Vol.199 Round 19

ペドロサのキャリア最後のレースを、Hondaは2年連続三冠達成で締めくくる

2018年のシーズン最終戦バレンシアGPが11月16日~18日の3日間、「サーキット・リカルド・トルモ」で行われ、Repsol Honda Teamが2年連続9回目のチームタイトルを獲得しました。これでHondaは、マルク・マルケスのライダーズタイトル、Hondaのコンストラクターズタイトルに続き、2年連続で三冠を達成しました。

今大会は、レースウイークを通じて雨の影響を受け、決勝も断続的に降る強い雨の影響で転倒者が続出し、27周のレースは13周を終えて赤旗中断。14周で再開されたヒート2では、今大会を最後に引退するダニ・ペドロサが5位でフィニッシュ。その結果、Repsol Honda Teamは、ドゥカティ・チームに46点差をつけてタイトルを獲得しました。

第16戦日本GPで3年連続5回目のライダーズタイトルを獲得し、ホームGPに凱旋したマルク・マルケスは、予選5番手から3番手に浮上した7周目の9コーナーでハイサイドで転倒し、リタイアという残念な結果に終わりました。しかし、シーズン9勝という圧倒的な強さを発揮してタイトルを獲得したマルケスは、最終戦でもチャンピオンらしい攻めの走りでファンを魅了しました。

毎年、10万人を越える大観衆がサーキットに駆けつけるバレンシアですが、今年も雨の中、9万7000人が来場し、熱戦を見守りました。3冠達成というすばらしい内容でシーズンを締めくくったHonda。アルベルト・プーチ監督が最終戦の戦いを振り返ります。

―バレンシアGPの戦略はどういうものでしたか?

「スタートしてからマルクは、レースウイークを通して刻んできたペースを維持していくことが一番の目標でした。彼には速いペースがありましたが、今日はそれを発揮することができませんでした。マルクはグリッドで、ミディアムリアタイヤでレースをすることを決断します。その方がいいと思ったからです。彼はいつも自分でタイヤを選びます。そして、だいたいは正しい選択となるのですが、今日の選択はベストなものではありませんでした。そのことをマルク自身、自覚しています。残念な結果でしたが、これが世界の終わりというわけではありません。ダニは強いレースをしました。表彰台でフィニッシュできそうに見えましたが、最後は少し苦戦しました。しかし、いいレースをしました。いい一年の締めくくりとなりました」

―今大会のポジティブポイントとネガティブポイントがあれば教えてください。

「全体的にポジティブだったのは、すでにライダーズタイトルとコンストラクターズタイトルを獲得していたことです。そしてチームチャンピオンシップでも勝利を収めることができました。これで三冠を達成しました。これからもモチベーションを高く持ち、引き続き進んでいきます。新しいライダーや新しいチームメンバーとともに新しい道を探さなければなりません。これはチームとして引き続き発展していく機会になります」

―ピットウォールから見ていた感想は?

「雨はいつだってすべてのことを難しくしますが、今日は雨量が刻々と変化し、奇妙なレースでした。レースを中断し、再スタートしたことは正しい判断でした。マルクは大きな転倒をしましたが無事でした。ダニはチームタイトルのために重要なポイントを獲得しました」

―今大会のインサイドストーリーを教えてください。

「今週末はダニのMotoGP最後のレースだったので、我々にとっても特別な週末でした。彼の家族やチーム、友人、スポンサーとともに特別なお別れパーティーを開きました。彼はMotoGPレジェンドとして殿堂入りを果たしましたが、彼のすばらしいキャリアはそれにふさわしいものです」


1949年にスタートしたグランプリの歴史で、シーズン19戦は最多回数となりました。3月にカタールで開幕し、11月のバレンシアGPまでHonda勢は、一戦一戦に集中し、ベストを尽くしてきました。

その結果、Hondaとして、8人目のチャンピオンであるマルケスが、通算20回目(メーカー別で1位)、Hondaライダーとしてはミック・ドゥーハンに並ぶ自身5回目のチャンピオンを獲得しました。最高峰クラスで3年連続24回目となるコンストラクターズタイトル獲得もメーカー別1位。今年はMoto3クラスでも2年連続18回目のタイトルを獲得し、全クラス通算で最多となる、69回目のコンストラクターズタイトル獲得となりました。そして、Repsol Honda Teamが9回目のチームタイトルを獲得、ルーキーのフランコ・モルビデリがルーキー・オブ・ザ・イヤー獲得と、Hondaにとってはすばらしい一年となりました。

最終戦を終えたバレンシアでは、2019年シーズンに向けて早くも公式テストが始まります。マルケスの6回目のタイトル獲得。そして、3年連続三冠に向けて、Hondaは全力を尽くします。

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