round 11

August 17/18/19 2012 MotoGP Red Bull Indianapolis Grand Prix 第11戦 インディアナポリスGP

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インディアナポリスGPプレビュー

カリフォルニア州のラグナセカ・レースウェイで開催された第10戦アメリカGPから2週間、短い夏休みを終えたグランプリは、アメリカ大陸内を移動し、8月17日(金)から19日(日)までの3日間、インディアナ州のインディアナポリス・モータースピードウェイで、第11戦インディアナポリスGPが開催されます。今年は、シーズン前半戦を締めくくるラグナセカ、後半戦のスタートとなるインディアナポリスと、アメリカ大陸で2戦連続のグランプリが開催されます。

インディアナポリスGPプレビュー

インディアナポリスGPの開催されるインディアナポリス・モータースピードウェイは、1909年に開設された、世界で最も歴史のあるサーキットで、2009年に100周年を迎えました。開設された当時は、レンガを敷き詰めたコースでした。現在も、スタート&フィニッシュラインには、1ヤード分だけ当時のレンガが敷き詰められています。この部分は“ブリックヤード”と呼ばれ、インディアナポリス・モータースピードウェイの象徴となっています。

インディアナポリスGPが開催されるグランプリコースは、インディ500で有名なオーバルコースと、そのインフィールドに設置されたロードコースを組み合わせた、一周4.216kmのテクニカルコースです。左コーナーが10、右コーナーが6。オーバルコースからインフィールドへ入っていく高速の1コーナーは、ファンを魅了します。

一昨年はダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)が優勝。昨年はケーシー・ストーナー(Repsol Honda Team)が勝利を収めて、ペドロサが2位と続きました。今年は、Repsol Honda TeamのインディアナポリスGP3連勝と、2年連続の1-2フィニッシュが期待されます。

ランキング2位で前半戦を折り返したペドロサは、2年ぶり2回目のインディアナポリスGP制覇に挑みます。前戦アメリカGPでは、エンジン、シャシーともに新しくなった2013年型プロトタイプで出場しましたが、不安定な天候が続き、思うようにセットアップを進めることができませんでした。ほぼぶっつけ本番でのデビュー戦となりましたが、予選2番手、決勝3位と、ニューマシンのポテンシャルの高さをアピールすることができました。ニューマシンでの2戦目となる今大会は、さらにポテンシャルを引き出せることは間違いなく、今季2勝目を狙います。

前戦アメリカGPで今季4勝目を挙げたストーナーは、2年連続のインディアナポリスGP制覇と、今季5勝目に闘志を燃やしています。ストーナーは、ペドロサとライディングスタイルが異なるために、従来の車体を選択し、ニューエンジンとの組み合わせで出場しています。今年はチャタリングとの格闘になっていますが、今大会も、その対策に全力を注ぐことになります。10戦を終えてランキング3位。2年連続タイトル獲得に向けて、後半戦の巻き返しが期待されます。

夏休みまでの10戦を終えて、ルーキーながら総合6位と大健闘のステファン・ブラドル(LCR Honda MotoGP)は、シーズン中盤に入って、予選、決勝ともにセカンドグループの常連に定着しました。前戦アメリカGPでは、初めて経験するサーキットでレース中盤まで4位争いに加わる走りを見せて、大きな成長を感じさせました。インディアナポリスでは、125cc時代の08年に3位表彰台、Moto2クラスでは表彰台を経験していませんが、コースを知っているだけに、今大会はハンディなし。予選、決勝ともに今季ベストを狙います。

前戦アメリカGPで8位に終わったアルバロ・バウティスタ(Team San Carlo Honda Gresini)は、得意のコースに気合を入れています。インディアナポリスGPでは、250cc時代の09年に3位表彰台に立ち、スズキからMotoGPクラスに参戦していた10年は8位、11年は6位でフィニッシュしています。Hondaにスイッチした今年は、第6戦イギリスGPで初のポールポジションを獲得し、決勝では4位と、表彰台まであと一歩に迫っています。第9戦イタリアGP、第10戦アメリカGPでは、タイヤのパフォーマンスをうまく引き出せず苦戦していますが、得意とするインディアナポリスGPで調子を取り戻す意気込みです。

CRTマシンで出場のミケーレ・ピロ(Team San Carlo Honda Gresini)は、3戦連続でリタイアしています。今大会は完走とポイント獲得を狙います。

Moto2クラスは、第10戦アメリカGPがカレンダーに組み込まれていないため、今大会がシーズン10戦目となります。9戦を終えて4勝。ランキング1位のマルク・マルケス(Team CatalunyaCaixa Repsol)が、2年連続インディアナポリスGP制覇に気合を入れています。マルケスは来季、Repsol Honda Team入りが決まっています。タイトルを獲得してMotoGPクラスにステップアップするためにも、ここからの後半戦の戦いが注目されます。

ランキング2位のポル・エスパルガロ(Pons 40 HP Tuenti)は、インディアナポリスを最も得意としています。125cc時代は、08年に2位、09年に優勝、10年に3位と3年連続表彰台に立っています。Moto2クラスにスイッチした昨年も、インディアナポリスGPで2位になり、シーズン初表彰台を獲得しています。シーズンを通じて最も相性のいいサーキットだけに、優勝争いに加わることは確実です。エスパルガロと同ポイントでランキング3位につけるアンドレア・イアンノーネ(Speed Master)も、前戦イタリアGPで今季2勝目を挙げて上り調子。エスパルガロとともに今季3勝目を狙います。

日本人勢は、前戦イタリアGPで一時はトップを走って7位の中上貴晶(Italtrans Racing Team)が、グランプリ初表彰台に闘志を燃やします。ノーポイントが続く高橋裕紀(NGM Mobile Forward Racing)も、鈴鹿8時間耐久ロードレースで2位表彰台に立ち、その勢いを後半戦につなげる意気込みです。激戦が続くMoto2クラスは、今大会も白熱したレースになることは間違いありません。

Moto3クラスも今大会が10戦目となります。前戦イタリアGPで今季5勝目を挙げたランキング2位のマーベリック・ビニャーレス(Blusens Avintia)の、今季6勝目とランキング首位奪還が期待されます。また、前戦イタリアGPで2位になり、7戦ぶり今季3回目の表彰台に立ったランキング4位のロマノ・フェナティ(Team Itaria FMI)も、初体験となるインディアナポリスGPに気合を入れています。

以下、総合5位のアレクシ・マスボー(Caretta Technology)、総合7位のアレックス・リンス(Estrella Galicia 0,0)、総合8位のルイス・ロッシ(Racing Team Germany)、総合9位のニッコロ・アントネッリ(San Carlo Gresini Moto3)と、トップ10入りしているHonda勢の戦いに注目です。ルーキー藤井謙汰(Technomag-CIP-TSR)も、初コースのインディアナポリスに挑みます。

コメント

ダニ・ペドロサ(MotoGP ランキング2位)「とてもいい夏休みを過ごせました。この2週間で少しリラックスすることができ、友人と楽しく過ごし、トレーニングもしっかりできました。この時期のインディアナポリスはとても暑いので、体調管理が重要となります。このサーキットで走るのはいつも楽しいです。これまで、いい結果も残してきましたし、今年もとても楽しみにしています。今大会は、優勝を目標にがんばりたいです。そして、シーズン前半の安定性をキープしたいです」

ケーシー・ストーナー(MotoGP ランキング3位)「ラグナセカですばらしい勝利を挙げたあと、アメリカでいい休暇を過ごすことができました。このタイミングで少し休めたことは、とてもよかったです。友人と一緒に過ごしたりしました。インディアナポリスはあまり得意ではありません。歴史的なコースで、オーバルを使う部分は問題ないのですが、インフィールドはとてもフラットで、タイトなコーナーが続きます。おもしろいコーナーがいくつかありますが、全体的に難しいです。すばらしい歴史のあるサーキットでレースができるのはいいことですが、そのコースをちゃんと走れないのは残念です。得意ではないですが、これまでインディアナポリスでは、いい結果を残してきました。昨年は優勝しました。でも、今年のRC213Vが、ここでどんな走りができるのか、行ってみないと分かりません。後半戦のスタートになるので、いいレースをしたいです」

ステファン・ブラドル(MotoGP ランキング6位)「ここまでいいレースをすることができました。思っていたよりリザルトもよかったですし、すべてにおいて、ここまでは満足しています。レース同様に、総合ポイントでも、セカンドグループとはそれほど離れていません。初めて経験したラグナセカでは、いつものような結果は残せませんでしたが、これがこれからの課題になります。セカンドグループを戦う選手たちについていって、トップ3の後ろのポジションでしっかりと戦いたいです」

アルバロ・バウティスタ(MotoGP ランキング9位)「ラグナセカでは、思っていたような結果を出すことができませんでした。土曜日はいいリズムを見つけたのですが、日曜日は路面コンディションが変わり、土曜日の走りを再現できませんでした。コーナーのエントリーで思うようにブレーキができず、安定性もありませんでした。ポイントは獲得しましたが、納得する走りができませんでした。夏休みは、家族や友人と過ごす時間もあり、リラックスできました。インディアナポリスでは、これまで常にいい結果を残せましたし、きちんとセットアップして、前回のようなことを繰り返さないようにしたいです。自信はありますし、モチベーションも高いです。インディアナポリスはユニークなサーキットで、逆時計回りで完全にフラットです。スローセクションや、トップスピードが必要となるロングストレートもあります。昨年はフロントタイヤに問題がありましたが、それは再舗装されたばかりだったからです。今年はそういう問題がないことを願っています」

ミケーレ・ピロ(MotoGP ランキング14位)「ラグナセカは、完走できなかった3つ目のレースになりました。第1コーナーでほかのライダーと接触したのが原因でしたので、残念でした。7月はあまり運がありませんでした。でも、だんだんマシンは仕上がってきていますし、ペースもトップのCRT勢にどんどん近づいています。この調子で残りのシーズンをがんばりたいです。後半戦の目標は、9位でフィニッシュしたオランダGPのようなレースをすることです。それを達成できる自信はありますので、がんばりたいです」

マルク・マルケス(Moto2 ランキング1位)「長い夏休みを終えて、やっと、レースが戻ってきます。インディアナポリスは、世界で最も歴史のあるサーキットの一つなので、楽しみにしています。夏休みは、休養するのにとてもいい機会でした。また、ポルティマオでテストをすることもできました。テストで得た成果は、シーズン後半に役立つかもしれません。インディアナポリスのコースは好きです。今年もトップを狙いたいです。目標はなるべく早くマシンとコースに慣れて、決勝に向けていいセッティングを見つけることです」

ポル・エスパルガロ(Moto2 ランキング2位)「マルク(マルケス)とはそれほどポイントが離れていませんし、ムジェロでは彼より9ポイント多く獲得することができました。今回もミスをしないようにして、彼とのポイント差を縮めたいです。Moto2は予想するのが難しいカテゴリーですから、もちろん難しいのは分かっています。重要なことは、今の調子をキープすることです。今年は、すべてのプラクティスでアタックしています。すべてのプラクティスでほとんどトップタイムを出せていることはうれしいです。チャンピオンシップはとても長いですし、なにがあるか分かりません。これからも全力で挑みたいです」

アンドレア・イアンノーネ(Moto2 ランキング3位)「シーズン中盤になって、いいレースができていますので、とてもうれしいです。後半戦に向けて、いい状態が作れていますので、この調子をキープしたいです。チームはいい仕事をしています。さらに速く走れるように、チームと一緒にがんばりたいです」

中上貴晶(Moto2 ランキング14位)「前戦イタリアGPは、トップグループに加わり、初めてトップを走ることができました。大きな自信を得ることができましたが、後半にタイヤの消耗でポジションを落としてしまいました。今回は、その課題をしっかり克服して、結果につなげたいです。夏休みは、鈴鹿8耐、もてぎの2&4に出かけて、友達やファンのみなさんに会うことができました。リラックスする時間が持てて、トレーニングもしっかりできましたので、インディアナポリスGPを楽しみにしています」

高橋裕紀(Moto2 ノーポイント)「前半戦最後の3連戦は、レースをこなすごとにいい状態をつくることができました。オランダGPで車体が変わり、ドイツGPではサスペンションがよくなりました。やっとレースができる状態になったイタリアGPでは、消耗パーツの交換のタイミングが悪く、それが原因でトラブルが出てしまい、とても残念でした。そのあと、鈴鹿8耐で2位になることができました。今年になって初めてちゃんとしたマシンでレースができたし、それを結果につなげることができました。この勢いをインディアナポリスGPからの後半戦につなげたいです」

マーベリック・ビニャーレス(Moto3 ランキング2位)「インディアナポリスにはいい思い出があります。昨年は、1位には離されましたが、サンドロ・コルテセ(KTM)との厳しい戦いで、2位になることができました。このサーキットは2人とも得意としていますし、今回もまた激しい戦いになると思います。インフィールドでタイムを稼いで、ロングストレートではうまくスリップストリームを使いたいです。レースが楽しみです」

ロマノ・フェナティ(Moto3 ランキング4位)「イタリアGPで2位になれたことで、すばらしい形でシーズンの前半を終えることができました。ホームレースでの優勝まで、あとほんの少しでした。これまでがんばってきたご褒美かもしれません。夏休みは楽しみましたが、それ以上にインディが楽しみです。このサーキットにはすばらしい歴史があります。早く走ってみたいです」

アレックス・リンス(Moto3 ランキング7位)「アメリカは行ったことがありませんが、インディアナポリスはとてもいいサーキットで、ロケーションはまるで違いますが、走っている感じは、ドイツGPの行われたザクセンリンクに似ていると聞きました。向こうに着いたらいつも通りにがんばりたいです。インフィールドのスローコーナーでは、いいラインが必要となってきます。少しでも早くいいセットアップを見つけ、乗りやすいマシンにしなければなりません」