SIC58 Squadra Corseの鈴木竜生は、強い決意でMoto3クラスでの4年目のシーズンを迎えました。鈴木は昨年にHonda陣営の一員としてNSF250RWで戦いはじめると、めきめきと頭角を現し、7戦でトップ10フィニッシュを達成。レース中には何度もトップグループを争いましたが、バトルの最中には優勝争いをする選手たちに対して、少し引いてしまうこともあったと言います。
「自分でもその部分は意識して、少しずつ変えていくように努力してきました。今年は、昨年の上位陣だったライダーたちのほとんどがMoto2クラスに上がっているので、その空いたところに自分が入れていると思います。ウインターテストでは過去になかったような上位の位置でコンスタントに走れていたので、それを見ても、明らかに今年は昨年よりもいい位置で走れる手応えをつかんでいます。ただ、昨年はそう思って気負うあまり、転んでしまうことも多かったので、今年はバランスを保ってシーズンを戦ってきたいです」 この言葉にもある通り、昨年のレースではせっかく上位陣を争いながらも転倒し、ノーポイントに終わってしまうことが何度かありました。このせっかちさについて、鈴木は生来の性格だと話します。
「子どものときから食べるのも早いですし、なんでもかんでも早いんですよ(笑)。レースでも、バトルに集中するとついこのクセが出てしまうことがありました。今年はそれをしっかりと意識し、自分自身を抑えていかなければならないと思っています」
その反面、何戦も上位グループを争えたことで、自信を深めることにつながった、とも言います。
「最初の2年間は微妙なポジションで、あまりいい位置で走ることができませんでした。昨年は初めて上位を争えるマシンで走ることができて、シーズン序盤には転倒も多かったのですが、トップ10圏内で安定して走れたし、上位集団にいる機会も多かったので、かなり自信になりました」
2018年シーズンの目標は、常にトップ5を走ることです。
「昨年の目標はトップ10につけていることだったのですが、そんなに甘くないことは存分に思い知らされました。だから、決して安易なことを言うつもりはないのですが、やはり目標は常にトップ5にいることです。トップ15を目標にした次はトップ10で、その次はトップ5、というのは順当な目標設定だと思います。あとは、できるだけ早く表彰台に上がりたいですね」
開幕戦のフリープラクティスで転倒し、右手首を負傷した鈴木は、決勝レースを欠場し、次のアルゼンチンGPでも苦戦を強いられました。しかし、体調が戻ってきた第3戦アメリカズGPでは9位、第4戦スペインGPでは、最初から最後までトップグループで争い6位でゴール、と少しずつ本来の調子を取り戻しています。
念願の表彰台は、どうやらもう目の前まで近づいていると言えそうです。