MENU

HONDA

検索
SPOTLIGHT -中上貴晶-
記事提供:ライディングスポーツ
Racing Diary
Vol.022018.10.12

第5戦フランスGPでは4戦連続入賞を果たす
第7戦カタルニアGP、第8戦オランダGPは予選の好グリッドを結果に繋げられない悔しいレースとなった

中上貴晶

第5戦フランスGPでは4戦連続入賞、チームにとってのホームとなった
第6戦イタリアGPでは、転倒後も最後まであきらめなかった

第5戦フランスGPと第6戦イタリアGPは、不完全燃焼のレースでした。

フランスGPは、初日のフリー走行で大転倒。走り出しからリアのグリップがあまりよくなかったので、コーナーでは慎重にアクセルを開けていたのですが、12コーナーであっという間にハイサイドで投げ出されました。Moto2時代もほとんどハイサイドを経験していないので、本当に久しぶりでした。かなりの高さから路面に落ち、右足を強打。最初は折れたかと思うくらい痛かったのですが、幸い、大きなケガにはならずラッキーでした。

フランスはストップ&ゴーのレイアウトで、ウイング効果があるというので、今大会初めて実戦でエアロ効果のあるカウルで走りました。ワークスチームはエアロ効果の大きいカウルですが、僕が使ったのはダニが使っているエアロ効果の小さいカウルとほぼ同じ。しかし、「え、これで?」と思うような大きさでも十分に効果を感じました。エアロ効果のないカウルに比べると、ウイリーしていくときの感覚がスムーズでとても乗りやすいです。

今回はタイヤの選択が非常に難しく、土曜日の予選は風が強く、タイヤの温度をキープするのがたいへんでした。加えて、右足の痛み止めを飲んで走らなければならず、結果的に19番グリッド。決勝では、スタートでクラッチのフィーリングがあまりよくなくて、スタートはよかったものの、そこからの加速がうまくいかず、ポジションを上げることができませんでした。しかし、これまで課題だったフルタンクのフィーリングと序盤のペースが大きく改善され、序盤はなかなかいいペースで走れていたと思います。レース中盤からはフロントタイヤのフィーリングが厳しくなり、ペースを抑えなくてはならず、15位という結果でした。4戦連続ポイント獲得とはいえ、フラストレーションの残るレースでした。

中上貴晶

続くイタリアGPは、フリー走行はまずまず順調で、ダイレクトでQ2進出も狙えると思ったのですが、ソフトタイヤのパフォーマンスをうまく引き出せず18番グリッドでした。今回はチームのホームグランプリでゲストも多く、いい結果を見せたかっただけに残念でした。追い上げのレースをしようと思った決勝では、スタート直後の2コーナーでバランスを崩したダニにぶつけられて転倒してしまいました。あとで映像を見ると、ダニはバウティスタと接触してバランスを崩していたようで、とても残念でした。

転倒したあとはエンジンがなかなかかからなかったのですが、なんとか再スタートしてピットに戻りました。チームは、マシンが破損しているしリタイアを勧めてきましたが、悔しかったので、チェックしてもらって再スタートしました。再スタートしてからのペースは悪くなかったし、転倒がなければ、自分の期待以上の結果を残せたかもしれません。フランス、イタリアと残念な結果でしたが、自分としてはRC213Vを着実に攻略しているし、前進を実感できるレースでした。

グランプリに来てから初めて、モーターホームでの生活も体験しました。フランスもイタリアも夜になってもにぎやかで、一晩中、あっちこっちから聞こえてくるエンジンなどの騒音にびっくり。初めて耳栓をして寝ました。でも、朝の渋滞などを考えなくていいし、レースに集中できる環境としては、悪くない暮らしでしたね。

中上貴晶

第7戦カタルニアGP、第8戦オランダGPでは
予選の好ペースを結果に繋げられず、悔しいレースに

第6戦イタリアGPで不運の転倒を喫してから以降の数戦は、レース結果だけを見ればあまりいい流れとは言えませんでした。第7戦カタルニアGPは5コーナーでフロントからスリップダウンして転倒リタイア。続く第8戦オランダGPは、タイヤの選択が路面コンディションに合わず、またしてもノーポイントの19位でした。

フリー走行、予選の流れだけで言えば、カタルニアGPでは初のQ2進出を果たし、オランダGPもあと一歩でQ2進出の13番手。スピードという点では確実に前進できていると思いながらも、その走りがなかなか結果につながらない悔しいレースとなりました。

中上貴晶

カタルニアGPは2年ぶりに旧レイアウトになり、路面も改修されたことで全体的にタイムが短縮しました。路面温度が高く、その影響でHonda勢全体がやや苦戦している中で12番グリッドを獲得。カル10番手、ダニ11番手と、ワークスマシンに乗る2人と同じ4列目からの決勝になりました。

自分にとってはすごくいいチャンスだと思いました。タイヤに厳しいレースになるので、後半にかけてタイムの落ち幅が少ない自分にとってはいいパフォーマンスを見てもらえると思いました。しかし決勝は、フリーや予選に比べてフィーリングがあまりよくなく、前を走るスミスを抜こうとしたときに、あっという間にフロントがなくなり転倒しました。予選を終えたときに想定していた走りはなに一つできなかったし、スミスにも申し訳ない気持ちだし、本当に残念なレースでした。

続くオランダGPは中高速コーナーが連続するコースレイアウトなので、それまでで最も厳しいレースになりました。予選はこれまで経験したことがない厳しいもので、Q1トップのザルコから6番手のミラーまでがなんと0.094秒差。0.1秒差にも満たない差に6人がいるという本当に信じられない接戦となり、その中でわずかの差でQ2進出を逃しました。Q1には、ザルコ、ダニ、ミラーと予選に強い選手が何人もいたし、その中での3番手タイム。惜しくもQ2には進出できませんでしたが、大接戦に加われたという点では、大きな自信になりました。

中上貴晶

そして迎えた決勝は、タイヤの選択がとても難しいものでした。ソフトでもハードでもいけるという状態で、自分はハードを選びました。タイヤの選択には間違いはなかったと思うのですが、思っていたようなグリップが得られず、そのためにペースも上がらず19位という結果でした。

悔しいレースが続きましたが、カタルニアGP、そしてオランダGPのあとにはそれぞれ一日ずつ、鈴鹿サーキットで行われた8耐テストに参加しました。昨年のマシンに比べてフィーリングは大きく改善されていましたし、パフォーマンスの高さを感じました。なによりも10年ぶりに復活したHondaファクトリーの一員として選ばれたことがとても光栄でした。

中上貴晶

≪ Vol.1

Vol.3