルッチドゥカティ57
643J.ミラードゥカティ42
735カル・クラッチローHonda34
821F.モルビデリヤマハ34
944P.エスパルガロKTM31
1012M.ビニャーレスヤマハ30
1130中上貴晶Honda29
1220F.クアルタラロヤマハ25
1341A.エスパルガロアプリリア22
1499ホルヘ・ロレンソHonda16
155J.ザルコKTM10
1663F.バニャイアドゥカティ9
1736J.ミルスズキ8
1888M.オリベイラKTM8
196ステファン・ブラドルHonda6
2029A.イアンノーネアプリリア6
2155H.シャーリン KTM2
2253T.ラバトドゥカティ2
2317K.アブラハムドゥカティ0
2438B.スミスアプリリア0

コンストラクター

順位 コンストラクター 総合ポイント
1Honda101
2ドゥカティ90
3ヤマハ78
4スズキ75
5KTM31
6アプリリア26

チーム

順位 チーム 総合ポイント
1Ducati Team144
2Repsol Honda Team111
3Monster Energy Yamaha Moto102
4Team SUZUKI ECSTAR83
5LCR Honda63
6Petronas Yamaha SRT59
7Pramac Racing51
8Red Bull KTM Factory Racing41
9Aprilia Racing Team Gresini28
9Red Bull KTM Tech 310
11Reale Avintia Racing2

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