round 17

October 26/27/28 2012 MotoGP AirAsia Australian Grand Prix 第17戦 オーストラリアGP

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オーストラリアGPプレビュー

今季最もハードな遠征となる3連戦、日本GP、マレーシアGPに続く第17戦オーストラリアGPが、10月26日(金)から28日(日)の3日間、メルボルン近郊にあるフィリップアイランド・サーキットで開催されます。2年前の2010年と同じスケジュールでの転戦となり、チャンピオン争いが大詰めを迎えていることでも同じ展開となっています。

オーストラリアGPプレビュー

オーストラリアGPは今年で24度目。1989年にフィリップアイランド・サーキットで第1回大会が行われ、その後、シドニー郊外のイースタンクリークへと舞台を移しましたが、97年から再びフィリップアイランド・サーキットがグランプリの舞台となり、今年で16年連続(通算18度目)の開催となります。

フィリップアイランドは、メルボルン市内から約150kmの距離にあって、車で約2時間。東西約15km、南北約5kmの小さな島で、オーストラリア大陸とは橋でつながっています。島内にはコアラやペンギンの保護区があり、メルボルン近郊の観光スポットとしても知られています。

南半球のオーストラリアは、これから夏を迎えます。春から夏の到来を告げるフィリップアイランド・サーキットでのオーストラリアGPは、地元のレースファンの楽しみになっています。過去5年は、地元オーストラリア出身のケーシー・ストーナー(Repsol Honda Team)が5年連続で優勝しています。Hondaに移籍した昨年は、シーズン11度目のポールポジション(PP)を獲得し、26歳の誕生日を迎えた当日にシーズン9勝目を達成。あわせて、タイトル獲得を決めるというすばらしい大会となりました。

ストーナーは、今季を最後に現役を引退することを発表しています。そのため、今年が最後のオーストラリアGPとなります。それだけに、ストーナーの最後の走りを見ようと、フィリップアイランドが熱気に包まれることは間違いありません。

今年はシーズン中盤の第11戦インディアナポリスGPで右足首を負傷し、そのあとの3戦を欠場して、チャンピオン争いから後退してしまいました。しかし、ケガから復帰した第15戦日本GPで5位、前戦マレーシアGPでは6戦ぶりの表彰台を獲得して3位になっています。徐々に本調子が戻ってきているストーナーのラストランを見ようと、サーキットを埋め尽くす大観衆の前で、今季5勝目と、6年連続のオーストラリアGP制覇に闘志を燃やしています。

チームメートのダニ・ペドロサにとっても、今大会は、今季で最も重要な戦いになります。現在、総合ポイントで、総合首位のホルヘ・ロレンソ(ヤマハ)に23点差の2位。残り2戦で逆転チャンピオンを獲得するためにも、今大会はアラゴンGPからの4連勝と、シーズン7勝目を狙います。夏休み明けのインディアナポリスGPから6戦で5勝を挙げています。この3連戦でも、ドライコンディションの日本GP、雨の中で行われたマレーシアGPでライバルを圧倒しました。ドライでもウエットでもすきがなく、万全の状態で最高峰クラスでのオーストラリアGP初制覇を狙うことになります。

総合5位につけるアルバロ・バウティスタ(Team San Carlo Honda Gresini)は、日本GP以来の2戦ぶり今季3度目の表彰台を狙います。フィリップアイランド・サーキットでは、125cc時代の2006年に優勝し、125ccクラスのタイトル獲得を決めました。250cc時代には、07年、08年に2位表彰台を獲得しています。「125ccのチャンピオンを獲得したのはすばらしい思い出」と語るフィリップアイランドで、今季ベストリザルトを狙います。

初表彰台まであと一歩に迫っているステファン・ブラドル(LCR Honda MotoGP)も、フィリップアイランドに向けて気合を入れています。過去には、125ccクラスとMoto2クラスで2位表彰台に立っています。MotoGPクラスにチャレンジを開始した今年は、最高峰クラスの表彰台まであと一歩のレースが続いています。この数戦は、その気持ちが空回りして、転倒を喫する大会が続いていますが、今大会はしっかりと結果につなげる意気込みです。CRTマシンで出場のミケーレ・ピロ(Team San Carlo Honda Gresini)も、CRT勢のトップフィニッシュに気合を入れています。

Moto2クラスは、総合首位のマルク・マルケス(Team Catalunya Caixa Repsol)が、タイトルに王手をかけた状況でオーストラリアGPを迎えます。雨になった前戦マレーシアGPでは、フィニッシュすればチャンピオン決定というシチュエーションでしたが、痛恨の転倒を喫してタイトルは決まりませんでした。しかし、総合2位のポル・エスパルガロ(Tuenti Movil HP 40)に48点差。計算上では、今大会、エスパルガロが優勝しても、14位以上でフィニッシュすれば、自力でのチャンピオン獲得となります。今季8勝を挙げて、圧倒的な速さをみせてきたマルケスの走りが注目されます。

毎戦、大接戦となっているMoto2クラス。毎年、天候が不安定なオーストラリアGPですが、目まぐるしくコンディションが変わった昨年の大会も、予選は1秒差以内に15台が入る大接戦となりました。コンディションが安定すれば、それ以上の激戦になることが予想され、ファンを興奮させることは間違いありません。過去2年は、アレックス・デ・アンジェリス(NGM Mobile Forward Racing)が2年連続PPを獲得し、さらに2年連続で優勝しています。前戦マレーシアGPで今季初優勝したアンジェリスの走りに注目されます。

日本人勢は、中上貴晶(Italtrans Racing Team)が前戦マレーシアGPで転倒し、左足を負傷しましたが、現時点では出場する予定です。高橋裕紀(NGM Mobile Forward Racing)、小山知良(Technomag-CIP)も今季ベストリザルトに闘志を燃やしています。

Moto3クラスは、前戦マレーシアGPを欠場したマーベリック・ビニャーレス(Blusens Avintia)が復帰します。ビニャーレスは、前戦マレーシアGPの欠場で総合3位にポジションを落としましたので、総合2位を狙うレースとなります。総合4位のアレックス・リンス(Estrella Galicia 0,0)、総合5位のロマノ・フェナティ(Team Italia FMI)は、初めて経験するフィリップアイランドに闘志を燃やしています。藤井謙汰(Technomag-CIP-TSR)もポイント獲得を狙っています。

コメント

ダニ・ペドロサ(MotoGP ランキング2位)「フィリップアイランドはすばらしいサーキットです。特にMotoGPクラスのマシンでは、リアのスライドが普通に見ることができます。サーキットのレイアウトのおかげで、毎年、すばらしいレースとなっています。250cc時代の05年には優勝しています。最高峰クラスではまだ優勝していませんが、運に恵まれ、マシンがうまく機能することを期待しています。ここ数戦のように、いいレースができることを願っています」

ケーシー・ストーナー(MotoGP ランキング3位)「復帰してからの2戦は、マシンのセットアップにとても苦しみました。理由はいろいろありますが、ちょっと残念でした。フィリップアイランドでは、これまでいつもいいペースを見つけることができました。ですが、今年は楽に見つけられるとは思ってはいませんので、初日からしっかり走りたいと思っています。幸いにも、フィリップアイランドは左回りのコーナーが多く、チャタリングの問題も左コーナーではそれほどひどくはありません。また、素早い切り返しを必要とするコーナーもないので、右足をもう少しうまく使えるかもしれません。体力的には100%にはほど遠い状態です。完全に体力を取り戻すまでには、まだ時間が必要です。そのため、今週末はどんなレースができるのか分かりません。とにかく、ベストを尽くすだけです」

アルバロ・バウティスタ(MotoGP ランキング5位)「雨になったマレーシアGPでの5位は、自分にとっては、とてもポジティブな結果でした。今後前進していくためになにが必要なのかということも分かりましたし、自信にもなりました。フィリップアイランドは大好きなサーキットです。125ccではタイトルを獲得しましたし、すばらしい思い出があります。高速サーキットですので、安定したマシンが必要になります。いいセッティングを見つけるために、一生懸命がんばらなければなりません。もてぎのときのように、いいレースができることを願っています」

ステファン・ブラドル(MotoGP ランキング8位)「フィリップアイランドでは、いいレースができることを願っています。マレーシアGPでは、これまでなかったエンジンのマッピングの問題がありました。最初にこの問題を解決しなければなりません。フィリップアイランドは、高速コーナーが続き、流れるような走りができるサーキットです。MotoGPクラスでレースをするのがとても楽しみです。過去にいい結果を残したことがありましたし、力強くフィニッシュしたいと思っています」

ミケーレ・ピロ(MotoGP ランキング15位)「セパンではうれしい結果を残せました。特にドライコンディションでいいペースを見つけることができました。フィリップアイランドでは、それを確認するためにもいいコンディションで走りたいと思っています。このサーキットはとても好きです。マレーシアはウエットレースになってしまいましたが、今回、ドライでレースができたら、いい走りをする自信があります。残り2戦は、CRT勢のトップでフィニッシュしたいです。それがここからの2戦の目標になります」

マルク・マルケス(Moto2 ランキング1位)「フィリップアイランドでは、自分にとって新しい挑戦が待っています。いつものように、初日から一生懸命がんばって、日曜日の決勝で優勝したいと思います。タイトルにかなり近づいています。あと2ポイント獲得すればいいのです。でも、集中してしっかり走りたいと思っています。ワールドチャンピオンシップではどんなことも起こり得ます。エスパルガロの走りを見ながら、100%の力でがんばりたいです」

ポル・エスパルガロ(Moto2 ランキング2位)「先週のマレーシアGPは、マルク(マルケス)が転倒リタイアしたのに、大きなアドバンテージを得られなくて残念でした。でも、フィリップアイランドでは気持ちを切り替えてスタートします。レースでは、勝つこと以外は考えられません。金曜日のフリー走行からベストを尽くしたいと思います。そして、チームにふさわしい、いい結果を出せることを願っています」

アンドレア・イアンノーネ(Moto2 ランキング3位)「マレーシアは残念な結果でした。もっといい結果を出せることは分かっていますし、今回はベストを尽くしたいと思います。フィリップアイランドは楽しいサーキットです。高速でテクニカルで、毎年、すばらしい接戦になります。2年前は3位でフィニッシュしました。今年も表彰台に立てるようにがんばります」

中上貴晶(Moto2 ランキング15位)「マレーシアGPは本当に残念な結果に終わりました。左足小指の骨折の様子を見て、走るかどうかを決めたいと思っています」

高橋裕紀(Moto2 ノーポイント)「日本GP、マレーシアGPとポイント獲得まであと一歩でした。ポイントを獲得できないところでレースを戦っていることはとても悔しいことですが、まずはポイント獲得を目標に戦いたいと思っています。マシンの状態は確実によくなっています。フィリップアイランドは天候が不安定ですので、いいコンディションのときにセッティングを決めたいと思います」

小山知良(Moto2 ノーポイント)「フィリップアイランドは、グランプリで初めて表彰台に立った思い出のコースです。好きなコースですので、いつも以上に気合を入れて臨みます。マシンの特性もフィリップアイランドには合っていると思いますので、楽しみにしています。フィリップアイランドは天気が不安定ですので、いいコンディションで走れることを願っています」

アレックス・リンス(Moto3 ランキング4位)「初めてのサーキットになります。フィリップアイランドも、早くコースに慣れなければなりません。オーストラリアGPは強風のときが多いようですので、ほかのサーキットより少し大変かもしれません。残り2戦、ルーキー・オブ・ザ・イヤーのリードを維持できるようにがんばりたいと思います。これが今の僕の目標です」

ロマノ・フェナティ(Moto3 ランキング5位)「フィリップアイランドは初めての経験になります。みんなからすばらしいサーキットだと聞いています。とにかく、コースに早く慣れて、いいペースをつかみたいですね。3週連続で初めてのサーキットになっていますが、今回のチャレンジも楽しみにしています。フィリップアイランドは天気が不安定ですので、難しいレースになることも知っています。いつものようにベストを尽くして、ルーキー・オブ・ザ・イヤーでトップに立ちたいと思っています」

ミゲル・オリベイラ(Moto3 ランキング8位)「フィリップアイランドは、とても難しいサーキットだと聞いていますし、いつも以上に、いいセットアップを見つけなければなりません。今回も初めてのサーキットになりますので、なるべく早くコースに慣れたいです。そうすれば、いいレースができると思います。マレーシアは初めてのサーキットでしたが、5位でフィニッシュできました。今週もいいレースがしたいです」

藤井謙汰(Moto3 ノーポイント)「前戦のマレーシアGPに続き、今回も初めて経験するサーキットですので、しっかりコースを攻略してレースに挑みたいです。レイアウトは、もてぎやセパンとは違って、高速コーナーが続きそうなので、かなりの接戦になると思いますし、楽しみにしています。シーズンも残り2戦。全力で挑みます」