round 12

August 24/25/26 2012 MotoGP bwin Grand Prix Ceske republiky 第12戦 チェコGP

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チェコGPプレビュー

インディアナポリスGPから2週連続の開催となる第12戦チェコGPが、8月24日(金)から26日(日)までの3日間、チェコ第2の都市ブルノにあるブルノ・サーキットで開催されます。Moto2クラスとMoto3クラスは、第10戦アメリカGPがカレンダーに組み込まれていないため、今大会が11戦目となります。

チェコGPプレビュー

チェコGPは、1993年にスタートして今年で20回目。チェコスロバキアGP時代を含めると36回目という長い歴史を誇ります。舞台となるブルノ・サーキットは、自然の地形を利用し、選手にも観客にも人気のあるコースとなっています。一周5.403kmのロングコースは、コース幅が広く、中速コーナーが連続し、パッシングポイントも多く、毎年好バトルが繰り広げられます。そして、ブルノ・サーキットの最大の特徴は、コース中盤の7つのコーナーで高低差約73mを下り、コース終盤の登りストレートで一気に駆け上がるという独特のレイアウトです。

チェコスロバキアGP時代から、ブルノには毎年10万人を超える大観衆が駆けつけます。昨年は15万5400人、3日間で23万8000人と、シーズンを通じて最も観客を集めた大会となりました。その熱狂の中で、ケーシー・ストーナー(Repsol Honda Team)が優勝し、Honda勢が表彰台を独占しました。

前戦インディアナポリスGPでは、ダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)が、今季3度目のポールポジション(PP)から今季2勝目を達成しました。昨年のチェコGPでは、PPを獲得したものの、決勝では痛恨の転倒を喫しています。今年は、インディアナポリスGPからの2連勝と、昨年の雪辱を期しています。ブルノでは、125ccクラス、250ccクラスで優勝しています。最高峰のMotoGPクラスではPP獲得2回、2009年、10年と連続2位でフィニッシュしていますが、まだ優勝はありません。エンジン、車体ともに一新されたニューマシンのデビュー戦となったアメリカGPでは3位。セットアップが進んだインディアナポリスGPでは、すばらしい走りでライバルを圧倒しました。ニューマシンで3戦目を迎える今大会は、優勝候補の筆頭。ブルノでの3クラス制覇に挑みます。

昨年のウイナーのストーナーは、前戦インディアナポリスGPの予選で転倒し、右足首を負傷しました。決勝では熱走を見せて4位でチェッカーを受けましたが、今週のチェコGPは、2週連続の開催となるために厳しい戦いが待ち受けています。ケガは、右足首の関節部分の骨折とじん帯の損傷。依然として腫れはひどく、今週も痛み止めとテーピングをして挑むことになります。ブルノでは07年に初優勝し、昨年の大会で2勝目を挙げています。今年は右足の負傷という大きなハンディを抱えての大会となりますが、闘志あふれる走りに注目されます。

今季成長著しいルーキーのステファン・ブラドル(LCR Honda MotoGP)は、得意のブルノに闘志を燃やしています。シーズン中盤戦には、セカンドグループの常連としてすっかり定着しました。第4戦フランスGPと第8戦ドイツGPでは5位、第9戦イタリアGPでは表彰台にあと一歩の4位と大活躍。アメリカGP、インディアナポリスGPでは、セカンドグループに加わるもレース終盤にペースを落とし、7位、6位と悔しいレースが続いていますが、それだけに、得意とするブルノでの雪辱に気合を入れています。ブルノは、08年に125ccクラスで初優勝を達成しました。昨年はMoto2クラスで3位表彰台に立つなど相性のいいサーキット。これまでの経験を生かし、得意のコースでMotoGPクラス初表彰台を狙います。

アルバロ・バウティスタ(Team San Carlo Honda Gresini)も、前戦インディアナポリスGPで5位と調子を取り戻しました。今年は第6戦イギリスGPで初PPを獲得し、決勝でも表彰台にあと一歩の4位でフィニッシュしています。そのあと、セッティングの決まらないレースが続き苦戦しますが、前戦インディアナポリスGPでは、予選、決勝と調子を上げて5位でチェッカーを受けました。ブルノでは、125cc時代の06年に優勝。250cc時代は、08年2位、09年3位と表彰台の常連として活躍しました。スズキで最高峰クラスにスイッチした10年、11年は思ったような成績を残せていませんが、Team San Carlo Honda Gresiniで挑む初のチェコGPでは、ブラドルとともに初表彰台の期待が寄せられます。

CRTマシンで挑むミケーレ・ピロ(Team San Carlo Honda Gresini)は、4戦連続のリタイアと苦戦が続いていますが、今大会は完走を目標に挑みます。

Moto2クラスは、インディアナポリスGPで今季5勝目を達成し、後半戦を優勝でスタートしたマルク・マルケス(Team CatalunyaCaixa Repsol)が、今季6勝目に挑みます。昨年の大会は4台で繰り広げられた激戦の中で、アンドレア・イアンノーネ(Speed Master)に続いて、僅差の2位でフィニッシュ。今年も激戦が予想されますが、インディアナポリスGPで独走を果たして、ますます力をつけてきたマルケスの走りに注目されます。

以下、ライダーズポイントでは、ポル・エスパルガロ(Pons 40 HP Tuenti)が39点差のランキング2位、イアンノーネが52点差の3位、トーマス・ルティ(Interwetten-Paddock)は54点差の4位。2位以下はやや離れましたが、ここからの巻き返しに闘志を燃やします。日本人勢は、中上貴晶(Italtrans Racing Team)が14位。高橋裕紀(NGM Mobile Forward Racing)は依然としてノーポイントのレースが続いています。

Moto3クラスは、サンドロ・コルテセ(KTM)がランキング首位。前戦インディアナポリスGPで優勝争いに加わりながらリタイアを喫したマーベリック・ビニャーレス(Blusens Avintia)が29点差で追います。今季5勝を挙げているビニャーレス。優勝回数ではライバルを圧倒しているだけに、これからの追い上げと逆転が期待されます。以下、ロマノ・フェナティ(Team Italia FMI)がランキング4位、アレクシ・マスボー(Caretta Technology)が5位、アレックス・リンス(Estrella Galicia 0,0)が7位、ルイス・ロッシ(Racing Team Germany)が8位、ニッコロ・アントネッリ(San Carlo Gresini Moto3)が10位と続きます。藤井謙汰(Technomag-CIP-TSR)は、前戦インディアナポリスGPで18位と今季ベストをマーク。初ポイント獲得に闘志を燃やしています。

※ケーシー・ストーナー(Repsol Honda Team)は、骨折した右足首の手術を受けるため、オーストラリアに帰国することとなり、第12戦チェコGPの欠場が決まりました。

コメント

ダニ・ペドロサ(MotoGP ランキング2位)「ブルノはコース幅が広く、リズム感のあるコーナーが続くので、全体的にアベレージが高いコースです。特に高速コーナーは、いいグリップとフロントエンドのフィーリングが重要になってきます。過去数年、Hondaはここでいいレースをしていますので、今年もいいパフォーマンスを発揮できることを願っています。先週のインディアナポリスGPでは、優勝することができましたので、今週のブルノのレースも楽しみにしていますし、優勝を目指して全力を尽くします。このサーキットを速く走るためには、マシンのセットアップがとても重要になりますが、特にこのコースは、電子制御がカギを握っています。ブルノは天気も変わりやすいので、それもしっかりと見極めていかないといけません。2週連続のレースなので、集中力を維持して優勝できるようにがんばります」

ケーシー・ストーナー(MotoGP ランキング3位)「インディアナポリスは厳しいレースになりました。2週連続となるブルノも、インディアナポリスより厳しいレースになると思います。先週の予選での転倒は、右足首に深刻なダメージを与えました。インディアナポリスは左回りなので、右足に体重がかからず、ラッキーでした。しかし、切り返しのセクションでは、かなり痛みがありましたので、今回はとても厳しい戦いが待ち受けています。ブルノは切り返しが多く、右コーナーがたくさんあるので、足首にウエイトがかなりかかります。ブルノはリズムよく、流れるように走れるサーキットなので、いつもは楽しみにしていますが、今年はそれができないと思うので、とても残念です。とにかく、金曜日の開幕までしっかりと休養を取って、そして、コースに出たときに右足の状態を見て、ベストを尽くしたいと思っています」

ステファン・ブラドル(MotoGP ランキング6位)「ブルノは2008年に初優勝しているサーキットなので、いつも特別な気分になります。レイアウトはおもしろく、走っていて楽しいです。ここでは、いつもいいパフォーマンスを発揮できているので、僕にとってはとてもいいサーキットです。インディアナポリスでは思ったような走りができず、フラストレーションがたまりました。今回は、いつものパフォーマンスを発揮できるようにがんばりたいです。大好きなサーキットなので、どんなレースができるのか、楽しみにしています」

アルバロ・バウティスタ(MotoGP ランキング7位)「インディアナポリスは、レースウイークを通じて、とてもいい走りができました。ドイツGPまでのいい感触を取り戻すことができましたし、今週のブルノに向けてモチベーションも高まっています。とにかく、今週のチェコGPは、先週のインディアナポリスでのいい走りを確認するところから始めたいです。ブルノは好きなコースですが、とてもバランスの取れたマシンが必要になるので、全力で仕事をしなければなりません。特に、素早い切り返しが必要な部分では、速く走れるようにしなければなりません。今週は、自信がありますし、やる気もあふれています。全力で挑みたいと思っています」

ミケーレ・ピロ(MotoGP ランキング16位)「インディアナポリスではまたリタイアに終わり、残念でした。これで4戦連続で完走できなかったことになり、本当に運がないレースが続いています。プラクティスはうまくいきましたし、速いことも証明できているので、ブルノではいい結果を残したいです。このサーキットはよく知っていますし、大好きです。一生懸命がんばって仕事をして、このプロジェクトを信じ続けているチームのためにも、いい結果を残したいと思っています」

マルク・マルケス(Moto2 ランキング1位)「インディアナポリスでは勝つことができましたし、最高の気分でブルノのレースを迎えることができます。先週のように、今週もスタートから集中しなければなりません。ブルノはとても速いコースで、ここを得意とする(アンドレア)イアンノーネのようなライバルが挑戦してきますので、これまで以上にがんばらないといけません。昨年は2位。今年の目標も表彰台に立つことであり、チャンピオンシップポイントを確実に獲得したいと思っています。スッターもチームも、ポルティマオのテストとインディアナポリスGPではとてもよく働いてくれたので、その仕事の成果を今回確認したいと思っています」

ポル・エスパルガロ(Moto2 ランキング2位)「ブルノは好きなサーキットですが、昨年はあまりいい結果を残せませんでした。ここは、一周が長く、高速コーナーもあって、難しいコースです。Moto2クラスはレベルが高く、いつも激戦になりますが、今週も厳しい戦いになると思います。ここで勝つのは、とても難しいですが、その分やる気が出ます。とにかく、全力で挑みたいと思っています」

アンドレア・イアンノーネ(Moto2 ランキング3位)「インディアナポリスではあまりいい結果を残せませんでしたので、今週のブルノはいいレースにしたいです。インディアナポリスでは、前半を終えたころから問題が出てしまい、後半はできる限りポイントを稼ぐ走りをするのがやっとでした。ブルノでは昨年優勝しています。今年も勝てるようにがんばりたいです。しかし、毎レースが接戦になっているので、初日から集中しなければなりません。チームも僕も、いい結果を出すために、いつものように全力を尽くさなければなりません」

中上貴晶(Moto2 ランキング14位)「後半戦のスタートになったインディアナポリスでは、いい結果を残せませんでした。しかし、決勝で出てしまったトラブルを除けば、それほど悪くはなかったと思います。セッティングも今後のレースにつながるものでした。イタリアGPのムジェロのセットもよかったですし、前回のインディアナポリスもよかったです。コースによって使い分けられる2つのセットだと思いますので、ブルノはどちらがいいのかを確認していきたいです。セッションをうまく使って、初日からいいスタートを切りたいです。インディアナポリスで結果を残せなかった分、ブルノで結果を残したいと思います」

高橋裕紀(Moto2 ノーポイント)「先週のインディアナポリスGPは、本当に残念でした。決勝に向けてチームの判断でトライしたセッティングが全然ダメで、うまく走れませんでした。どこかに異常があるんじゃないかと思うほどで、ピットインしなければなりませんでした。今回は、そういうミスがないように、チームにしっかりやってほしいです。ブルノは一昨年、2位表彰台に立っています。昨年はマシンのセッティングが決まらず、全然ダメでした。ブルノは基本的に好きなサーキットなので、なんとしても結果につなげたいです」

マーベリック・ビニャーレス(Moto3 ランキング2位)「インディアナポリスGPの転倒は、すべてのコーナーで限界まで攻めていたために起きてしまったものです。自分のラインを失い、気付いたら転倒していました。これでランキング首位から29ポイント遅れてしまいました。でも、まだレースはたくさんありますし、引き続き仕事をがんばって毎回勝てるようにがんばります。KTMとの戦いは厳しいです。もっとパワーが必要です」

ロマノ・フェナティ(Moto3 ランキング4位)「インディアナポリスは、初めて経験することになったアメリカのレースでした。表彰台には立てませんでしたが、感動的な経験となりました。今週のブルノも初めて経験するサーキットになりますが、おもしろいサーキットだと聞いていますので、楽しみにしています」

アレックス・リンス(Moto3 ランキング7位)「マシンのセッティングは完ぺきではありませんでしたし、エンジンにはかなり苦労しましたが、インディアナポリスの結果には満足しています。今週のブルノは大好きなコースで、今回は新しいエンジンを使いますので、もっといい結果が出せることを願っています」

藤井謙汰(Moto3 ノーポイント)「シーズン中盤から初めて経験するサーキットが続いていますが、前回のインディアナポリスGPは、路面のグリップが悪くて、今まで経験した中では一番難しいコースでした。そのコースで、今年のベストリザルトの18位でフィニッシュできたので、自信になりました。今週のブルノも初めてのコースですが、ポイントを獲得できるようにがんばりたいです」