round 15

October 12/13/14 2012 MotoGP AirAsia Grand Prix of Japan 第15戦 日本GP

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日本GPプレビュー

ロードレース世界選手権第15戦日本GPが、10月12日(金)から14日(日)までの3日間、栃木県・ツインリンクもてぎで開催されます。ツインリンクもてぎでは、1999年に初めて日本GPが開催されました。2000年から03年までの4年間は、鈴鹿サーキットで日本GP、ツインリンクもてぎでパシフィックGPが開催されましたが、04年からは、ツインリンクもてぎだけの開催となり、日本GPの舞台として定着しました。

日本GPプレビュー

昨年の大会は、予選4番手から好スタートを切ったダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)が優勝。02年の125cc、04年の250ccクラスに次いで最高峰クラスも制し、ツインリンクもてぎの3クラス制覇を達成しました。

ツインリンクもてぎは、一周4.801km。2カ所の立体交差が設けられたストップ&ゴー・サーキットで、マシンにもライダーにもレベルの高い走りが要求されます。マシンには、ハードブレーキングと鋭い加速が求められます。ライダーには、加減速の激しさをコントロールする高い集中力と体力が要求されます。昨年のペドロサは、マシンのポテンシャルを存分に引き出し、すばらしい走りでライバルを圧倒しました。

今年は、シーズン中盤から導入したRC213Vの仕上がりもよく、第11戦インディアナポリスGP、第12戦チェコGP、第14戦アラゴンGPで優勝するなど、今季4勝を達成するすばらしいリザルトを残し、得意とするツインリンクもてぎを迎えることになりました。今年も優勝候補の大本命。昨年からの2連覇と今季5勝目が期待されます。14戦を終えて、総合首位のホルヘ・ロレンソ(ヤマハ)と33点差。残り4戦での逆転を目指します。

第11戦インディアナポリスGPの予選で転倒、右足首を負傷しながらも決勝4位と熱走を見せたケーシー・ストーナー(Repsol Honda Team)が、今大会から復帰します。ストーナーは、第12戦チェコGP開幕直前に、足の状態が悪いことから手術を決断しました。それから約1カ月半がたち、右足も順調に回復し、希望通り、日本GPからの復帰が実現しました。今年を最後に現役引退を表明しているストーナー。今季4勝を挙げていますが、ここからの4戦は得意とするサーキットが続くだけに、これからどんな走りを見せてくれるのか、世界中のレースファンが注目しています。

ストーナーは、昨年の大会でポールポジションを獲得しましたが、決勝ではコースアウトを喫し、悔しい3位。日本GPでは2010年に優勝しています。今大会もペドロサとロレンソのチャンピオン争いと優勝争いに大きな注目が集まっていますが、復帰したストーナーがこの2人の優勝争いに加わることは間違いありません。

14戦を終えて総合7位で、第13戦サンマリノGPで念願のMotoGPクラス初表彰台に立ったアルバロ・バウティスタ(Team San Carlo Honda Gresini)が、HondaのホームGPで今季2度目の表彰台を狙います。250cc時代に09年の優勝と08年の2位、125cc時代にも2位と、これまでツインリンクもてぎでは3度の表彰台に立っています。その経験を最高峰クラスで発揮する意気込みです。

総合8位のステファン・ブラドル(LCR Honda MotoGP)は、得意とする日本GPで初表彰台に挑みます。前戦アラゴンGPでは、3番手を走行中に痛恨の転倒を喫してリタイア。転倒したとはいえ、最高峰クラスの表彰台がますます現実味を増しているだけに、今大会はアラゴンGPの雪辱に挑みます。ツインリンクもてぎでは125cc時代に優勝。Moto2クラスでは表彰台に立っていませんが、最高峰クラス初表彰台獲得の期待が膨らんでいます。

CRTマシンで出場のミケーレ・ピロ(Team San Carlo Honda Gresini)も、今大会はベストリザルトを狙います。

日本GPから、マレーシアGP、オーストラリアGPと続く3連戦。今季最もハードな転戦で、Honda勢がどんな走りを見せるのか。まずは日本GPで優勝して、勢いをつける意気込みです。

Moto2クラスは、今季7勝を挙げてタイトル獲得に着実に前進しているマルク・マルケス(Team CatalunyaCaixa Repsol)が、今季8勝目を狙います。順調にいけば、この3連戦で年間タイトルを獲得する可能性も高く、慎重かつ気合の入った走りを見せてくれそうです。ツインリンクもてぎでは、125cc時代に優勝経験がありますが、Moto2クラスでは昨年の大会で優勝争いをするも2位。125cc時代以来のもてぎ制覇に闘志を燃やします。

総合2位のポル・エスパルガロ(Pons 40 HP Tuenti)、総合3位のアンドレア・イアンノーネ(Speed Master)もタイトル獲得の可能性を残していますが、ランキング2位、3位争いもし烈なだけに、厳しい戦いになりそうです。

今大会は、日本人勢の表彰台にも期待が膨らみます。今季、表彰台にあと一歩の中上貴晶(Italtrans Racing Team)は、念願の初表彰台に闘志を見せています。高橋裕紀(NGM Mobile Forward Racing)と小山知良(Technomag-CIP)も今季初ポイント獲得に気合を入れています。

Moto3クラスは、総合3位のマーベリック・ビニャーレス(Blusens Avintia)、総合4位のロマノ・フェナティ(Team Itaria FMI)、総合5位のアレックス・リンス(Estrella Galicia 0,0)が、HondaのホームGPで優勝を狙います。今季5勝を挙げているビニャーレスは、ウオームアップでトラブルが発生し、決勝を走行できなかった前戦アラゴンGPの雪辱を果たす意気込み。フェナティはアラゴンGPがリタイアに終わっているだけに、今季2勝目に闘志を燃やします。リンスも夏休み以降は調子を上げており、今季2度目の表彰台と初優勝に挑みます。ホームGPを迎える藤井謙汰(Technomag-CIP-TSR)は、得意のコースで初ポイント獲得に挑みます。そのほか、ワイルドカードで出場する日本人選手の活躍にも注目です。

コメント

ダニ・ペドロサ(MotoGP ランキング2位)「ツインリンクもてぎの日本GPは、いつも楽しみにしています。Hondaにとって最も重要な大会であり、サーキットもとても楽しいです。この先、厳しく難しいレースが続くことになります。しかし、一歩一歩、そして、一戦一戦、レースに取り組んでいきます。もてぎは、ハードなブレーキングと、鋭い加速が求められます。そのためには、ブレーキングの安定性と加速時にウイリーをしないセットアップが求められます。昨年はいいレースをすることができました。今年も優勝争いができるようにがんばりたいと思っています」

ケーシー・ストーナー(MotoGP ランキング3位)「チームのみんなに会うことができますし、自分のマシンにまた乗れることがとてもうれしいです。この6週間はなにもできませんでしたし、足首も安静にしていなければならず、つらい時間でした。しかし、娘と一緒にいられたのはよかったですし、家でレースは見ていました。ミサノでダニに起きたことは残念でした。ただ、こうした不運は、アッセンでホルヘにも起きています。もてぎは、ストップ&ゴーなので、ハードブレーキングと加速ポイントがとても多く、体力的にとても厳しいので、難しいレースになると思います。金曜日のセッションでは、まず、自分の足首がどういう状態なのか、そして、どれだけのプレッシャーをかけられるかを確認したいので、非常に重要なセッションになると思っています」

アルバロ・バウティスタ(MotoGP ランキング7位)「アラゴンは難しい週末でした。天候が変わりやすく、そのため、新しいフロントフォークを試すことができませんでした。予選ではフロントの感触に苦戦しましたし、リアの動きもあまりよくありませんでした。ミサノのように表彰台を狙いたかったのですが、それも果たせませんでした。もてぎでは、マシンのセットアップに全力で取り組むことになります。もし、うまくいけば、またいいレースができると思います。ここはHondaのホームサーキットなので、彼らのサポートに感謝するためにも、いい結果を残したいです。これまで、もてぎではいい走りができているので、今週末もそれを繰り返せることを願っています」

ステファン・ブラドル(MotoGP ランキング8位)「もてぎは大好きなサーキットの一つです。僕はHondaのMotoGPライダーなので、今回の日本GPは、今まで以上に特別な大会になります。日本のファンの温かい声援がうれしいです。チームとHondaファンのために、いい結果を出せるようにベストを尽くしたいと思っています。前回のアラゴンGPの転倒は、とても悔しい出来事でしたが、気持ちを切り替えて挑みたいです。今の自分は、表彰台でフィニッシュできるポテンシャルがあると思っていますし、そのためにも集中してレースに取り組みたいと思っています」

ミケーレ・ピロ(MotoGP ランキング16位)「アラゴンGPのコンディションはあまりよくなく、サンマリノGPで上向いた調子がすっかり無駄になってしまいました。アラゴンでは、マシンのセットアップを見つけるのが本当に難しかったです。でも最後には完走できましたし、重要なポイントを獲得することができました。そのおかげで、このプロジェクトに対して新しい信念が生まれました。トップのCRTとのギャップを縮めなければなりません。もてぎで、また一歩近づきたいと思っています。もてぎは、テクニカルなサーキットであまり得意ではありませんが、全力で挑みます。そしてチームとともにベストCRTになれるようにがんばります」

マルク・マルケス(Moto2 ランキング1位)「昨年、もてぎは少し苦戦したサーキットですので、今週末はすべてがうまくいくことを願っています。もてぎは天候が不安定なので、どんなコンディションになってもいいように、しっかり準備したいと思っています。これまで日本GPは、レースウイークを通じて、ウエットコンディションになることが多く、今年もそうなるかもしれません。とにかく、100%の力を出してがんばりたいと思っています。ここは基本的にストップ&ゴーのサーキットですが、今年はブレーキングが安定しているのでいい走りができると思っています」

ポル・エスパルガロ(Moto2 ランキング2位)「もてぎの天候は不安定で、雨の降ることが多いサーキットです。だから天候次第となりますが、いつものようにベストを尽くしたいと思っています。ここまで、とてもいい仕事をしてきていますし、このチームで戦えることをうれしく思います。残り4戦で逆転するのはとても難しいですが、タイトルを獲得するために、全力を尽くしたいと思います」

アンドレア・イアンノーネ(Moto2 ランキング3位)「もてぎは好きなサーキットなので、いいレースをしたいです。アラゴンではグリップとチャタリングの問題があって表彰台に上がることができませんでした。僕のクルーは、その問題に一生懸命取り組んでくれたのですが、最後まで解消することができませんでした。しかし、日本で再び表彰台争いをする自信はあります。とにかく、天気がいいことを願っています。そうすれば、いいセットアップを見つけるために、時間を最大限使えると思います」

中上貴晶(Moto2 ランキング15位)「今大会の前にItaltrans Racing Teamと来年の契約が決まりました。これで残りの4戦は、レースに集中することができますし、今回は、開幕前からずっと楽しみにしていた日本GPなので、初日からいい走りをして、リズムに乗りたいと思っています。天気予報は、3日間ともよさそうなので、ドライコンディションでしっかりセットアップを決めて、予選ではフロントロー、決勝では表彰台と優勝を目標に全力で挑みたいと思っています」

高橋裕紀(Moto2 ノーポイント)「この2戦、チーフメカニックが代わり、確実にいい走りができていると思います。まだ、ポイントを獲得することができていませんが、今回は走り慣れているツインリンクもてぎなので、マシンの状態がよりハッキリと分かると思いますし、また一歩前進できると思っています。今週は天気がよさそうなので、金曜日、土曜日の走行で、今年一番の状態に仕上げたいですし、今年一番の走りを見てもらいたいと思っています」

小山知良(Moto2 ノーポイント)「サンマリノGP、アラゴンGPと2戦を戦い、まだポイントを獲得できていませんが、確実にマシンはよくなっています。セットアップの方向性も間違っていないですし、サンマリノよりアラゴンはポテンシャルを引き出せたと思っています。今回は走り慣れているもてぎなので、自分でもどんな走りができるのか楽しみにしています。とにかく、もてぎでは、ブレーキングの安定性を出すことが大事なので、この部分を徹底的に詰めていきたいと思っています」

マーベリック・ビニャーレス(Moto3 ランキング3位)「アラゴンGPは本当に残念なレースでした。それだけに、日本へ行くのがとても楽しみです。アラゴンGPはスタート前にトラブルが発生しました。レースではこういうことが起こりうることですし、仕方ありません。しかし、マシンがストップしたときに冷静さを失い、自分の取った行為に対しては、チームやスポンサーや、そしてファンに謝りたいと思っています。しかし、僕のタイトルのチャンスが一瞬にして消えてしまった絶望感と怒りは理解してほしいと思います。今はポジティブに考えなくてはいけないですし、残りのレースで全力を尽くします。もてぎは、昨シーズン4位を獲得したところです。厳しい戦いになると思いますが、今回はどうしても優勝したいと思っています」

ロマノ・フェナティ(Moto3 ランキング4位)「日本GPに向けて、モチベーションはとても高いです。初めてのサーキットですが、リタイアに終わった前戦アラゴンGPの雪辱を果たしたいです。ここはHondaにとってホームGPになりますし、Hondaのマシンでレースができることを誇りに思います。テクニカル面でアドバイスをしてくれるロベルト・ロカテリは、もてぎで何度もレースをしてきましたし、2000年には優勝しています。だから彼の経験がとても重要になりますし、彼のアドバイスを生かしたいと思っています」

アレックス・リンス(Moto3 ランキング5位)「日本GPを楽しみにしていました。夏休み以降は、徐々にいい状態になってきていますので、表彰台を目標に挑みたいと思っています。このサーキットは初めて経験しますが、少しでも早く攻略して決勝に向けて準備をしたいです。シミュレーションでもてぎはしっかり走りましたが、とにかく、早く本当のもてぎを走ってみたいです。ここはHondaのホームGPですので、なにか新しいパーツが用意されているかもしれません。そうでなかったとしても、今のエンジンでベストを尽くしたいと思います」

藤井謙汰(Moto3 ノーポイント)「今年は思ったようなリザルトを残せていませんが、この数戦は、だんだんセッティングの方向性が見えてきたような気がします。そのフィーリングが正しいかどうかを、走り慣れているもてぎで確認してみたいです。本当なら、日本GPで優勝争いをしたいと言いたいところでしたが、開幕前のそうした目標には、ほど遠い状態が続いています。とにかく、もてぎでポイントを獲得することを一番の目標に、一つでも上を目指したいと思っています」