Round07カタルニアカタルニアGP

MotoGP プレビュー

会場:バルセロナ・カタルニア・サーキット

ランキングトップのマルケスがホームグランプリで今季4勝目を目指す

第7戦カタルニアGPが、6月15日(金)~17日(日)の3日間、スペイン・バルセロナ郊外のバルセロナ・カタルニア・サーキットで開催されます。このサーキットでグランプリが開催されるのは今年で27回目。カタルニアGPとしては23回目を迎えます(1992~95年はヨーロッパGP)。

バルセロナでは1950年代と60年代に、モンジュイックで公道を利用したスペインGPが開催されていました。61年には、125ccクラスでトム・フィリスがHondaのグランプリ初優勝を達成。バルセロナは、Hondaにとってグランプリにおける栄光の第一歩を踏み出した記念すべき場所となりました。2001年には、この年の開幕戦日本GP(鈴鹿サーキット)で達成したHondaグランプリ通算500勝の祝賀会がバルセロナで行われました。15年のインディアナポリスGPでは、マルク・マルケス(Repsol Honda Team)による勝利で通算700勝目、今年の第2戦アルゼンチンGPでは、カル・クラッチロー(LCR Honda CASTROL)が通算750勝目を達成。第6戦イタリアGPを終えてHondaは、通算755勝へと優勝数を伸ばしています。

スペインでは、スペインGP(ヘレス)、カタルニアGP(バルセロナ)、アラゴンGP(アルカニス)、バレンシアGP(バレンシア)と、年4戦が行われています。バルセロナ出身のライダーが多いこともあり、カタルニアGPは、毎年大きな盛り上がりをみせています。

バルセロナ・カタルニア・サーキットは、15年までは一周4.727kmでしたが、17年はコース終盤のレイアウトが変更されて4.655kmに短縮されました。今年は最終セクションの安全性を高める改修工事が終了、4.627kmに変更となりました。5月下旬に行われた公式テストでは、路面改修の効果もあり大幅にタイムが短縮されました。

Repsol Honda TeamにとってカタルニアGPは、スポンサーのRepsol、そして最高峰クラスで5回目のチャンピオンを狙うマルケスと、初タイトルに挑み続けているダニ・ペドロサにとっても、ホームグランプリとなります。

6戦を終えて3勝を含む4回の表彰台で総合首位に立つマルケスは、ホームGPで今季4勝目に挑みます。前戦イタリアGPでは、予選6番手から決勝ではトップグループに加わりますが、転倒を喫し最下位にダウン。再スタートを切って追い上げますが16位とノーポイントに終わりました。今大会はその雪辱に挑みます。

マルケスは、125cc時代の10年にカタルニアGP初制覇を達成しました。Moto2クラス時代は、11年に2位、12年に3位と表彰台に立ちました。そして、MotoGPクラスでは13年に3位、14年に優勝。15年は優勝争いに加わりながら転倒リタイア。16年と17年は、2年連続で2位。今年5月に行われた公式テストでは順調にセットアップを進め、4年ぶりの優勝と今季4勝目の期待が膨らみました。

チームメートのペドロサもホームグランプリに闘志を燃やしています。今年は6戦を終えて、まだ表彰台に立っていません。前戦イタリアGPでは、タイヤのマッチングに苦しんで予選20番手。決勝もオープニングラップに転倒と残念な結果に終わっています。ペドロサは6戦を終えて総合12位と厳しいポジションですが、地元ファンの声援の中で今季初表彰台、初優勝を目指します。

ペドロサは、カタルニアGPでは、03年に125ccクラス、05年に250ccクラスで優勝。最高峰クラスでは08年に優勝しています。以後、地元ファンの熱狂的な応援を受けながら、カタルニアGPに挑み続けてきました。09年はケガの影響で6位でしたが、10年は2位。11年はケガのために欠場するも、12年、13年は連続で2位。14年はし烈な優勝争いに加わって3位。15年は右腕の手術でシーズン前半を欠場しましたが、カタルニアGPではシーズン初の表彰台となる3位でフィニッシュし、ファンを喜ばせました。そして16年、17年と連続で3位表彰台を獲得。今年は08年以来の優勝に挑みます。

6戦を終えて総合8位のクラッチローは、第2戦アルゼンチンGP以来となる優勝と表彰台を目指します。前戦イタリアGPではタイヤと車体のマッチングに苦しみながら6位でフィニッシュ。5月下旬の公式テストでは成果ある内容でテストを終えているだけに今大会の活躍に注目されます。

ルーキー勢も今季ベストリザルトに闘志を燃やしています。6戦を終えて5回のポイント獲得を果たしているフランコ・モルビデリ(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)は、前戦イタリアGPでは初のQ2進出を果たし決勝は15位。今大会は2戦連続でQ2進出を果たし、予選の結果を決勝でも発揮する意気込みです。総合19位の中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)は、前戦イタリアGPでは後続車との接触で転倒。再スタートを切るも18位という悔しい結果に終わっています。今大会はその雪辱に挑みます。トーマス・ルティ(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)も前戦イタリアGPで転倒リタイア。依然としてポイント獲得を果たせていませんが、着実に調子を上げているだけに今大会は初ポイント獲得に挑みます。

コメント

マルク・マルケス(MotoGP 総合1位)
「地元ファンの前でレースができることは、いつだってとてもうれしいことです。日曜日の決勝では、ファンにエキサイティングなレースを見てもらえるようにがんばります。ホームグランプリは、いつも独特な雰囲気で特別なエネルギーを与えてくれます。数週間前にはカタルニアでテストを行いました。新しくなった最終セクションと再舗装された路面をチェックすることができました。再舗装されたコースはとてもよかったと思います。もしF1マシンがいくつかのブレーキングポイントでバンプを作っていたとしても、グリップはとてもよく、気持ちよく走ることができました。縁石は、このサーキットで最も難しい部分の1つです。インサイドの縁石はとても高くて、自分のライディングスタイルを合わせるのが少し難しいです。いいサーキットなので、ベストを尽くして再び表彰台争いをしたいです」

カル・クラッチロー(MotoGP 総合8位)
「数週間前にバルセロナでテストをしました。新しい路面、元のレイアウトにもどされたコース、そして今大会に供給されるタイヤから何を期待できるのかが分りました。このサーキットでは、これまでいい結果を残したことはありませんが、今年はここまでのところ、どこでも速さがあります。そのため今週末もバトルができると思います。チームはいい仕事をしています。レースウイーク中と月曜日のテストで、マシンをもっとよくしていきたいと思います」

ダニ・ペドロサ(MotoGP 総合12位)
「カタルニアGPは、家族、ファン、友人が来てくれるので、いつも特別なレースです。すばらしい雰囲気とすばらしいフィーリングがあります。タイヤに厳しいレイアウトですが、とてもいいサーキットです。いいグリップを得るためにサスペンションと車体のセットアップにしっかり取り組む必要があります。というのも、このサーキットは、常にマシンを寝かせて走っているからです。今年は最終セクションがオリジナルのレイアウトに戻りました。最終セクションのすばらしく、美しいダウンヒルコーナーが帰って来ました」

フランコ・モルビデリ(MotoGP 総合17位)
「バルセロナはとても好きなサーキットです。Moto2時代はとても速く走ることができました。レースウイークが始まるのが楽しみです。ムジェロではプラクティスでいい走りができたのですが、決勝では多くの問題が出ました。今大会はムジェロのような問題が出ないように、引き続きセットアップに一生懸命取り組みます」

中上貴晶(MotoGP 総合19位)
「今週末はポイント圏内に戻りたいです。ムジェロでは転倒してしまい、連続ポイント獲得が途絶えてしまったのが残念でした。ムジェロはタイヤのパフォーマンスを引き出すのが難しく、たいへんなレースウイークでした。今週末のカタルニアGPは、事前テストをしているので準備はできています。テストのラップタイムにも満足しています。次はテストで学んだことを予選とレースで活かし、自分自身とチーム、そしてスポンサーのためにベストを尽くしたいです」

トーマス・ルティ(MotoGP 24位)
「バルセロナが楽しみです。引き続き前進していきたいです。前戦イタリアGPは転倒リタイアに終わりました。そして、今週のカタルニアGPでは、事前テストをしていないので、できるだけ早くセットアップを進めたいです。レースウイークを通していい天気になって欲しいです。そして、すべてのプラクティスセッションで速いライダーたちに近付けるよう、できる限りたくさん走りたいと思います。ポイント圏内でフィニッシュできるようにがんばります」

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