round 18

November 9/10/11 2012 MotoGP Gran Premio Generali de la Comunitat Valenciana 第18戦 バレンシアGP

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バレンシアGPプレビュー

2012年シーズンの最終戦となる第18戦バレンシアGPが、11月9日から11日までの3日間、バレンシア郊外にあるバレンシア・サーキットで開催されます。1999年に第1回大会が開催されてから今年で14度目の開催となります。2002年からは最終戦の舞台として定着し、今年もシーズン締めくくりの大会として行われます。

バレンシアGPプレビュー

バレンシア・サーキットは、一周4.005kmのテクニカルコース。左回りで低中速コーナーが連続し、メインストレートを除き、常にマシンがどちらかにバンクしていて、難易度の高いレイアウトになっています。また、バレンシアはウインターテストの舞台として定着しているため、どのチームもデータは豊富で、毎年初日からレベルの高い戦いが繰り広げられます。MotoGPクラスでは、過去13大会でHonda勢は6勝を挙げています。今年は、バレンシアGP2年連続制覇と通算7勝目を狙う大会。そして、シーズン12勝目に挑みます。

昨年の大会で優勝しているケーシー・ストーナー(Repsol Honda Team)は、ホームGPとなった前戦オーストラリアGPで今季5勝目を挙げました。ケガからの復帰3戦目の勝利。ホームGPで6連覇を達成した勢いで、今大会では2連勝とシーズン6勝目を狙います。

今年で引退を表明しているストーナーにとっては、これが最後のグランプリとなります。「前戦のような走りができるかどうかは分かりません」と語るストーナーですが、08年から4年連続でポールポジション(PP)を獲得し、08年と11年に優勝しています。引退レースとなる今大会は、5年連続のPPと3度目のバレンシアGP優勝を達成して、有終の美を飾る意気込みです。

ストーナーは、125cc時代の03年にバレンシアで初優勝を達成しています。以来、ストーナーは通算45勝を挙げ、最高峰クラスの通算38勝は、バレンティーノ・ロッシ、ジャコモ・アゴスチーニ、ミック・ドゥーハンに次ぐ歴代4番目の記録となっています。今年はケガのために3度目のタイトル獲得は果たせませんでした。しかし、ストーナーの速さは、世界中のレースファンのハートをつかんでいます。ストーナーのラストランに世界中が注目することになります。

前戦オーストラリアGPで痛恨の転倒を喫し、逆転タイトルを果たせなかったダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)は、気持ちを切り替えて、最終戦に挑みます。今年は17戦を終えて6勝、10年シーズンの4勝を上回り、自己ベストとなるシーズン最多勝利記録を更新しました。念願のタイトル獲得は今年も果たせませんでしたが、最終戦バレンシアGPでは、ホルヘ・ロレンソ(ヤマハ)の6勝を上回るシーズン最多勝利の7勝目を狙う意気込みです。

ペドロサはこれまでバレンシアでは、125ccクラスで1勝、250ccクラスで2勝、MotoGPクラスでは、07年と09年に優勝しています。3クラスで過去5勝を挙げているペドロサだけに、最終戦では、地元ファンの声援に応える意気込みです。昨年は不安定な天候の中で表彰台を逃しましたが、今年はストーナーとの優勝争いが期待されます。

Repsol Honda Teamは、すでにチームタイトルを獲得しています。コンストラクターズタイトルも2位に21点差をつけて王手をかけました。Hondaにとって、最終戦バレンシアGPでは、2年連続、そしてHondaが持つ18度の最多優勝記録の更新となる通算19度目のコンストラクターズタイトルを狙います。

ホームGPを迎えるアルバロ・バウティスタ(Team San Carlo Honda Gresini)は、第13戦サンマリノGP、第15戦日本GPの3位に続き、今季3度目の表彰台を狙います。これまでバレンシアでは、125cc時代に1度、250cc時代に2度の表彰台に立っています。最高峰クラスでHondaチームにスイッチした今年は、17戦を終えて総合5位。初PP、2度の表彰台獲得と大きく成長しました。最終戦は、総合6位のロッシ(ドゥカティ)、総合7位のカル・クラッチロー(ヤマハ)と激しい総合5位争いになることは間違いありません。しかし、地元ファンの声援に応え、総合5位をキープし、今季3度目の表彰台に闘志を燃やしています。

ルーキーで総合8位のステファン・ブラドル(LCR Honda MotoGP)は、これまで、バレンシアでは思ったようなリザルトを残せていません。しかし、今年の成長を確かめる上でもバレンシアGPはブラドル自身も期待する大会となりそうです。

CRTマシンで出場のミケーレ・ピロ(Team San Carlo Honda Gresini)は、得意のコースに気合を入れます。昨年の大会では、Moto2クラスでグランプリ初優勝を達成しています。今大会は、CRT勢トップを狙います。

Moto2クラスは、前戦オーストラリアGPでシーズンタイトルを獲得したマルク・マルケス(Team Catalunya Caixa Repsol)の凱旋レースとなります。昨年はケガのために欠場しましたが、2年ぶりのバレンシアGPとなるマルケスは、すべてのプレッシャーから解放されて、今季9勝目に挑みます。マルケスにとっては、これがMoto2クラス最後のレース。来季は、Repsol Honda TeamからMotoGPクラスにチャレンジします。Moto2クラス最後のレースを、最高のリザルトで終える意気込みです。

総合2位が確定しているポル・エスパルガロ(Tuenti Movil HP 40)も、ホームGPのバレンシアGPで今季5勝目を狙います。バレンシアでは、125cc時代に2度の表彰台に立っているエスパルガロは、来季もMoto2クラスに参戦することが決まっています。来季のタイトル獲得に向けて、最終戦を優勝で飾る意気込みです。

総合3位はアンドレア・イアンノーネ(Speed Master)です。また、総合4位のトーマス・ルティ(Interwetten-Paddock)と総合5位のスコット・レディング(Marc VDS Racing Team)の、総合4位争いもし烈。最終戦のバトルに注目が集まります。

日本人勢も、総合16位の中上貴晶(Italtrans Racing Team)が念願の初表彰台、さらに初優勝に闘志。高橋裕紀(NGM Mobile Forward Racing)、小山知良(Technomag-CIP)も最終戦でポイント獲得を狙います。

Moto3クラスは、総合3位のマーベリック・ビニャーレス(Blusens Avintia)が、ホームGPで今季6勝目と総合2位を狙います。総合4位のアレックス・リンス(Estrella Galicia 0,0)と、総合5位のロマノ・フェナティ(Team Italia FMI)の総合4位争いとルーキー・オブ・ザ・イヤーの戦いもし烈です。その差は5点。今季、成長著しい2人のルーキーの戦いが注目されます。前戦オーストラリアGPで2位となり、今季2度目の表彰台に立ったミゲル・オリベイラ(Estrella Galicia 0,0)は初優勝に闘志。藤井謙汰(Technomag-CIP-TSR)も、最終戦でポイント獲得を目指します。

コメント

ダニ・ペドロサ(MotoGP ランキング2位)「バレンシアの観衆の前でレースをすることをとても楽しみにしています。バレンシアは昨年の最終戦以来で、1年ぶりです。バレンシアのすばらしい雰囲気に、再び触れられることがとても楽しみです。今大会はシーズン最後のレースですから、家族や友人、そして僕をサポートしてくれる人たちがたくさん応援に来てくれます。そうした理由から、いつもバレンシアのレースは自分にとって特別な大会になります。バレンシアは楽しいサーキットです。これまでもいい結果を残してきたサーキットですし、今週末も特別な週末にしたいと思っています。優勝争いをすることはもちろんですが、表彰台の一番高いところでシーズンを終えたいと思っています」

ケーシー・ストーナー(MotoGP ランキング3位)「前回のフィリップアイランドに続き、バレンシアでもいいレースができるかもしれません。フィリップアイランドほどではないですが、バレンシアでもこれまですばらしいリザルトを残してきました。ポールポジションをたくさん獲得しましたし、何度も優勝しています。今年も優勝争いができることを願っています。また、バレンシアは左回りのサーキットなので、完治していない右足にも優しいレイアウトになっています。優勝することは簡単ではありませんが、MotoGP最後のレースをいい結果で終えられたら、とてもうれしいです」

アルバロ・バウティスタ(MotoGP ランキング5位)「日本GPからオーストラリアGPまでの3連戦では、1度表彰台に上り、チャンピオンシップでも5位につけることができました。チームとの新しい契約にもサインしました。この3連戦ではベストを尽くせましたので、満足しています。バレンシアはシーズン最後のレースであり、ホームGPなのでいつも特別な大会になります。総合5位をキープするためにも、金曜日からのレースを一生懸命がんばりたいと思います。バレンシアはとてもテクニカルなコースです。マシンは常に寝ていますし、切り返しも多いです。今年は路面が新しいと聞いていますので、グリップの感触を確かめたいと思います。バレンシアはあまり得意なサーキットではありませんが、過去に何度か表彰台に立っています。ですから、今年も表彰台に立てるよう全力を尽くします」

ステファン・ブラドル(MotoGP ランキング8位)「バレンシアはこれまで完走したことがないサーキットの一つです。今年は、LCR Honda MotoGPで、そのジンクスを打ち破りたいと思っています。僕がMotoGPのキャリアをスタートさせたのは、1年前のバレンシアでした。チームマネジャーのルーチョ(チェッキネロ)が走るチャンスを与えてくれました。今年はエンジンが1000ccになっていますので、『昨年とは走りの感触が全く違うだろうな』と思っています。ですが、昨年のデータは役に立つと思いますし、初日から全力で挑みたいと思います。3連戦を終えて、少しだけですが、家に帰って休養をとることができました。フィリップアイランドでは4位争いに加わって最終戦を前に大きな自信を得られました。いい結果を残して、チャンピオンシップを終えたいと思っています」

ミケーレ・ピロ(MotoGP ランキング15位)「3連戦では、CRTのチャンピオンシップ3位とルーキートップを確固たるものにすることができました。マレーシアGPはもし雨が降らなかったら、またオーストラリアGPでは問題が発生しなければもっといい結果を残せたと思います。3連戦は満足できるものになりました。バレンシアは昨シーズンのMoto2のレースで優勝しています。今年もまたいい形でシーズンを終えたいと思っています」

マルク・マルケス(Moto2 ランキング1位)「バレンシアは好きなサーキットですので、100%の力を出したいと思っています。タイトル争いは終わりましたので、今までのようなプレッシャーもありません。今大会はタイトルを獲得して、初めてスペインのファンの前で走る重要なレースになります。バレンシアでは表彰台に立ったことがありませんので、今年はいいリザルトを残したいです。バレンシアはいつだって、勝ちたいと思うレースです」

ポル・エスパルガロ(Moto2 ランキング2位)「バレンシアのレースはおもしろくなると思っています。マルク(マルケス)はチャンピオンですから優勝するために全力を尽くすでしょうし、僕も優勝してシーズンを終えたいですからね。今年はヘレスとアラゴンで優勝していますので、今回も地元ファンの前でシーズン5度目の優勝を狙います。今回もいつものように毎周全力でがんばります。そして自分の目標を達成できることを願っています。友人や家族、そしてファンの期待に応えたいと思っています」

アンドレア・イアンノーネ(Moto2 ランキング3位)「フィリップアイランドは、残念ながらテクニカルな問題でストップしなければなりませんでした。唯一ポジティブにとらえられることは、週末を通していい走りができたことです。バレンシアGPはMoto2最後のレースになりますので、いい結果で終えたいです。ワールドチャンピオンシップも、このまま3位で終えたいと思っています。来年はMotoGPにステップアップするので、これまで一緒に戦ってきたチームのためにがんばります」

中上貴晶(Moto2 ランキング16位)「前戦のオーストラリアGPがすごく悔しかったので、最終戦はそうした思いをすべてぶつけたいと思っています。今年はトップを走れるようになりましたが、なかなか結果に結びつけることができません。表彰台に立つことと、優勝することを目標にがんばってきました。今年は、それがまるで届かない目標ではない、という自信を得ることができました。バレンシアはスペイン選手権時代から走っているサーキットです。テストもやっていますし、来年につなげていくためにも、いい結果を出して一年を終わりたいと思っています」

高橋裕紀(Moto2 ノーポイント)「後半に入って着実にマシンのセッティングがよくなっています。ここ数戦は着実にポイント圏内を走れています。現状では、目指す目標がポイント獲得というのが自分でも残念ですが、それくらい今年は苦しく厳しいシーズンでした。このような状態で、表彰台を目指すという目標は掲げることはできません。しかし、気持ちだけは表彰台に立てるようにがんばろうと思っています。昨年はポールポジション争いをしました。決勝は転倒してしまいましたが、得意なサーキットです。今年はしっかり完走して終わりたいと思います」

小山知良(Moto2 ノーポイント)「サンマリノGPから出場して、これで6戦目になります。正直に言って、自分ではもっといいリザルトを期待していましたが、ここまでポイントの獲得もできていません。どのチームもマシンのセッティングが決まっている後半戦なので、僕のように一からセットアップしている状態ではさすがに厳しいものがありました。しかし、確実にポイント圏内は見えていますし、大接戦といわれるMoto2クラスの中でやっと戦えるようになりました。最終戦はとにかく全力を尽くすだけです。ポイント圏内の中で一つでも上を目指します」

マーベリック・ビニャーレス(Moto3 ランキング3位)「今年最後のレースとなりましたが、総合2位を獲得するために全力を尽くします。最終戦なので、みんな同じ気持ちで挑むと思いますし、決して楽な戦いではないと思いますが、ファンの期待に応えたいと思っています。バレンシアはテクニカルコースなので、マシンのセットアップも重要になります。モチベーションは上がっていますし、いいレースができると確信しています。総合2位という自分たちの目標に向けてがんばります」

アレックス・リンス(Moto3 ランキング4位)「最終戦での(ロマノ)フェナティとのルーキー・オブ・ザ・イヤーの戦いを楽しみにしています。バレンシアはよく知っているサーキットなので、いい走りをする自信もあります。ここ数カ月で路面が再舗装されたと聞いていますので、グリップもよいと思います。ウインターテストでも好調だったサーキットですから、開幕を楽しみにしています」

ロマノ・フェナティ(Moto3 ランキング5位)「バレンシアはテストで走っていますし、好きなサーキットです。最終戦は総合4位とルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得するためにがんばりたいと思います。今年最後のレースで、とにかくベストを尽くします」

ミゲル・オリベイラ(Moto3 ランキング7位)「オーストラリアGPで表彰台に立てましたので、モチベーションは上がっています。このサーキットはこれまでいい思い出がたくさんありますので、楽しみにしています。スペインで走ることはポルトガルで走ることとほとんど同じですので、やりやすいと思います。ファンの期待に応えたいと思っています」

藤井謙汰(Moto3 ノーポイント)「シーズン最後のレースですから、悔いのない走りをしたいです。バレンシア・サーキットは、スペイン選手権とテストで走りを経験しています。シーズン中盤以降は、初めて走るサーキットが多かったので、久しぶりに経験のあるサーキットでのレースになります。今年はポイントを獲得していないので、ポイント獲得はもちろんのこと、一つでも上を目指してがんばります」