round 16

October 19/20/21 2012 MotoGP Malaysian Motorcycle Grand Prix 第16戦 マレーシアGP

SCHEDULE

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  • 1日目フリー走行
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  • 決勝

マレーシアGPプレビュー

日本GPからの連戦となる第16戦マレーシアGPが、10月19日(金)から21日(日)までの3日間、クアラルンプール郊外のセパン・サーキットで開催されます。マレーシアGPは1991年に第1回大会がシャーアラムで行われました。その後、クアラルンプール国際空港と同時期に建設がスタートしたセパン・サーキットが完成し、99年からはセパン・サーキットがマレーシアGPの舞台となりました。

マレーシアGPプレビュー

マレーシアGPとしては今年で22回目、セパンでは14回目の開催となります。昨年は、マルコ・シモンチェリ選手(Team San Carlo Honda Gresini)が、レース中の不慮の事故で亡くなるという悲しい大会となりました。事故が発生したあと、レースは中断されて、MotoGPクラスの決勝レースは中止となりました。

セパンは、サーキットが完成して以来、ウインターテストの舞台としても定着しています。今年もシーズン開幕前には、MotoGPクラスのウインターテストが2度行われました。各チームともに、シーズンを通じて最も走行データの豊富なサーキットだけに、例年、初日からレベルの高い走りが繰り広げられます。

セパンは、一周5.548kmのロングコース。長いストレートが2本、バラエティに富んだコーナーがバランスよく配置されており、リズム感あふれるレイアウトになっています。昨年は決勝レースが中止されましたが、予選ではHonda勢がフロントローを独占しました。今年もフロントロー独占とシーズン10勝目が期待されています。

前戦の日本GPでは、自身初のシーズン5勝目を挙げたダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)が、最高峰クラスでは自身初の3連勝とシーズン6勝目を目指します。セパンでは、125ccクラスと250ccクラスで優勝していますが、最高峰クラスでは、2位が2度、3位が2度と、まだ優勝を経験していません。昨年の大会では、ポールポジション(PP)を獲得しましたが、セパン初制覇へのチャレンジは今年へと持ち越されています。今年は2年連続今季5度目のPPとセパン初制覇に挑みます。

今年は800ccから1000ccへとエンジンの排気量が上がりました。エンジンのパフォーマンスが上がった分、ブレーキングがハードになっています。前戦日本GPでは、多くの選手がブレーキングに大きな課題を抱えましたが、ストップ&ゴーのレイアウトに強みをみせるHonda勢はすばらしい走りをしました。セパンも、ストップ&ゴーのポイントが多く、日本GPに続き、Honda勢の好走に注目されます。

前戦日本GPで4戦ぶりに復帰したケーシー・ストーナー(Repsol Honda Team)が、復帰2戦目での表彰台に闘志を燃やしています。前戦では、右足首は順調に回復していましたが、トレーニング不足がライディングに大きな影響を与えました。しかし、セッションをこなすごとに右足首の動きがよくなり、同時に、完調ではない右足首を補うライディングができるようになりました。 日本GPが開催されたツインリンクもてぎは、体重移動とステップワークが重要になるサーキットでした。一方、マレーシアGPが開催されるセパンは、ツインリンクもてぎほどは足首に負担がかかりません。過去のマレーシアGPでは、2004年に125ccクラスで優勝、05年には250ccクラスでも優勝し、最高峰クラスでは、07年と09年に優勝しています。

ストーナーは、日本GPから続く3連戦最後のレースで、ホームGPとなるオーストラリアGPでの優勝を狙っています。日本GPでは5位でしたが、今大会は、マレーシアGP最高峰クラス3度目の優勝と今季5勝目も期待されます。

前戦日本GPで今季2度目の表彰台に立ったアルバロ・バウティスタ(Team San Carlo Honda Gresini)が、2戦連続、さらに今季3度目の表彰台に向けて気合を入れています。セパンは、バウティスタが得意とするサーキットの一つ。06年に125ccクラスで優勝、08年には250ccクラスで優勝、MotoGPクラスでは10年に5位になっています。今年は、シーズン中盤戦の課題だったフロントのフィーリングも改善されて、予選では今季2度目のPPと、同じく2度目のフロントローを狙います。また、決勝では、サンマリノGP、日本GPの3位を上回るベストリザルトが期待されます。

初表彰台まであと一歩に迫っているステファン・ブラドル(LCR Honda MotoGP)は、ここ数戦は思うような結果を残せていません。第13戦サンマリノGPでは、空気圧の低下でペースを上げられず、第14戦アラゴンGPでは3番手を走行するも転倒を喫してしまい、また、前戦日本GPでは、ハードブレーキングの連続で腕上がりに苦戦して6位。不完全燃焼のレースが続いているだけに、今大会はその雪辱に挑みます。昨年、Moto2クラスでは2位。ウインターテストでしっかりと走り込んでいるセパンで、MotoGPクラスでの初表彰台を狙います。

CRTマシンで出場のミケーレ・ピロ(Team San Carlo Honda Gresini)は、過去4戦連続でポイントを獲得、今大会もポイント獲得を狙います。

Moto2クラスは、前戦日本GPで今季8勝目を挙げたマルク・マルケス(Team Catalunya Caixa Repsol)が、タイトルに王手をかけて今大会を迎えます。総合2位のポル・エスパルガロ(Tuenti Movil HP 40)に53点差。今大会、エスパルガロに先着すればタイトルが決まります。

昨年の大会でマルケスは、フリー走行中に降ったスコールのために転倒する不運に見舞われ、決勝をキャンセル。続く最終戦バレンシアGPも欠場することになり、タイトル獲得のチャンスを逃しています。マルケスにとっては、悔しい大会となっているだけに、今年はその雪辱に挑みます。

一方のエスパルガロは、マルケスに先着して、タイトル決定を阻止する意気込み。Moto2クラスでタイトルの可能性を残しているのは、マルケスとエスパルガロの2人だけ。この2人のチャンピオン争いが大きな注目を集めることになります。

シーズン終盤戦を迎え、Moto2クラスは一段と厳しい戦いとなっています。中上貴晶(Italtrans Racing Team)、高橋裕紀(NGM Mobile Forward Racing)、小山知良(Technomag-CIP)の日本人勢も、今季ベストリザルトに闘志を燃やしています。

Moto3クラスもタイトル争いは大詰め。今季5勝を挙げて総合2位のマーベリック・ビニャーレス(Blusens Avintia)が、総合首位のサンドロ・コルテセ(KTM)のタイトル決定を阻止する構え。総合4位のロマノ・フェナティ(Team Italia FMI)は今季2勝目と今季5度目の表彰台が期待されます。総合5位のアレックス・リンス(Estrella Galicia 0,0)も今季初優勝に向けて気合十分です。ルーキーの藤井謙汰(Technomag-CIP-TSR)は初めてのセパンに挑みます。

コメント

ダニ・ペドロサ(MotoGP ランキング2位)「昨年は悲しい事故があって、決勝レースが中止になりました。セパンでは2年ぶりの決勝レースとなるので、今はとても楽しみにしています。このサーキットはいろいろな要素が取り入れられたコーナーが続きます。高速コーナー、低速コーナー、ハードブレーキング、ロングストレートなどなど……。しかし、ここはテストデータがありますので、それをしっかりと生かしたいと思います。セパンは難しく、そして暑いので、厳しい戦いになります。気温や路面の状態を見ながら、タイヤがどう機能するか見てみなければなりません。ここは次第にグリップが上がっていきますが、初日はとても滑りやすいコースです。今はレースがとても楽しいですし、この調子をキープしていきたいです。ほかの選手のことは考えず、限界までプッシュしたいと思っています」

ケーシー・ストーナー(MotoGP ランキング3位)「日本GPは残念な結果でしたが、それでもいろいろと自信を持てましたし、マレーシアへ行くのが楽しみになりました。このサーキットでは、これまで何度も優勝していますので、本当に楽しみにしています。さらに、今週末はマルコ(シモンチェリ)の一周忌となります。暑い週末になり、体力的にも厳しいレースになると思います。日本GPでは、さすがに足首に負担がかかりましたので、金曜日まではなるべく休みたいと思っています。セパンは、もてぎに比べれば、スムーズで流れるようなサーキットなので、日本GPのときのような問題が出ないことを願っています」

アルバロ・バウティスタ(MotoGP ランキング5位)「先週はHondaのホームレースで表彰台に立ててうれしかったです。Team San Carlo Honda Gresiniと2013年の契約もしましたし、MotoGPクラスでは、初めてスペイン人が表彰台を独占、その一人になることができて、本当にうれしい大会となりました。チャンピオンシップでも5位に上がることができました。うれしいニュースがたくさんあって、最高のグランプリでした。難しい時期でも、ずっと信じ続けてくれたチームに感謝しています。Showaとすばらしい仕事をこなせました。問題が100%解決したわけではないですが、方向性は正しいと思います。いい状態でセパンを迎えることができます。しかし、昨年の悲しい出来事を思うと、気分は重いです。サーキット自体は僕のマシンやライディングスタイルに合っていると思います。日本GPのような結果を残したいと思っています」

ステファン・ブラドル(MotoGP ランキング8位)「Moto2クラスに出場していた昨年の大会は、あと少しのところでレースが中断となり、優勝を逃してしまいました。このサーキットはスピードが出せ、流れるような走りができるので大好きです。自分のスタイルに合っています。もてぎでは腕上がりに苦しみましたが、セパンではブレーキングが少ないので問題にはならないだろうと期待しています。もてぎのレースを終えて、月曜日に2013年のプロトタイプをテストしました。とてもポジティブな結果でしたので、気持ちよくマレーシアGP迎えることができました」

ミケーレ・ピロ(MotoGP ランキング16位)「もてぎで、さらにポイントを獲得することができました。目標はCRTのトップ3とのギャップを縮めることでしたので、それを達成できてよかったです。もてぎはずっとチャターの問題に苦しみました。でも完走できでよかったです。次のマレーシアGPは、マルコの思い出がたくさんあってつらいですが、昨年のバレンシアGPのMoto2では、彼に優勝をささげることができました。今度の日曜日も、彼をたたえるために再びベストを尽くしたいと思っています」

マルク・マルケス(Moto2 ランキング1位)「53ポイントのリードをしていますが、まだ3レース残っていますので、このアドバンテージをうまくキープしなければなりません。今週末、チャンピオンになれるかもしれないですが、このマレーシアGPも、ほかのレースと同じ気持ちで戦いたいです。そして金曜日、土曜日、日曜日と、100%の力を出したいと思っています。どんなレースができるのか、しっかり分析して決勝に挑みたいです。どこでチャンピオンを獲得するかは、僕にとってはどうでもいいことです。この3戦をしっかり戦って、どこかのレースでMoto2のタイトルを獲得することが大きな目標です」

ポル・エスパルガロ(Moto2 ランキング2位)「マレーシアではベストを尽くしたいです。マレーシアは高速サーキットなので、エンジンのパフォーマンスをどう生かすかが大きなカギを握ります。とにかくいいセッティングを見つけて、ベストを尽くし、25ポイントを獲得できるようにがんばりたいです」

アンドレア・イアンノーネ(Moto2 ランキング3位)「日本GPはとても残念なレースでした。でも、こういう気分のときには、こうしてすぐにレースができることがうれしいです。マレーシアは高速サーキットなので、とても楽しみにしています。昨年はあまりいいレースをすることができませんでしたが、一昨年は表彰台に上がることができました。今は(トーマス)ルティ(Interwetten-paddock)とチャンピオンシップで3位争いをしています。その戦いに勝つためには、レースではベストを尽くさなければなりません」

中上貴晶(Moto2 ランキング14位)「日本GPはとても悔しいレースでした。初日はまずまずのスタートだったのですが、予選、決勝と力を出すことができませんでした。表彰台、そして優勝を目標にしていましたので、7位という結果は本当に残念でした。残り3戦にこの悔しさをぶつけたいと思っています。そして、この3戦で絶対に表彰台に立ちたいです」

高橋裕紀(Moto2 ノーポイント)「マレーシアで表彰台に立ったことはありませんが、表彰台にあと一歩のレースを何度もしています。好きなコースなので、すごく楽しみにしています。サンマリノ、アラゴン、日本と、日本人のチーフメカニックと一歩ずつ進んできました。日本GPはコースアウトして順位を下げてしまいましたが、確実に戦える状態になってきています。ここからの3戦で、来年につながるレースにしたいと思っています」

小山知良(Moto2 ノーポイント)「シーズン途中からの参戦で、ここまでの3戦は思ったようなリザルトを残せていませんが、セットアップはいい方向に進んでいますし、今回はさらにいい結果を残せると思っています。自分の中では、3連戦最後のオーストラリアGPでいいパフォーマンスをしたいと思っています。その目標に向けて、今回はさらにマシンを仕上げたいと思っています」

マーベリック・ビニャーレス(Moto3 ランキング2位)「日本GPを終えて、すぐにマレーシアに移動してきました。日本GPでは2位になれましたが、優勝を狙っていましたし、内容も決してよくなく、かなりフラストレーションがたまる展開でした。今回はその悔しさをぶつけたいですね。チャンピオンシップは厳しいですが、とにかくいい結果を残したいです。モチベーションは上がっていますし、うまく走りたいと思っています」

ロマノ・フェナティ(Moto3 ランキング4位)「まず、日本GPで初めて表彰台に立ったチームメートのアレッサンドロ(トヌッチ)におめでとうと言いたいです。これで、僕たちのチームがどれだけ強いかを証明することができたと思います。マレーシアを走るのは初めてになります。ルーキー・オブ・ザ・イヤーでは、(アレックス)リンスに対して7ポイント差をつけています。このままリードをキープしたいですし、マレーシアGPを楽しみにしています」

アレックス・リンス(Moto3 ランキング5位)「日本GPが終わり、マレーシアに来ました。日曜日の結果には興奮しました。再び4位になれましたし、ルーキー・オブ・ザ・イヤーに近づくことができました。この数戦は、とてもうまく仕事をしてきましたし、セパンでもこの調子でがんばりたいです。セパンは暑くて大変なレースになると思います。でも、準備はできていますし、いいレースをしたいと思っています」

藤井謙汰(Moto3 ノーポイント)「日本GPで思うような結果を残せなかったので、ここからの残り3戦で、いいレースをしたいと思っています。マレーシア、オーストラリアと、初めて走るサーキットが続きます。決して簡単ではないですが、とにかくポイントを獲得できるようにがんばります」